歴史が面白い168

令和2年11月30日

  <11月30日>

従業員シェアで雇用維持新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、人手が足りない企業が業績不振業種から出向者として人を受け入れる「従業員シェア」が本格化してきた。ノジマは航空会社やホテルなどから最大600人を受け入れる。イオンでは移ってきた人を転籍させる。

ノジマは2021年春までに全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)から300人を受け入れ、東横インなどとも最大300人の社員の出向を受け入れる方向で交渉している。11月中旬から受け入れを始めており、約1週間の研修を経てノジマの販売部門やコールセンターの業務に従事してもらう。月の給与は手当ても含めて全額を保証する。原資はノジマと出向先の両社で負担する。契約は半年から1年を想定している。

日本経済新聞12月1日)

 

コロナ病床 逼迫の兆し新型コロナウイルスの患者が今すぐ入院できる病床の逼迫度合いが強まりつつある。都道府県はピーク時を見据えて病床確保を進めてきたが、医療スタッフの人手不足などが影響して感染者の増加に追い付いていない。医療崩壊を防ぐには、症状が軽い人を宿泊療養や自宅療養にするなどの対策徹底が必要だ。

都道府県が確保するコロナの入院病床は、空いているなどして患者をいつでも即時受け入れ可能な「即応病床」と、都道府県の要請後に医療機関が受け入れ準備を始める「準備病床」の2種類がある。厚生労働省は即応病床と準備病床の合計を最大の確保病床数とし、その使用率を公表している。北海道は29日時点で即応可能な病床は1299床あるが70.4%が埋まっている。兵庫県も29日時点で70.3%だ。

大阪府は30日時点で、即応可能病床の使用率は58.3%になった。この病床には現時点でほかの病気の患者が使用している分も含まれ、その日入院可能な病床に限ると使用率は71.8%になる。

東京都は30日時点で即応可能病床の使用率は62.9%になっている。この病床には人手不足などですぐ稼働できないものが含まれており、直ちに受け入れ可能な病床の使用率はさらに高いとみられる。

太田圭洋・日本医療法人協会副会長は「コロナ患者を受け入れる多くの病院で医療スタッフが辞めたり、辞める一歩手前になったりしている。何とか説得して確保している」と明かす。

対策は始まっている。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は高齢者でも比較的症状が軽い人は宿泊療養や自宅療養を活用して病床使用率を抑制するよう提案。神奈川県は27日に年齢や基礎疾患などを点数化し、重症化リスクの高い人を優先的に入院させるようにした。

医療スタッフを自治体間で融通する仕組みも動き出した。全国知事会は30日、北海道からの要請を受け、道内の医療機関や宿泊療養施設などに看護師計20人を派遣すると発表した。派遣するのは青森、岩手、宮城、秋田、福島、新潟、石川、福井、山梨、愛知、鳥取、広島、沖縄の計13県。(同)

 

テレワーク定着へ「テコ入れ」新型コロナウイルスの感染が再拡大している中、都がテレワークの呼びかけを強めている。感染予防策としてテレワークは春先にふえたものの、夏以降の実施率が伸び悩む。都は1日から3か月間を「実践機関」と位置づけ、積極的に取り組む企業をホームページで紹介するなどして、定着を呼びかける方針だ。

都は従業員30人以上の都内企業に対し、電話調査を実施。3月の24%から4月は63%と急伸したが、その後は足踏みが続いた。7月には51%まで低下、直近の10月は56%にとどまっている。(朝日新聞12月1日)

 

(コメント)

従業員シェアなど民間で雇用を守っていこうという具体的な試みが動き出した。しかし試みは評価するけれど、これには限度がある。巷で言われているように、アフターコロナは元の姿に戻らないことを前提に考えなければならない。元通りの事業環境には戻らないとすると、新しい業態にシフトしていけるようにするのは国の役割だ。それには職業訓練だったりICT教育だったりに投資して、シフトできる人を育成することだ。そして大きなビジョンを立て、それに金を使うことだ。