令和2年8月21日~8月22日
<8月21日>
感染、60歳以上の割合倍増。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は21日、国内感染者で中高年が占める割合が増加しているとの見解を示した。60歳以上の拡大が目立ち、大阪府などでは重症者数も増加傾向にある。(日本経済新聞8月22日)
感染多発地域の検査。厚生労働省は21日までに、新型コロナウイルスの感染者が多発する地域やクラスターが発生した地域では、医療機関や高齢者施設の職員や入所者も公費でPCR検査や抗原検査を受けられるとの見解を明らかにした。施設内で感染者が出ていない段階から可能になる。保健所が感染拡大防止に必要と判断した場合が対象となり、施設側が希望しても応じられないケースもあるといい、どこまで検査が拡大するかは不透明だ。(同)
抗マラリア薬 コロナに有効か。国立感染症研究所の脇田隆宇所長は21日、抗マラリア薬の「メフロキン」が細胞実験で、新型コロナウイルス感染症の治療に有効である可能性を示したと発表した。(同)
「感染ピークは7月末」。政府の分科会は21日、おもに7月以降の新型コロナウイルスの感染拡大について「全国的に見れば、ピークに達したものと考えられる」との見解を示した。(朝日新聞8月22日)
GO TO 1カ月 効果限定的。政府の観光支援策「GO TO トラベル」事業が始まってから、22日で1カ月らなる。新型コロナウイルスの感染が収まらないなか、人出は大きく落ち込んだままで、効果は限定的といえそうだ。JR旅客6社のお盆期間の利用者は、前年から76%減となるなど、遠距離の移動を控える傾向がうかがえる。観光庁の蒲生長官は21日の定例会見で、「一部旅行会社によると、近距離を中心に予約は堅調と聞いている」と述べた。ただ、感染拡大が続くなかでの事業については批判も根強い。岩手県の達増知事は21日の記者会見で「失敗と言っていい」と批判した。
(同)
<8月22日>
熱中症?コロナ?医療混乱。猛暑が続くなか、熱中症の疑いのある救急患者の増加が、新型コロナウイルス患者を受け入れる医療現場を圧迫している。発熱など初期症状が似ているためで、医療スタッフは防護服を着るなど細心の注意が必要となる。救急の現場からは新型コロナウイルスかどうかを早く診断できる体制づくりを求める声が上がっている。(日本経済新聞8月23日)
病床逼迫続く地域も。国内各地で新型コロナウイルスの感染確認が続き、一部の自治体で病床の逼迫度が高まっている。ピーク時に確保を想定している病床数に対する使用率が16府県で前回12日時点より上昇した。沖縄県は88.2%で前回より17.2ポイント上昇した。4段階評価で最も厳しい「ステージ4」の基準を大きく上回る状況が続いている。(同)
コロナ回復後 心臓に炎症。新型コロナウイルス感染症の症状が収まっても体の不調が続くとの報告が相次いでいる。ドイツの研究チームは回復した人の6割で心臓の炎症が続いていたと明らかにした。感染確認から数カ月過ぎても4割弱に息切れや疲労感が残り、5%に心筋梗塞の疑いがあった。国内では心筋炎の発生率は研究例はない。(同)
(コメント)
コロナ回復後に6割の人に心臓に炎症というドイツの症例だ。日本では研究例はないとのことだが、日本循環器学会で新型コロナウイルス対策チーム委員長の佐賀大学野出孝一教授は「患者の6割という数字は日本の治療現場の報告とくらべると多い印象だ」という。
ちなみに、心臓病の患者がコロナにかかるとどうなるのか、については日本循環器学会のQ&Aには、こう書かれている。
・まずウイルスにかかる危険性は心臓病だからといって高くはない、普通の人と同じである。
・重症化するリスクは高い。ウイルスが体内に入ると、肺に直接障害を与えるだけではなく、炎症反応を誘発して心臓や血管に2つの機序により負担をかける。
①ウイルスが肺に感染して血液中の酸素濃度がさがる
➁ウイルス感染による炎症の影響で血圧が下がる
ウイルス感染により心臓や血管にこのような負担が生じた場合、心臓はその他の大切な臓器に酸素をおくるために、いつもよりもより働く必要があるため、心臓病が悪化してしまう可能性がある。
心臓病はコロナ感染に注意すべき基礎疾患なのである。