歴史が面白い164

令和2年11月26日

  <11月26日>

72時間以内容認、先送り新型コロナウイルスの世界での感染再拡大を受け、日本と外国の往来再開が停滞する。政府が検討していたビジネス関係者の滞在72時間以内の入国容認は当面、先送りする。日中両国はビジネス往来の再開で合意したが、これも当初の想定からずれ込んだ。政府は経済活動への影響を懸念する。(日本経済新聞11月27日)

 

PCR最短で90分島津製作所新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査装置で、最短90分で結果が判明するタイプを開発した。検体の前処理や分析結果の読み取りなど専門知識を必要としない。全自動で検査でき、中小病院でも導入が可能だ。スイス医療大手ロシュなどが手掛ける一般的なPCR検査装置の価格が300万円超に対し、3割安い200万円に抑えた。(同)

 

都、病床の確保「急務」。東京都では26日、新型コロナウイルスの感染者が新たに481人確認され,重症者は緊急事態宣言解除後で最多となる60人に達した。感染状況などを検討する都の「モニタリング会議」に出席した専門家は「中等症以上の患者の増加に対応できる病床の確保が急務だ」と指摘した。

都はこれまでに重症者用の病床として150床を確保したが、今後の急増を見込んで300床を視野に医療機関との調整を急ぐ。(同)

 

飛沫の3割外に漏れる理化学研究所は26日、スーパーコンピューター「富岳」で、忘年会シーズンに利用が増える飲食店やカラオケ店での飛沫の拡散などを計算した結果を公表した。最も性能が良いマウスガードでも約3割の飛沫が外部へ漏れていた。

あごから端を覆うおわん型が最も性能が良かったが、それでも34%の飛沫が飛散。口元のみを覆うタンプは65%が飛散した。(同)

 

中国ワクチン、足踏み中国企業による新型コロナウイルスワクチンの開発に不透明感が漂っている。臨床試験(治験)中に大規模投与に踏み切り、一時は世界の開発レースの先頭にいたが、予防効果や検証が不十分とする指摘が出ている。欧米勢の実用化は秒読みの状況で、中国が力を入れる「ワクチン外交」にも影響が出かねない。

英医学誌ランセットが17日、シノバック゛・バイオテックが開発するワクチンについて、初期段階の治験データを分析した論文を掲載した。治験結果から、「感染を防ぐ予防抗体は(コロナ感染から)回復したレベルより低い」とし、有効性は「中程度」と評価していた。(同)

 

府中にコロナ専用医療施設。東京都は26日、府中市内で整備中の新型コロナウイルスの専用医療施設を12月16日に開設すると発表した。当初は32床でスタートし、最終的には100床まで増やす。(同)

 

4か月連続で転出超過総務省が26日発表した住民基本台帳人口移動報告によると、10月の東京都の転出者数は3万908人と前年同月に比べて10.6%増えた。転入者数は2万8193人と7.8%減少し、4か月連続で転出者の報が多い転出超過となった。(同)

 

欧州コロナ規制 クリスマス緩和。欧州の主要国が相次いでクリスマス期間中に新型コロナウイルス対策を緩和する方針を打ち出した。市民の不満を抑え、経済を支えるための苦肉の策だが、感染の再拡大につながる危うさもある。(同)

 

米感謝祭 自粛に限界新型コロナウイルスの感染者増に歯止めがかからない米国で、26日の感謝祭(サンクスギビング)に伴うさらなる感染拡大への懸念が強まっている。米保健当局などは感謝祭に伴う移動の自粛を求めるが、米国内の航空旅客数は3月中旬以来の高水準を記録した。先の見えない自粛生活の中で、我慢が限界に達しつつある米国民の姿も見え隠れする。(読売新聞11月27日)

 

 

(コメント)

中国発のワクチンは有効性がやや劣るとの論文が出されたという。

欧米勢で先行する米ファイザーや米モデルナ、英アストラゼネカは最新技術を使った新しいタイプのワクチンだ。有効性は90%以上と高い。一方の中国は病原性をなくした昔ながらの手法を使っている。インフルエンザワクチンなどで長年使われている手堅い技術だ。

 

ただ、新しいタイプの高い有効性については、各社が有効性を評価した期間は2回目の接種から1~2週間と短い。専門家の間では「有効性や安全性について正確に評価できない」との声もある。WHOは新型コロナに求められる望ましい有効性について、「少なくとも70%」などとの見解を示している。また、実用化の実績がないため安全性への不安もある。どういった人に副反応リスクが高いは不明だ。

 

宮坂昌之教授(大阪大学)によると、ワクチンは、その有用性は認識されにくく、一方投与による副作用があると社会的に大きな非難を浴びる。そのことを考えると、ワクチン開発は熾烈な競争だとされるが、実際はウサギとカメの競争のようなものだ。ウサギのように、急いで先にゴールに飛び込んでも、それが副反応の出るワクチンや、予防効果の低いワクチンであったとすれば、絶対に後で使われなくなる。一方、カメのように後からゴールに入っても、安全で予防効果の高いワクチンであれば、その後ずっと使われることになるので勝負には勝ったことになる。今、気になるのは、ロシアやアメリカ、イギリスなどで行われているワクチンの過剰とも思われる開発競争だ、と指摘する。