歴史が面白い295

令和3年4月6日

  <4月6日>

新学期 変異型に警戒新型コロナウイルスの変異型が各地で拡大する中、新学期を迎える学校や保育の現場が対策を急いでいる。変異型の子供への感染割合は従来型を上回り、クラスター発生のリスクが高まっている。「まん延防止等重点措置」が適用された大阪・兵庫県3府県では部活動を制限するなど警戒を強化するほか、他の自治体もオンライン授業の整備など備えを進める。

厚生労働省によると、3月30日時点で確認された変異型感染者に占める10代以下の割合は23%で、従来型を含む全感染者に占める割合の9%を上回った。

休校の事態に陥っても学びを止めないため、オンライン授業の備えが進む。コロナ禍を受けて国は全小中学校へのタブレット端末などの配布を前倒しし、今年3月末には9割の自治体が配布を終えた。

昨春の長期休校時、公立校で同時双方向型のオンライン指導ができた自治体は全国の15%にとどまった。端末がそろわない上、デジタル機器の活用に不慣れな教員が多いことが原因だった。(日本経済新聞4月7日)

 

重症急増で医療緊迫新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」の対象となった大阪などで重症の入院患者が急速に増えている。病床使用率は10日間で倍増、ペースは「第3波」時を大きく上回る。

府が確保した重症病床(224床)に対する使用率は3月28日から10日間で倍増し、66.5%に上っている。「第3波」だった2020年11月に使用率が6割に達した際は倍増までに20日程度を要しただけに、病床が埋まるペースが速いことが分かる。

今回の重症者では60代以下の占める割合が多い点が目立つ。府の場合、第3波の際は約25%だったが、直近の約1カ月は5割を占めた。(同)

 

東京でも入院者増加。都内の重症病床の入院患者は6日時点で44人。病床使用率は13%で1ケ月前の3月6日と比べて約2ポイント下がった。ただ中等症なども含めた全体の入院患者は6日時点で1555人となり1カ月前より162人増えた。病床使用率も31%と3ポイント上昇している。(同)

 

国内旅行客、12月54%減観光庁の旅行・観光消費動向調査によると、2020年12月の国内旅行客は前年同月比54%減となった。緊急事態宣言などの影響で5月に84%減まで落ち込み、国の観光需要喚起策「Go To トラベル」の効果などで11月には35%減まで回復したが、その後の感染の再拡大で再び落ち込んでいる。(同)

 

仙台市、8割が変異型仙台市は、2月以降に新型コロナウイルスの感染が確認された検体の一部を検査した結果、8割が変異ウイルスだったと発表した。

「E484K」と呼ばれる変異型が確認された。「E484K」は南アフリカ型やブラジル型にみつかっている。(同)

 

アストラゼネカのワクチン 血栓と「関連ある」。英アストラゼネカ製の新型コロナワクチンの接種者に血栓の症状が報告されている問題で、EUの専門機関。欧州医薬品庁(EMA)の幹部が「ワクチンと(症状に)関連ある」との考えを示した。イタリア紙が6日、インタビュー内容を伝えた。

どのようなメカニズムで症状が起きるのかといった点は未解明だという。ただし、「ワクチンを接種するメリットはリスクを上回っている」とも指摘した。

欧州各国はいったん見合わせた接種を再開したが、比較的若い世代で症状が確認されているため、ドイツやフランスなどは接種対象に年齢制限を設けている。(朝日新聞4月7日)

 

(コメント)

仙台で見つかっている変異ウイルスの型はE484Kだという。

これは神戸や大阪など関西で流行している英国型(N501Y)とは異なる。

E484Kは東京でも確認されている。海外から来たとすると東京から仙台に広がったと推測される。

 

海外では南アフリカ型とブラジル型があるが、いずれもE484KとN501Yの両方の変異を持っているという。したがって正確には仙台で見つかったのと異なる。

英国型は感染力が高く、重症・死亡リスクも高いといわれている。一方、E484Kについてはよくわかっていないがワクチンの効果を弱める可能性があるといわれている。

 

E484Kは、主に海外から国内に入ってきたとみられるが、慶応大学のグループは国内で変異したとみられるケースもあったと報告している。

 

大雑把に言えば神戸や大阪など関西の英国型と東京、仙台などの関東のE484K型(ひょっとすると東京で変異した東京型)の2つの系統の変異型が国内で流行していることになる。

ウイルスの変異は頻繁に行われているという。感染が続けば当然のことながら人にとって好ましくない変異も起こることになる。感染を抑えないといけないのだ。

 

 

歴史が面白い294

令和3年4月5日

  <4月5日>

ワクチン接種 医師紹介。医療情報サイト運営のエムスリーは、新型コロナウイルスのワクチン接種を担う医師を全国の自治体に紹介するサービスを始める。高齢者への接種が12日に始まるのを控え、人手不足が指摘されていることに対応。5月にまず500人の紹介を見込む。

エムスリーは6日、自社サイトで医師の募集を始める。集団検診やワクチン接種などに医師をアルバイトとして紹介してきた実績から、首都圏を中心に20近い自治体から今回のサービスへの問い合わせがあるという。なかには医師の時給を1万円程度に比べ2~5割高く提示する例もあり、人手不足の深刻さを反映している。

エムスリーは自社サイトを通じて全国の医師の9割にのぼる29万人とつながっている強みを生かす。

医療業界では勤務医が勤務先以外の診療所などに週2回程度アルバイトをする慣習がある。エムスリーの調べでは常時10万人規模の医師が市場にいる状態だ。(日本経済新聞4月6日)

 

高齢者施設 検査二の足新型コロナウイルスを巡り、高齢者施設への対策が急務だ。高齢者施設はクラスターの発生が多く、国は2度目の緊急事態宣言の対象となった10都府県に集中検査を求めた。だが網羅的な検査に至っていない。施設側が感染発覚時の業務への影響を懸念するためだ。早期発見で感染拡大を防ぐには、病床確保も含めた行政の総合的な運営継続策が求められる。

検査に二の足を踏むのは、職員が陽性となれば濃厚接触した同僚の自宅待機や入所者の検査、施設消毒を余儀なくされる可能性があるためだ。食事や入浴などの業務に支障がでれば運営継続が難しくなりかねない。

感染が判明しても施設が高齢者サービスを続けられ、病院の感染者受け入れも円滑に進む枠組みが欠かせない。(同)

 

まん延防止 適用初日新型コロナウイルス対策で緊急事態宣言に準じた措置の取れる「まん延防止等重点措置」が5日、大阪、兵庫、宮城の3府県に適用された。大阪市、神戸市内では1週間前に比べ夜の人出が1割前後減る傾向がみられた。飲食店の午後8時閉店や「マスク会食」徹底の要請を含め外食を控える動きが出ている可能性がある。(同)

 

食の変化と現金回避 鮮明経済産業研究所上席研究員小西葉子氏は、POSと家計アプリの2種類の消費ビックデータから、コロナ禍での「食」に関わる財とサービスの購買行動の変化を探った。それによると、コロナ禍で前年より販売増となったのはスーパーマーケットの食品販売額だけだ。緊急事態宣言期間中に最も影響を受けたのは飲み会で、4月には支出額が前年の約1割に落ち込んだ。晩ご飯とカフェもほぼ半額となった。2度目の緊急事態宣言が発令された21年1月には、カフェは前年の約8割、朝ご飯と昼ご飯は約4分の3、晩ご飯は約3分の2、飲み会は約4分の1の支出額だった。食べる回数が減っているといよりは、外食の機会がへっているのだ。

15年1月にはキャッシュレス決済比率は22%(クレジットカード9%、電子マネー13%)だった。21年2月には同比率は53%(クレジットカード34%、電子マネー19%)へと大幅に上昇している。(同)

 

3府県コロナ病床逼迫新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言に準じた対策が可能となる「まん延防止等重点措置」の適用が5日、大阪、兵庫、宮城の3府県で始まった。対象地域では飲食店の営業時間短縮などの取り組みが始まったが、新型コロナ患者向けの病床は逼迫しており、各府県は医療提供体制の整備を急いでいる。

特に厳しい状況にあるのは兵庫県だ。ピークを想定した確保病床数に対する使用率は66%に上り、3月21日(41%)に比べ大幅に上昇。感染状況が最も深刻な「ステージ4」に達している。大阪府の同使用率は47%で「ステージ4」に近い。宮城県の同使用率は42%。一方、東京都の同使用率は25%。(読売新聞社4月6日)

 

(コメント)

高齢者施設の検査が徹底されていない。

厚生労働省からは12月、2月にも検査の徹底の通知が出されている。

今や飲食店よりも高齢者施設の方がクラスター発生は多くなっており、だれもがその危険については承知しているはずだ。

なぜできないのか、それは感染が判明した時の人手不足から施設の運営が立ち行かなくなるのではと施設側が危惧して進まないからだ。

厚生労働省から検査をやるようにいわれているが、これはあくまで要請レベルだ。要請する対象も、要請自体も自治体に任せられている。

運営が立ち行かないからと断られると検査はできない。

しかし、なかには人手不足の解決策などを提示して要請を受け入れている施設もあるという。

個別に解決策が提示できるのはおそらく限られる。やはりここでも抜本的な体制が組めないと前には進まない。よってお願いベースになるのだ。

歴史が面白い293

令和3年4月4日

  <4月4日>

変異型検査「4割目標」難路。政府は変異した新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ようやく検査の強化に動き始めた。通常のPCR検査で陽性だった患者から抽出して変異型かどうかを調べる割合を40%まで高めようとしているが、体制作りは容易ではない。(日本経済新聞社4月5日)

 

きょうから配送 まず5万人分。12日から始まる高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの接種に向け、ワクチンの配送が5日から始まる。対象となる3600万人のうち、5日の週には約5万人分を国から都道府県に配る。大型連休前後にかけて配送量を増やしていき、5月以降の本格接種に備える。(同)

 

第3波 死者7400人。国内で新型コロナウイルスに感染して亡くなった人は、「第3波」の昨年11月以降で7400人を超え、死者全体の8割を占める。高齢者施設での集団感染が「第2波」までの5倍に増え、医療機関では3倍に増えた。大都市では死者の過半数がこうした場所で感染していた。流行が抑えられないまま爆発的に感染が広がり、死者が急増した。(朝日新聞4月5日)

 

高齢者施設対策 置き去り。高齢者施設での感染拡大が抑えられなかった新型コロナ流行の「第3波」。検査体制や病床の確保も後手に回り、死者の急増を招いた。

東京都内の高齢者施設のグループホームに入所する女性(90)が1月上旬に発熱し、コロナ陽性がわかった。持病もあり入院先を探したがみつからず、施設にとどまった。全室個室だが、女性の感染が判明するまで、入所者は食堂に集まって食事をしていた。認知症があり、マスクを着けていられない人も多い。2週間ほどで、18人中15人の入所者と職員2人のクラスターが発生した。

1週間ほどの間に5人の入院先を探したが、入院できたのは2人だった。

高齢者は感染すると重症化しやすいが、1月は各地の病院のベッドに余裕がなく、持病があっても入院できない事例が増えた。「隔離してみとるだけでいいいから受けてほしいと言われた。だがピーク時にはすべての依頼に応えられなかった」(埼玉医大総合医療センター感染症内科医 岡秀昭教授)(同)

 

 

(コメント)

第3波の死者が7400人となったという。

それならばということで、世界と日本のここのところの状況をみてみたい。

新聞記載の毎日の死者数累計値から単月を計算し、月別の推移を作ってみた。

 

日本では、感染が拡大したのは12月からで、12月から3月までで7000人を超えている。 1月が最大で2259人、2月も2147人と2000人を超えている。

 

世界で見ても1月が最大で2月、3月と減少しているが、フランス、イタリアでは3月にリバウンドしている。変異株の影響だ。

日本と世界の比較を見ると、人口10万人あたりで見ても日本の死者がけた違いに少ないことがわかる。

 

 

  新型コロナウイルスによる死者     
           (人)
  12月単月 1月単月 2月単月 3月単月 12月~3月
世界 345,717 414,861 305,513 278,397 1,344,488
米国 75,445 97,121 72,555 39,002 284,123
英国 14,315 33,120 17,162 3,973 68,570
フランス 12,098 11,498 9,735 9,754 43,085
ドイツ 16,924 23,875 12,987 6,297 60,083
イタリア 18,700 14,675 9,228 11,372 53,975
日本 1,339 2,259 2,147 1,279 7,024
           
  人口10万人あたりの新型コロナウイルスによる死者  
           (人)
  12月単月 1月単月 2月単月 3月単月 12月~3月
世界 4.41 5.29 3.90 3.55 17.16
米国 22.93 29.52 22.05 11.85 86.36
英国 21.21 49.07 25.43 5.89 101.59
フランス 18.58 17.66 14.95 14.98 66.18
ドイツ 20.27 28.59 15.55 7.54 71.96
イタリア 30.91 24.26 15.25 18.8 89.21
日本 1.06 1.78 1.69 1.01 5.54
           

歴史が面白い292

令和3年4月3日

  <4月3日>

ワクチン注射、職種拡大。政府は新型コロナウイルスワクチンの接種で注射を打てる職種の拡大を検討する。医師と看護師に限定する現行法の規制を緩和し、歯科医師などが接種を担えるようにする。医学生を活用する海外の取り組みを参考に接種拡大を目指す。(日本経済新聞4月4日)

 

東京など入院継続。変異型の新型コロナウイルスに感染した軽症者らの受け入れについて、東京都と神奈川県などは「原則入院」を継続する。厚生労働省は宿泊施設での療養も可としたが、第3波のピーク時と比べ病床に空きがあるため、当面は現行の対応を維持する。(同)

 

大阪、最多の666人感染新型コロナウイルスは3日も各地で高水準の新規感染の確認が続いた。5日から「まん延防止等重点措置」の適用対象となる府県では、大阪府でこれまで最多だった1月8日の654人を上回る666人が確認された。兵庫では206人、宮城でも136人が確認された。(同)

 

コロナ治療薬 年内にも新型コロナウイルスの新型治療薬が年内にも登場する見通しが強まっている。米メルクやスイスのノバルティスが開発競争をリードし、ワクチンで先行した米ファィザーも経口投与型の新薬の臨床試験(治験)を始めた。日本勢もアンジェス塩野義製薬の新薬候補が海外で第2段階の治験に進む。ワクチンに比べ難航してきたが病態の解明が進み、新薬開発が加速してきた。(同)

 

変異型、子供にも拡大新型コロナウイルスの変異型への感染が子供にも広がりつつある。新型コロナは子供に感染しにくいと考えられていた。変異型の中でも英国型は感染力が5割ほど高いとされ、状況が変わっている可能性がある。

厚生労働省の調査では、国内で変異型への感染が確認されたのは3月30日時点670人余り。このうち10歳未満は12%を占め、40代についで2番目に多かった。従来型を含む感染者全体でみると、10歳未満の感染者は3%にとどまる。

海外でも、英ケンブリッジ大学の研究者が3月、英国型の感染力が10歳未満と10代で特に高くなっているとの分析を論文にまとめた。ただ、論文は査読を受ける前のもので、評価はこれからだ。

子供は感染しても無症状か軽症にとどまり、重症化しにくいのは従来型と変わらないようだ。(同)

 

コロナ後遺症 低い認知度新型コロナウイルスの後遺症とみられる症状に苦しむ人が増えている。医療機関で専門外来を設置する動きも出てきたがまだ少数で、診断書がもらえずに解雇につながったケースもある。専門家は「後遺症について社会の認知度を高め、専門外来や相談窓口の設置などを急ぐべきだ」と訴える。(同)

 

接種先行 米英で効果。世界に先駆けて新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった米国と英国で、感染予防の効果が表れつつある。接種が遅れている欧州各国と明暗を分けている一方、接種の進行に伴う社会の「緩み」もみられる。変異ウイルス流行の懸念も広がる中、米英両国は警戒を強めている。

米国内の介護施設で3月上旬、1週間当たりの新規感染者数は約1300人で、昨年12月下旬の約3万4000人から96%の急減となった。同じ時期の全米の新規感染者数の減少率72%を、大きく上回った。米ヘルスケア協会が最近発表したした報告だ。昨年12月開始のワクチン接種は介護施設の入所者と医療関係者を優先対象としていた。接種の有無と感染抑制の関係が、数字で裏付けられた。(読売新聞4月4日)

 

遅れるEU 変異型が猛威。欧州では変異した新型コロナウイルスが猛威を振るう。死者が10万人に迫るフランスでは新規感染者の8割を英国型の変異ウイルスが占め、南アフリカ型とブラジル型は計4%だ。イタリアやドイツでも約9割は英国型となっている。

マクロン大統領は、「英国型は感染力、致死率が高い」などとして、3日夜から4週間、パリなどで実施している外出制限を全土に拡大する。医療体制が逼迫しているため、重症者向けの病床も増やす考えだ。フランスでは2日時点で1回目の接種を終えた人は人口の約14%にとどまる。

疾病対策センターCDC)の集計によると、米国では新規感染者に占める英国型の割合が、2月中旬の6%から3月中旬に27%と急増している。(同)

 

 

(コメント)

遅れるEU、回復する英米という図式だという。

ワクチンの対人口接種率は英国が5割弱、米国が3割に対し、フランス、ドイツ、イタリアは1割程度である。

人口10万人当たりの感染者を2020年12月から2021年3月まで月単位で、新聞に掲載される累計値から計算してみた。

 

感染者数(人口10万人あたり)

        ①4か月のうち最小値  ②4か月うち最大値    ①/②

米国       3月 559人    12月 1932人    0.29

英国       3月 256人     1月 2024人    0.13

フランス    12月 594人     3月 1380人    0.43

                                (2.32)*

ドイツ      2月 262人    12月  811人    0.32

                                (0.55)*

イタリア     2月 605人     3月 1079人    0.56

                                 (1.78)*

日本       3月  33人     1月  121人    0.27

 

これをみると、米国、英国、日本が3月が最小となっており、減少傾向となっている。フランスは2月にいったん減少したものの3月に増加に転じている。イタリア、ドイツは2月からリバウンドし、増加傾向になっている。

したがって、3月にフランス、ドイツ、イタリアは大きく増加に転じている。これは変異株の影響である。

       

 

*・・・( )内の数字はフランス、イタリアは3月が最大なので3月/最小月、ドイツは2月が最小なので3月/最大月

 

歴史が面白い291

令和3年4月2日

  <4月2日>

民間病院、コロナ対応遅れ新型コロナウイルスの感染拡大に対する民間病院の病床の確保が進んでいない。第3波を受けて病床が逼迫した1月の緊急事態宣言の直後には、200床以上の中規模の民間病院の4割がコロナ患者に対応していなかった。国や自治体は民間病院に協力を要請しているが、病床の提供を強制する法的権限はない。第4波が迫る中、病床逼迫の懸念が再び強まっている。

公立は中規模の207病院のうち194病院(94%)、日赤病院や済生病院など公的病院でも292病院のうち249病院(85%)がそれぞれ対応している。

 

中規模病院の4割が対応していないとの指摘に対し、全日本病院協会の猪口雄二会長は「高齢者が入院し、コロナ病床を確保しにくい病院も多い」と話す。だが、都市部にある中規模の民間病院は「周囲には病院がたくさんある。必ずしも自分のところで受け入れる必要はない」とし、周辺病院との「お見合い」が続く現状を打ち分ける。

日本経済新聞4月3日)

 

まん延防止 見回り隊大阪市は2日開催の新型コロナウイルス感染症対策本部で、緊急事態宣言に準じた措置を取れる「まん延防止等重点措置」の適用期間中、感染拡大を抑え込むため市内の約6万店あるすべての飲食店を訪れる「見回り隊」を組織する方針を確認した。(同)

 

変異型 宿泊療養も可。変異した新型コロナウイルスのひろがりで政策対応も方針転換を迫られている。変異型は感染力が高い可能性があり、厚生労働省は原則として入院を求めてきた。今後、無症状者や軽症者は医療機関ではなく宿泊施設での療養を認める。(同)

 

新規感染増、43都道府県に。緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルスの感染拡大が加速している。4月1日時点で新規感染者数が前週を超えたのは全国の9割となる43都道府県にのぼった。感染源になりやすい飲食店への時短要請にとどまらず、市民に会食のあり方の見直しを求める自治体も出ている。さらに状況が深刻になれば緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の適用対象が、大阪府など3府県から広がる可能性もある。(同)

 

インフルエンザ この冬流行せず。流行が起きなかったのは、厚生労働省が今の方法で調査を始めた2000年以降で初めて。世界的にも同じ傾向となっており、新型コロナウイルス対策で海外との行き来や他者との接触が減ったことが原因と考えられる。

例年、ピーク時の報告数は数万人規模になるが、昨年11月~今年3月は100人未満で推移した。(同)

 

伊、医師らに接種義務。イタリア政府は医療従事者に新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けると発表した。義務化はEU加盟国で初めて。拒否すれば停職などの処分が科せられる。イタリアでは3月下旬時点で、医療従事者の84%が1回目の接種を終えた。接種を断った人が介護施設などで集団感染を引き起こした疑いがある事例が相次いだことで義務化に踏み切った。(同)

 

米雇用復調 91万人増。米労働省が2日発表した3月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月から91万6000人増えた。 市場予想を上回り、  失業率も6.0%と0.2ポイント改善した。新型コロナウイルスのワクチン普及が雇用復調を支えている。(同)

 

変異株急増なら「東京、来月末に再宣言水準」。東大経済学部の仲田泰祐准教授と藤井大輔特任講師が、英国のように急激に変異株が増えた場合、東京都では約4か月でほぼ変異株に置き換わるという推計をまとめた。5月末では1日当たりの感染者が1千人を大きく超え、再宣言が必要な水準になる。

宣言に伴う経済損失も推定したところ、従来株なら7千億~8千億円だが、変異株だと6兆~7兆円と桁違いになった。変異株だといったん増えると感染率が高い水準で維持される。より強い対策が必要となり、経済の落ち込みが大きくなると考えられている。(朝日新聞4月3日)

 

出入国時 アプリで陰性証明出入国時に新型コロナウイルスのPCR検査の結果を証明する共通アプリの導入に向け、日本航空は2日、実証試験を始めた。アプリには将来的にワクチン接種の有無を証明する機能もつける方向だ。普及が進めば、海外への渡航手続きが簡素化できると期待されている。(同)

 

 

(コメント)

東大准教授らの試算は変異株の増加を少しでも減らさないと経済にも大打撃を与えるというものだ。

論文の一般向けの説明をみると、

本研究では疫学で標準的に使われるSIRDモデルを使用し、週ごとのデータを分析した。感染率のパラメータを経済活動に影響するもの(人の動き等)とそうでないもの(ウイルス自体の感染力、うがい手洗いの励行等)に分解し、経済活動がどのように感染率に影響を与えるかを、Googleのモビリティデータをプロキシとして推定した。図1のように人の動きと月次GDPは強い相関があり、人の動きを止めると感染を抑制できるが、経済活動も落ちてしまう。推定したモデルから、GDPの今後の経路を決めると、それに伴う感染拡大の様子がシミュレーションできる。4月から徐々にワクチンの効果が出始めると仮定し、今後一年の感染拡大と平均GDP損失を計算した。

という解説がある。

推計も週ごとに推計結果が公表されている。

これは疫学と経済学を結び付けた画期的な論文であるという。

8割削減の西浦教授といい日本の学者も大したものだ。

 

 

 

 

歴史が面白い290

令和3年4月1日

  <4月1日>

「まん延防止」大阪・兵庫・宮城。政府は1日の新型コロナウイルス対策本部で、大阪・兵庫・宮城の1府2県に緊急事態宣言に準じる措置を取る「まん延防止等重点措置」を適用すると決めた。期間は4月5日から大型連休後の5月5日までの1カ月間とする。

飲食店の営業時間の短縮を主な対策とし、午後8時までに前倒しするよう要請する。要請にこたえた店舗に一律で協力金を支給してきた仕組みを改め、事業規模別に金額を変える。大企業なら1日最大20万円を上限に売上高の減少額の4割、中小企業なら売上高に応じ4万円~10万円を支給する。確定申告書など売上高を証明する書類の提出を求める。(日本経済新聞4月2日)

 

国内接種100万回超す新型コロナウイルスのワクチンの日本での接種回数が累計100万回を超えた。先行する医療従事者に続き、12日からは高齢者の接種も始まる。

優先的に接種する480万人の医療従事者が打ち終わるのは、早くても5月になる見通しだ。(同)

 

大阪、時短緩和で感染拡大。吉村洋文知事は1日、時短徹底のため大阪市内に約6万店ある飲食店すべてを府として見回る考えを示した。

2月末で緊急事態宣言が解除された大阪府だが、3月1日に56人だった新規感染者数は3月31日には10倍の599人に急拡大した。新規感染者の増加は大阪市外から始まった。宣言解除によって府全域への時短要請が大阪市内を除き終了し、店舗が通常通りの営業に戻った市外で感染者が増加。人口10万人当たりの1週間感染者数は1か月で3.83人(3月1日時点)から22.36人(同31日)になった。

宣言解除後に閉店時間が午後8時から同9時に緩和された大阪市内にも3月から人出が戻り始める。

感染の拡大の急拡大の背景について大阪府は、若い世代の行動範囲の広さがあるとみている。健康医療部は「緊急事態宣言が解除され、卒業旅行や卒業関係の飲み会などに参加した人の感染が増えている」と説明。全体の感染者に占める10~30代の割合をみると、3月3~16日は36.3%だったが、17~30日は51.5%まで上昇した。(同)

 

大阪市聖火リレー中止大阪市で14日に予定されている東京五輪聖火リレーについて、大阪府の吉村洋文知事は1日、中止する意向を示し「府の実行委員会で近く正式に決定し、大会組織委員会に伝える」と述べた。組織委員会自治体の意向を尊重する考えで、大阪市内のリレーは中止となる見通しだ。(同)

 

コロナ検査拡充要請厚生労働省は1日、新型コロナウイルスの検査体制の強化を都道府県に要請した。感染者が過去最大のさらに2倍程度増えることを想定し、4月中に体制を構築するよう求めた。より簡易な高原検査などの方法を組み合わせて効率的な検査体制をめざす。全国のPCR検査能力は現在、1日最大17万5000件。これまで1日の検査実績は最大で10万人だった。

 

韓国、接種証明アプリ。韓国の丁世均(チョン・セギュン)首相は1日、ワクチンを接種済みであることを示すデジタル証明書を発行するスマートフォン用アプリを月内に公開すると発表した。海外渡航時の「ワクチンパスポート」として活用するほか、国内での利用も想定する。(同)

 

コロナ再拡大 我慢の春。重点措置の適用で都道府県知事は、市町村などの特定地域を指定した上で時短営業の要請や命令が可能となる。今回大使用となる大阪市兵庫県の神戸、西宮、芦屋、尼崎の各市、宮城県仙台市の計6市では、営業時間が現状の午後9時から同8時までに前倒しされる見通しで、飲食店は対応を迫られる。(同)

 

「第3波超える拡大 警戒」。都は1日、新型コロナウイルスのモニタリング会議を開き、週平均の新規感染者数が3週連続で増加していたことなどを報告した。専門家は前週に続いて「『第3波』を超える感染拡大が危惧される」と、引き続き危機感を示し、変異株への警戒を続ける必要性を指摘した。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は、増加の比率がさらに上がれば、「都内の新規感染者数は4週間後に1日約650人になる」と指摘。「『第3波』を超える感染拡大が懸念される」として、ただちに対策を強化することが必要との見方を示した。(朝日新聞4月2日)

 

 

(コメント)

大阪などにまん延防止措置が出された。

東京に先行する大阪の状況を見るために、

大阪府のコロナ対策本部の資料をあたってみた。

感染急拡大の要因の一つに大阪市外から市内への感染の広がりがあり、それを裏付けるデータが時系列にグラフ化されていた。

緊急事態宣言解除の解放感が時短営業が要請されていなかった市外から現れたようだ。さらに3月の卒業や企業の歓送迎会の時期と重なりとくに若者の感染が拡大した。

 

大阪の今後の対策でキーとなるのが、市の全飲食店見回りだ。

大阪府の同対策本部資料によると、「見回り隊」と称して、

・「アクリル板等の設置」・「CO2センサーの設置(換気の徹底)」・「消毒液の設置(手指消毒の徹底)」・「マスク会食の徹底」等ーを確認して回り、遵守できていないところは是正を依頼する、ということを実施するようだ。

 

府の専門家の意見欄では、飲食店のマスク会食の徹底を今回のポイントにあげているが、マスクをとった手についたウイルスの除菌のために消毒液をいろいろの場所におくなどコメントする専門家もいた。

 

第4波となるとやることは同じであるが、細かくなってくる。行動の細部まで介入してくる。

 

 

歴史が面白い289

令和3年3月31日

  <3月31日>

大阪「まん延防止」適用へ菅義偉首相は31日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言に準じる措置「まん延防止等重点措置」を大阪に適用する考えを表明した。感染が拡大する他の自治体とも協議し、1日に対象地域わ正式に決定する。適用地域には飲食店の営業時間短縮を強化するよう求める。(日本経済新聞社4月1日)

 

大阪急増「第3波」上回る大阪府は31日、緊急事態宣言に準じる措置を取ることができる「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請した。府内では若い世代を中心に感染の再拡大「リバウンド」が進み、「第3波」の増加スピードを上回る。夜間の人出が増えるなどふの営業時間の短縮要請の効果は薄れており、飲食店でのマスク着用義務付けなど強い措置が必要と判断した。(同)

 

変異型ウイルス 1日6000件解析筑波大学発スタートアップのiLACは1日、新型コロナウイルスの全ゲノムを解析するサービスを始める。「英国型」や「南アフリカ型」など、感染力が強いとされる変異型を特定する。処理能力は1日6000検体分と国内最大だ。感染の再拡大を抑えるのにつながる。

国立感染症研究所も手掛けているが、日本全体でも処理能力は週2000検体分ほどにとどまっている。(同)

 

宮城・青森で最多。国内で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。31日は午後8時時点で新たに2832人の感染者が確認され、2日連続で2千人を超えた。2800人以上はとなったのは1月31日以降で初めて。宮城県青森県で過去最多を更新した。宮城県200人、青森県81人だ。(同)

 

12~15歳「100%有効」。米製薬大手ファイザーは31日、独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの治験で12~15歳の被験者に100%の有効性を確認できたと発表した。同社は米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)にデータを提出し、近く緊急使用許可を申請する方針だ。

治験は米国で実施され、2260人の12~15歳を対象とした。プラセボ(偽薬)を投与した1129人の対象者の中で感染したケースが18例あったものの、ワクチンを接種した1131人には一例も感染が確認されなかった。(同)

 

企業の余剰人員238万人内閣府は31日、国内企業が抱える余剰人員が2020年10月~12月期に238万人に上ったとの推計を発表した。1回目の緊急事態宣言が出ていた4~6月期(646万人)に比べて減っているものの、コロナ前に比べて高い水準が続いている。仕事が少なくなったにもかかわらず、多くの雇用を維持しているとみられる。(読売新聞4月1日)

 

武漢の調査継続意向。WHOのテドロス・アダノム事務総長は3月30日、WHOが新型コロナウイルスの発生源を中国・武漢で調査した報告書について、「まだ発生源を特定していない」と述べ、専門家の再派遣の検討を含めて調査を継続する意向を示した。

(同)

 

仏感染拡大 制限強化へ新型コロナウイルスの感染者が欧州で最も多いフランスで、感染状況が深刻化している。パリを含むイル・ド・フランス地域圏などでは医療機関の逼迫度が増しており、通常授業を続ける学校などでの感染も拡大している。マクロン大統領は31日、感染を抑制するため、行動制限の強化を発表する見通しだ。

フランスは感染の第3波に見舞われており、最近の1日当たりの新規感染者は約3万~4万人台に上る。集中治療室の入院患者は3月30日時点で約5000人と昨秋の第2波のピークを上回り、医療崩壊への懸念が高まっている。

政府は3月20日から、パリや仏北部などで3回目の外出制限を導入した。レストランの屋内営業禁止が続く一方で、散歩の時間制限がないなど「緩い規制」だ。春の陽気が続く中、パリでは公園に多くの人が集まって食事や日光浴を楽しむ姿が目立つ。

ワクチン接種も遅れている。供給不足などから3月30日時点で、医療関係者や高齢者ら約1100万人(総人口約6700万人)にとどまっており、政府は接種の加速を目指している。(同)

 

(コメント)

宮城で200人、青森で81人の過去最多の新規感染者だ。

なぜ東北でと疑問である。

 

調べてみると、宮城では2月8日に緊急事態宣言が解除され、飲食店への時短要請は終わっていた。

首都圏にいると再延長もあり、つい最近まで緊急事態宣言下の状況が続いていたという認識が染みついている。

宮城では2月の上旬は感染者数が1桁で落ち着いていた。しかし、再び増え始めた感染者の発症日をたどると2月の上旬ごろからだという。

さらに県が2月23日に飲食店支援策「Go To イート」のプレミアム付き食事券を再開したことも飲食店を起点とする感染拡大につながったのではないかという。

このほか、東日本大震災関係での県外からの人の動きなども要因になったのではとみている。

 

要は緊急事態宣言解除から2か月も過ぎると精神的にも制限がとれてくる。

時短営業要請もない。逆に、Go To イートで飲食店の支援もしたい。

震災10年で人も来るということで気が緩んでしまった。

言ってしまえば、無防備のところに変異株による感染の波にのまれたというところか。

 

青森の81人は障害施設と介護施設の2件のクラスターだ。とくに障害施設で68人(累計70人)の感染が確認されている。宮城県とはやや様相は異なり、特異の事例のようだ。