歴史が面白い196

令和2年12月28日

  <12月28日>

コロナ対策の成否が左右。9月の菅義偉政権発足から100日が過ぎ、内閣支持率が急落している。新型コロナウイルスへの対応が混乱したことが打撃になった。2021年は東京五輪パラリンピックの開催や衆院選自民党総裁選など重要な日程が目白押しだ。年明けから来春までの新型コロナウイルス対策の成否が政権運営だけでなく、今後の日本を大きく左右することになる。(日本経済新聞12月29日)

 

帰省に観光 動けぬ国内新型コロナウイルスの感染再拡大が国内景気の足踏み要因となっている。「Go To トラベル」事業が28日から1月11日まで全国で停止となり、帰省を含めた遠出を自粛する動きが目立ち始めた。年末年始の旅行消費額は約3000億円減少するとの試算もある。全世界からの外国人の新規入国も停止するなど、移動制限が経済に影を落としている。(同)

 

韓国、全国民分確保へ。韓国政府が全国民分の新型コロナウイルスワクチンを確保できる見通しとなった。2021年2月に接種を始める予定だ。一般国民への接種は第2四半期から。(同)

 

病床逼迫 医療体制に弱み新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。収束が見通せず、経済の先行きも不透明だ。パンデミックという危機への対応で浮かんだ課題は何か。

厚労省の9月末時点の調査では、全国で20床以上ある病院のうち、受け入れ実績のあったのは2割だけだった。容体が急変しやすい急性期の治療を担う病院の受け入れ状況は数の少ない公立・公的病院の受け入れ率が過半を超えるのに対し、数の多い民間病院では1割強にとどまった。民間は経営への影響を恐れ、後ろ向きになりがちだ。国内最多の感染者数の東京都でも、約650ある病院のうち中心的に受け入れるのは100病院程度だ。病院の数が多すぎるため、専門的な治療のできる医師が分散し、人手のかかるコロナ治療に踏み切れないケースもあるという。人も設備も比較的そろった一部の病院に負荷が集中している。

重症者の受け入れが難しい民間病院でも応援を送ることはできる。民間の医療従事者に国や自治体が応援派遣を支持することは今の法律では難しく、政府は補助金など金銭的なインセンティブを通じて促している。

多すぎる病院を再編成し地域での役割分担を進めることは日本の医療の長年の課題だった。散らばる医師や病床を集約できれば、効率的にコロナ治療に当たれるようになる。もともと地域住民や自治体の反発もあり、再編には抵抗があり、改革の停滞が続く。

いま直面している病床の逼迫は日本が抱えてきた医療の課題を浮き彫りにしている。(同)

 

コロナ自費検査厚生労働省は28日、新型コロナウイルス感染症の検査を自費で受けられる全国の医療機関や企業の情報を集約して公表した。(同)

 

「接種したくない」3割。調査会社のクロス・マーケティングのネット調査によると、新型コロナウイルスのワクチン接種について「したくない」と答えた人が29%だった。同社は18日に全国の20~69歳の1100人に調査した。(同)

 

入国制限 ビジネス足踏み。全世界からの外国人の新規入国を原則として停止する措置が28日始まった。

政府が施行した措置は日本への外国人の入国を原則認めないというもの。例外は今夏から入国条件を緩和してきた中国や韓国、ベトナムなど11か国・地域で、ビジネス往来の目的であれば入国を可能とする。11月の新規入国者数の6万6千人超のうち約半数が同国・地域からで、全面停止にすると農業生産法人や食品加工メーカーなど中国人やベトナム人に依存する事業者への影響が大きいからだ。(同)

 

師走のあいさつ回り コロナで4割中止新型コロナウイルスの影響で全国の事業所の4割弱があいさつ回りを取りやめたとの調査もある。年明け以降も新年会や賀詞交換会の自粛が相次ぐ見通しだ。(同)

 

病院経営 厳しい冬。長引く新型コロナウイルスの感染拡大が病院の経営を圧迫している。病院団体などの調査では5割の医療機関が7~9月に赤字となり、冬のボーナスを減額した病院も多い。コロナ対応で疲弊する看護師らからは「もう限界に近い」と悲痛な声が漏れる。

職員へのボーナスを減額した病院も多い。日本医療労働組合連合会が11月に今冬のボーナスについて調査したところ、289施設のうち44%が前年より減少したと回答。10万円以上減った施設も31に上った。(読売新聞12月29日)

 

南ア変異種 国内初確認厚生労働省は28日、南アフリカから入国し、空港検疫で新型コロナウイルスの感染が判明した30歳代女性のウイルスが同国で流行する変異種だったと発表した。女性は無症状で宿泊施設で療養している。

一方、英国関係の変異種の国内感染者は14人となった。(同)

 

羽田議員 コロナ死因立憲民主党の福山幹事長は28日の記者会見で、27日に急逝した同党の羽田雄一郎・元国土交通相の死因が新型コロナウイルス感染症だったことを明らかにした。新型コロナウイルス感染症による現職の国会議員の死亡は初めて。羽田氏は53歳だった。羽田氏は糖尿病、高脂血症、高血圧の基礎疾患があったという。

(同)

 

外部と会食 感染リスク増。ふだん会わない人との飲食は、営業時間を短縮した店での身近な同僚同士4人以内の飲食に比べて、新型コロナウイルスの感染リスクが約1.5倍になるとする研究結果を筑波大のチームがまとめた。

若者や働く世代が中心の人口1万人の街をモデルにし、飲食店に行く人の割合や、感染率などのデータを入力して感染の広がりを調べた。

モデルの街には5つの会社があり、数人の感染者が立た場合を想定。何度も想定実験を重ねた結果、会社を超えて飲食したグループは、時短営業の店で、部署内の4人以内で飲食したグループに比べて感染者との接触機会が増え、感染リスクは約1.5倍になった。(同)

 

 

(コメント)

日本は海外と比べ民間病院が多い。これが今回のコロナ患者の受け入れでベッドはあるが受け入れは少ない理由にされている。民間でも受け入れは可能なところもあるが、今度は経営が赤字になるので後ろ向きになるという。それでは再編すればとなるが、これは地域や自治体が反対する。

日本は国民全員がいつでも安価な医療を受けられるすばらしい医療制度を持っている。それが今回のコロナで受け入れる病院が絞られたのだ。この感染症は直面する医療制度の課題を大きくあぶりだし、世間に知らしめた。

 

この感染症に対して民間病院がどう連携していくのか、役割分担として何ができるのか、模索していかないと乱暴な再編議論になる。再編がイヤならどうしていくか答えを出していく必要がある。コロナの感染が収まっても、このような感染症の予備軍は自然の中に無数にあるとのことだから。

 

羽田議員の死去は政治家に大きなショックを与えただろう。ここのところ自粛されている会食を言い訳をつくり続けている政治家に対して大きな衝撃を与えることになろう。