歴史が面白い128

令和2年10月20日

  <10月20日>

コロナワクチン治験 ファイザー、日本で開始。米製薬大手ファイザーは20日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、日本で臨床試験(治験)を始めたと発表した。ファイザーは1億2000万回分を供給することで日本政府と合意している。実用化すれば国内で流通する主力ワクチンのひとつになる。ファイザーが国内で始めた第1相・第2相の治験は健康な20~85歳の日本人約160人が対象。開発中のワクチンを2回投与して反応をみるほか、有害な症状が起こらないか2回目の投与から12か月後まで観察する。同社は4万人以上を対象に国際治験も実施している。

国内ではほかに大阪大学発のアンジェス、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、英アストラゼネカが治験に入っている。アストラゼネカジョンソン・エンド・ジョンソンは海外で副作用が疑われる症状が出たことを受けて一時中断している。

 

コロナワクチン 12月にも承認。米バイオ製薬のモデルナが開発中の新型コロナウイルスワクチンをめぐり、米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可が12月にも承認される見通しとなった。実施中の臨床試験(治験)で有効性が11月下旬にも判明すれば、すぐにFDAに緊急使用許可を申請する。FDAが数週間かけて精査する場合もあり、承認が下りるのは12月になる見通しという。

 

 

(コメント)

ワクチンの開発競争が最終段階に入ってきたようだ。

WHOの最新情報(10月15日)によると、世界で研究開発中のワクチン候補は198あり、うち42が臨床試験中で、最終の第3相試験に入ったのものが10候補ある。過去のデータからは、基礎研究や非臨床試験から臨床試験に行き着くのが1割弱、臨床試験の最終段階をクリアするのはその2~3割とされている。現在の進捗状況では、今年末までに2候補の治験結果が判明し、うまくすれば来年初めまでに承認・接種開始となるワクチンが登場する可能性もある。(國井修グローバルファンド戦略投資効果局長 ニューズウィーク日本版10月27日)

最終第3段階の10候補は、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、J&Jや中国の3社シノバック、シノファーム、カンシノ、米ノババックス、露ガマレア研究所、独バオンテックである。日本で先頭を走るアンジェスは第1段階と第2段階の中間である。

ワクチンの開発は急ピッチで進みもうすぐ結果が見えるが、その有効性や安全性に結論を出すのはもっと時間がかかる。