歴史が面白い191

令和2年12月23日

  <12月23日>

「都内さらなる時短を」。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は23日、感染拡大が続く東京都に対し、飲食店の営業時間のさらなる短縮を求める意見をまとめた。都は現在、午後10時までの時短営業を飲食店に要請している。分科会では政府から感染拡大が続く地域で大規模イベントの開催制限を強化する案が示され、了承された。分科会の尾身会長は終了後の記者会見で北海道や大阪府では時短要請後に繁華街の人出や新規感染者数に減少がみせれるとする一方、都内は人出が減らず感染者も増え続けていると指摘。「(さらなる時短要請が)一定程度の効果があることは分かっている。都知事の強いリーダーシップに期待したい」と述べた。(日本経済新聞12月24日)

 

コロナ下静かな年末年始新型コロナウイルスの「第3波」に歯止めがかからない中、年末年始を迎える。今年は「密」を避けるため、各所で異例の対応をとる。百貨店は福袋販売をネット中心に切りかえ、一斉セールを見送る商業施設もある。初詣の分散化へ神社が閉門を早めるなど、例年に比べ静かな日々になりそうだ。(同)

 

新たな変異種確認。英政府は23日、新型コロナウイルスの新たな変異種を確認したと発表した。ハンコック保健相は「すでに見つかっている変異種よりもさらに感染力が高い」と説明した。ロックダウンの対象地域も拡大する。

新たな変異種は2人から見つかった。いずれも南アフリカからの渡航者と接触があったため、南アフリカに過去2週間以内に渡航した人や接触者などに隔離を求めた。(同)

 

英仏物流 混乱解消に時間。英仏間の物流が23日、条件付きで再開した。新型コロナウイルスの変異種確認を受けてフランスは国境を閉じていたが、コロナ検査での陰性を条件にトラックの受け入れを認めた。ただ混乱解消にはなお時間がかかる見通し。(同)

 

欧州医療 増す逼迫感。欧州で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、医療現場が一段と逼迫してきた。ドイツやイタリア、英国などで集中治療室(ICU)に運び込まれる患者が急増し、治療する患者の優先順位を決める「トリアージ」の可能性もささやかれつつある。(同)

 

優先接種3段階5000万人新型コロナウイルスのワクチンについて、政府は優先的に接種する対象を3段階に分け、医療従事者や高齢者、基礎疾患がある人など約5000万人とする方針を固めた。基礎疾患は、心臓病など14種類の約820万人を対象とする方向だ。来年2月の接種開始を目指し、厚生労働省の部会などを経て正式決定する。23日に開かれた政府の対策分科会では、ワクチンの接種体制などについて議論が行われた。(読売新聞12月24日)

 

高齢者施設 感染どう防ぐ。都内の高齢者を対象とした施設で、新型コロナウイルスクラスターが発生するなどの事例が相次いでいる。利用者の食事や入浴の介助などの際に職員と利用者の距離が近くなるため、感染予防が難しいことが理由の一つだ。高齢者は重症リスクが高いことから、自治体は対応に乗り出している。(同)

 

(コメント)

欧州では医療崩壊による「命の選別」の恐れが出てきた。

医療制度が進むドイツでもその恐れが出てきている。

 

ドイツのメディアによると、独東部ザクセン州チェコポーランド国境の町の医師は、人工呼吸器が足りなくて、何度かトリアージをせざるを得なかったと発言しているという。ドイツの医療関係の協会はそのような段階に今はないと火消しに動いているが、現場の一部ではそのような局面も出ているのだろう。

 

ドイツの1日当たりの新規感染者数は12月半ばに初めて3万人を超え、死者数も1000人に迫っている。新型コロナで集中治療を受ける患者数は22日時点で約5200人に達し、今春のピークの1.8倍に増えた。空いているベッド数も今春の約9200から3500を切るまでに減った。不要不急の手術の先送りで何とか病床を確保しているという。

 

日本と違い地続きのヨーロッパで人の動きの制限も難しい。EUではそもそも移動は原則自由だ。いくら医療体制が充実していても、感染の拡大はとめられない。感染の急拡大はフランス、イタリアの拡大を追っている。つまり、拡大地域からの流入である。

島国の日本はドイツに比べ他の地域からの感染流入を阻止するのは容易である。一部で入国を認めている水際対策を強化する時期に今はきているのだろう。