歴史が面白い157

令和2年11月18日

  <11月18日>

ワクチン95%有効。米製薬大手ファイザーは18日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて最終分析での予防効果が95%に達したと発表した。数日以内に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する。年内にもワクチンが実用化される。臨床試験に参加した約4万3千人のうち170人の新型コロナウイルスの感染者を分析したところ、ワクチン接種者が8人にとどまった。現時点で重大な副作用も出ていない。(日本経済新聞11月19日)

 

国内感染初の2000人超。国内で18日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者は午後10時時点で2191人となり、1日の新規感染者の過去最多を更新した。菅首相は「とにかく感染拡大を防ぐよう全力をあげて取り組むように」と指示した。政府は20日にもコロナ感染症対策分科会を開き、対策を議論する。(同)

 

重症者「第二波」を超す。国内の新型コロナウイルス感染者が2千人を超え過去最多となる中、重症化する患者が増えている。重症者数は270人台で8月の感染拡大「第二波」のピークを超えた。東京都や大阪府など3都府県は重症者用の病床に対する使用率が4段階で2番目に深刻な「ステージ3」の水準になっている。(同)

 

コロナに結合 侵入防ぐ物質京都府立医科大学の星野温助教大阪大学の高木淳一教授、岡本徹教授らは18日、新型コロナウイルス感染症の予防や治療に役立つ可能性がある物質を開発したと発表した。

新型コロナウイルスはウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」を使い、細胞内に入り込む。このたんぱく質が人の細胞表面にあるたんぱく質「ACE2」に結合している。研究チームは結合を妨げるたんぱく質を新たに作った。ACE2の遺伝子を改変して作ったたんぱく質は、スパイクたんぱく質に結合する能力が100倍高いという。

2021年度に臨床試験を始め、早ければ22年度に実用化を目指す。(同)

 

医療用マスク、国内で生産。アイリス・オーヤマが医療・衛生用品の国内生産を加速する。家庭用マスクに続き、医療用の高性能マスク「N95」や除菌用ウェットティシュを宮城県内で生産する。2021年の秋の稼働を目指す。マスクは月産1万枚程度を計画する。(同)

 

薬生産 分業時代へ新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発を機に、製薬業界で生産の分業化が急速に進んでいる。世界的な感染拡大で、早期の開発や安定供給が求められているためだ。今後の新薬開発などにも広がる可能性がある。

武田薬品工業は、米ノババックスが開発中のワクチンを、山口県の自社工場で製造することで合意した。

アストラゼネカが開発中のワクチンでは、JCRファーマが国内で原料を製造し、第一三共などは、製剤化や容器への充填を担う計画だ。

コロナ禍で市場に近い場所で迅速に生産する必要が生じ、開発や生産を異なる企業が担当する「水平分業」体制の構築に舵を切った。(読売新聞11月19日)

 

(コメント)

アイリスオーヤマがマスクの国産化を始めた。すでに家庭用のマスクは月産2億3千枚体制を築いたようだ。政府の補助金を使って4分の1の資金で工場を作ったようだ。今度は医療用のN95だ。これも政府の助成金を使う。世の中の流れをつかみ、それに乗っていく、意思決定の早い会社である。もちろん裏付けとなる人と技術がなければならないが。

また、製薬会社も垂直統合から水平分業で新しい試みが始まっている。この流れはスピードに対応していかなければならないとかコロナのようなグローバルな需要があるということを前提としている。

このようにコロナは否応なしに産業構造を変えていく。これに機敏に対応していかないと生き残れない世の中になってきた。