歴史が面白い16

令和2年3月10日~3月11日

  <3月10日> 

中国 習主席初の武漢入り。国家主席は10日国内でコロナウイルスの感染が広がって以来初めて湖北省武漢市に入った。最高幹部ではナンバー2の李克強首相が1月下旬に武漢入りしており、いつ習主席が武漢に入るかが焦点であった。この時期に武漢に入ったのは国内の反発に配慮した面が大きい。

 

イタリア全土で移動制限。9日の感染者数は9172人と中国に次いで2番目に多い。欧州で突出して感染者数が多い理由は医療現場の崩壊だ。イタリアはこれまで新型コロナの検査を5万4千件以上してきた。感染者を確定させる狙いだったが、軽症の患者も徹底的に検査したため、病床が満杯に。医師や看護師の不足に拍車がかかり感染が一気に広がった。WHO関係者の話として「検査をやり過ぎ害を及ぼしたようにみえる」、無症状の人は自力で回復できた可能性があると指摘した。

イタリアは欧州連合が求めた財政緊縮策として医療費削減を進め、医療機関を減らしてきた。政府は引退した医療関係者を現場復帰を呼びかけ、軍事施設の活用など対策を急ぐ。

中国人観光客の多さも新型コロナのまん延のきっかけになったとの声もある。イタリアを訪れる中国人は年間320万人を超え、国別では5番目に多い。19年主要7か国(G7)で初めて中国の「一帯一路」に参画し、その後中国人は一段と増加した。

明るくて友好的な国民性が関係している可能性もある。家族や友人との時間を重視し、週末などに食事やカフェを一緒に楽しむのは日常茶飯事だ。あいさつも相手のほおに自分のほおを寄せるのが一般的で、人と人が身体的に近寄る機会が多い。

 

新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を10日閣議決定した。国会に提出し13日に成立する。成立すれば、首相が緊急事態宣言わ発令し、都道府県知事が私的権利の制限を含む感染拡大の抑制措置をとれるようになる。

 

  <3月11日>

WHOは新型コロナウイルスについて「パンデミック(世界的な流行)」と認定した。2009年の新型インフルエンザ依頼11年ぶり。新型コロナウイルスの感染は110か国・地域に拡大し、累計の感染者数は12万人超、死者は4600人以上に達した。当初中国以外の感染者の割合は全体の1%であったが、現在は3割以上に上昇している。1万2千人を超えたイタリアが最も多く、イラン、韓国が続く。最近はフランスやスペイン、米国など欧米での増加が顕著だ。

 

イタリア全土で飲食店などを閉鎖。10日に個人の移動を禁止したが、感染が止まらないのでさらに踏み込んだ対策で徹底的に封じ込める。対象はレストランやバル、美容院などで12日から2週間である。

 

米、欧州からの入国禁止。英国を除く欧州に過去14日滞在した外国人の入国を禁止する。米国はすでに中国やイランに対して過去14日滞在した外国人の入国を禁止しており、欧州に対しても同じ措置をとる。

 

春の選抜高校野球中止。日本高野連は中止の理由として、①出場選手の健康、安全を最優先すべき➁国内の感染流行が長期化し、関西でも感染者が増加➂大会に向けた練習など出場校で足並みがそろっていないと説明した。

 

東京五輪大会組織委員会理事、大会延期プランを考えるべきとの見解。それに対して組織委員会の森会長は会見し予定通り進めると否定し、理事の見解表明に遺憾の意を示した。

 

(コメント)

中国に続きイタリアでも移動制限、都市封鎖が行われた。イタリアの場合、緊縮財政から医療体制がただでさえ脆弱な上に今回の感染拡大で、まさに医療崩壊となった。このイタリアの感染拡大のスピードの早さ、それと医療崩壊の現場のニュースが以後感染が広がっていく国々の人々に大きなインパクトを与えていく。医療崩壊から高齢者死亡のさらなる増加という恐怖のイメージが定着する。