歴史が面白い112

令和2年10月4日

  <10月4日>

抗原検査 問われる手法新型コロナウイルスに感染したと判断され、保健所に届け出された後に感染していないとわかるケースが最近相次いでいる。簡易キットによる抗原検査の「偽陽性」が主な原因で、隔離や入院が求められれば不利益は大きい。インフルエンザとの同時流行期には、簡易キットが1日20万件使えるようになる見込みだ。専門家らは、検査対象や手法を適正にし、リスクを減らす必要がある。

感染者を見逃す「偽陰性」はPCRより起きやすい。このため厚労省の指針は、結果が陰性なら、発症2日目から9日目の場合を除き、PCRなどの追加検査を求めている。一方、陽性の場合、PCRの結果とよく一致するとして、確定診断にすることができる。だが、専門家や保健所の担当者から偽陽性の頻度に懸念の声が出ている。偽陽性は感染の可能性が高い患者に検査を絞ることで減らせる。厚労省の指針でも、簡易キットの対象は、新型コロナウイルスの感染を疑う症状がある人と明記している。(朝日新聞10月5日)

 

(コメント)

抗原検査は精度がPCR検査より劣るため、使用する場合を絞っている。発症後2日目から9日目の人だ。要はウイルスが沢山ある場合、感度が低くても陽性の判断ができだろうということだ。したがって陰性になっても感度が低いので、感染の疑いがあると医師が判断すればPCR検査を受けることになる。

ちなみに、抗体検査というものもある。PCR検査と抗原検査がウイルスそのものをつかまえる検査にたいして、抗体検査はウイルスに感染した人の体内で作られた抗体を捕まえる検査だ。抗体検査はその人が過去に感染した痕跡を探す検査であって、今感染しているかどうかを調べる検査ではない。抗体検査ではIgGとIgMと呼ばれる抗体を調べる。それぞれ検出量が発症してから上がり始め、ピークに達してから減少する。

IgGもIgMも、発症9日後くらいから上がり始め、2週間半でピークに達するが、IgMは発症後6週間もするとかなり下がってしまう。一方、IgGの方は6週間後でも高いままである。新型コロナウイルスのIgGはどうなるかは今後のデータ待ちだが、多くの感染症では数年間に渡って高いままである。抗体検査は、PCR検査や抗原検査と違い保険認可されていないので受ける場合は自費検査になる。