歴史が面白い123

令和2年10月15日

  <10月15日>

東京都感染新たに284人。東京都は15日、新型コロナウイルスの感染者が新たに284人確認されたと発表した。339人の感染が確認された8月20日以来、約2か月ぶりの高水準。年代別にみると20代の69人が最多で、30代の67人、40代の42人が続いた。重症化リスクの高い65歳以上の高齢者は40人確認された。(日本経済新聞10月16日)

 

欧州、再び感染の中心に。欧州で新型コロナウイルスの新規感染者が急増している。14日には10万5千人を超え、再び世界の感染の中心地となりつつある。感染爆発による医療体制の崩壊を避けるため、フランスはパリなどの夜間外出禁止に踏み切った。経済活動を維持しつつ、感染をどう抑制するかという難題に改めて直面している。

1日あたり新規感染者が2万人超に達するフランスは14日、公衆衛生上の緊急事態を閣議決定し、パリなどで午後9時から翌午前6時までの外出を原則禁止すると発表。集中治療室(ICU)の使用率は24日ごろまでに、上限7~9割に達するという。

ドイツも15日公表の過去24時間の新規感染者が6638人と、春のピークを超えて最高を更新した。政府と各州はマスク着用の義務の強化などの制限措置で合意した。王雌雄の感染急増は検査体制の拡充に加え、夏のバカンス期に経済再開を急いで警戒感が緩んだのが一因だ。若者の感染が中心で、春と比べ死者数は少ない。

イタリアも新規感染者が14日時点で7300人超に達し、3月のピークを超えた。14日から約1カ月、パーティを禁じ、飲食店の営業は深夜0時までとする。(同)

 

東南ア、マイナス成長一段と。東南アジアで新型コロナウイルスの感染者が再び増え、2020年のマイナス成長が拡大する懸念が出てきた。タイなど封じ込めに成功する国も外国人観光客の受け入れを再開できていない。各国は感染抑制と経済回復の両立に苦慮する。(同)

 

第2波 欧州の悪循環。欧州各国で新型コロナウイルスの感染爆発の第2波が起きている。経済復興を優先し、行動規制を大幅に緩めてきたためだ。経済回復を図ろうと、欧州各国は夏場に国境を開き、特に「観光」の復活に力を入れた。飲食業や交通、宿泊など恩恵を受ける裾野が広いためだが、人の移動の促進は、感染拡大を容赦なく招いた。

第1波の際には巨額の政府支出で経済の底割れを防いだ政府も、第2波で同じような支出に躊躇する。ドイツのメルケル首相は14日、第2波が春と同じ状況となれば「経済的にも対処する余裕がない」と語った。(朝日新聞10月16日)

 

アビガン販売申請富士フィルムホールディングスは16日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として「アビガン」の製造販売の承認を厚生労働省に申請したと発表した。厚労省は有効性や安全性を審査したうえで、11月にも承認する可能性がある。(日本経済新聞10月16日)

 

レムデシビルWHO治験。WHOが実施した臨床試験(治験)で、米製薬大手ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」が入院患者の死亡率改善に大きな効果を与えなかったことが分かった。5月に米食品医療品局(FDA)が緊急使用許可を出したほか、日本でも特例承認された。新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領にも投与された。現在は新型コロナウイルスの治療薬として、世界50カ国で使用されている。(同)

 

(コメント)

レムデシビルが死亡率改善に効果がないとWHOが発表した。先日このブログでも紹介したが、日本の医療現場では有効性が確認されている。忽那賢志国立国際医療研究センター・国際感染症対策室医長が、日本の第2波で重症化の数が減った大きな要因の一つとして挙げ「レムデシビルとデキサメタゾンの併用は、現時点での治療方法としてほぼ確立しています」と述べられている。(文藝春秋11月号)

国立国際医療研究センターは日本の感染症のトップ医療機関で重症化した患者の受け入れを行っているところだ。200人の患者を受け入れてきたという。そこの医長の発言は重い。ただ、同紙で限界も言及している。「また、発症から時間がたつと治療薬の効果が低くなります。発症から1週間ほど経過してしまうと、レムデシビルを投与しても悪化してしまうことがある」と述べている。

レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されたもので、そもそも新型コロナウイルスの治療薬として開発されたものではない。発症間もない患者に効果があるならそれはそれで有効な治療薬である。WHOでもその辺はよく分かっていたはずで、効果がある点も同時に付言すればよいもののと思う。WHOは政治的な動きをすると言われているが、何か意図的な感じがする。