歴史が面白い189

令和2年12月21日

  <12月21日>

EU、ワクチン初承認欧州連合(EU)で医薬品を審査する欧州医薬品庁(EMA)は21日、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発する新型コロナウイルスのワクチンの承認を勧告した。欧州委員会の承認手続きを経て27日に接種が始まる見通しだ。妊婦への接種は「データが少なく、状況に応じて判断すべきだ」とした。 (日本経済新聞12月22日)

 

40か国超、英から入国停止。感染力の高い新型コロナウイルスの変異種が英国で急速に広がっていることを受け、英BBCによると欧州を中心に40か国・地域以上が英国からの入国停止に踏み切った。(同)

 

アビガン承認見送り富士フィルムホールディングスの抗インフルエンザ薬「アビガン」について、厚生労働省の専門部会は21日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認するかどうかの判断を見送り、継続審議とすることを決めた。現時点ではアビガンの「有効性を明確に判断することは困難だ」とした。今後、追加の臨床試験データがえられれば、引き続き有効性について審議していく方針だ。(同)

 

航空会社の社員 学習指導員に。荻生田光一文部科学相は21日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた航空会社の社員を小中学校の学習指導員などで受け入れる方針を示した。

教育免許や幼稚園教諭の資格を持っている社員がいる場合には、学校に一定期間出向できるようにするよう、企業や教育委員会などと調整しているとあかした。早ければ2021年度から派遣される。(同)

 

首都圏で雇用対策活発。首都圏の自治体などが新型コロナウイルスに対応した雇用対策を強化している。1都3県の新型コロナウイルス関連の解雇・雇止めが2万5千人に上る中、感染拡大の第3波で雇用環境が悪化する恐れがあるためだ。短期雇用で仕事をつないだり、人材シェアのマッチングをしたりして支援する。

東京都は緊急雇用対策として11日から、コロナ下で最大規模の1000人以上の期間限定職員の募集を始めた。2021年3月末までの短期雇用で、軽症者らが泊まる宿泊療養施設の運営補助などを担ってもらう。(同)

 

年末年始「帰省自粛を」新型コロナウイルスの感染拡大下で迎える年末年始を控え、東京都の小池知事は21日、臨時の記者会見を開いた。春の緊急事態宣言下で多用された「ステイホーム」のフレーズを再び持ち出し、不要不急の外出を控えるよう強く訴えた。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長と西村経済再生相も同日、記者会見を開き、年末年始に必要な対策を列挙して、国民に協力を呼び掛けた。(読売新聞12月22日)

 

出生 最少見通し。田村厚生労働相は21日、出生数や死亡数などを集計する人口動態統計の年間推計について、「例年と違って不確定要素が多く、精度が高い数字が出てこない」と述べ、2020年の公表を見送ると発表した。ただ、出生数の減少傾向は依然として続いており、20年通年では過去最少だった昨年の86万5239人を下回る見通しだ。

今年1~10月の出生数は73万3907人で、前年同期の75万1141人から約1万7000人減少した。一方死亡数は今年1~10月は113万2904人と、前年同期より約1万4000人少なかった。厚労省幹部は「新型コロナウイルス対策としてのマスク着用の徹底でインフルエンザなどの罹患が少なくなったためではないか」と推察する。(同)

 

(コメント)

出生数が最少となっている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う産み控えの影響である。このため11月以降の数字もさらに減少することになる。

 

一方同時に発表された死者数は減少しているという。インフルエンザの死者が少なかったからだという。

出生数が約1万7000人減少したが、死者数も約1万4000人減少した。差し引き人口としては3000人の減少にとどまったことになる。

コロナの死者はインフルエンザの死者より少なかったようだ。

 

インフルエンザによる死者数は厚生労働省が発表している人口動態統計(2018年)によると、年間3325人だが、これはインフルエンザが直接の死因となったもので、実際はインフルエンザがもとで持病が悪化したものを含める超過死亡概念では約1万人程度になる。こちらが国際的なインフルエンザによる死亡となるらしい。

 

12月21日までの新型コロナウイルスによる国内の死者は2966人である。新型コロナとインフルエンザの違いは新型コロナは症状が急速に悪化し、持病を悪化させて死亡することだ。そうすると、新型コロナの死者数と比べるのはインフルエンザの超過死亡概念の約1万人ということになる。

今年の9月1日から12月13日までのインフルエンザの患者は全国でたったの383人である。恐れていたインフルとコロナの同時流行は起きていない。

 

以上のことから大雑把に推測すると、今年の新型コロナの方が、平年のインフルエンザの流行よりも死者数に与えた影響が少なかったように思える。

しかし、今年の統計は精度の問題で厚生労働省は公表しないとしているので、これは分からないことになる。