歴史が面白い204

令和3年1月5日

  <1月5日>

緊急事態宣言 あす決定。政府は新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言を7日に決定する。東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県が対象で期間は1カ月程度を想定する。住民や事業者の活動に一定の制約を求めるため、政府は解除の基準を事前に示す方針だ。専門家による分科会が定めた4段階の感染状況で最も深刻な「ステージ4」からの脱却を条件にする。新規感染者数などが減らなければ期間を延長することになる。

政府は7日、感染症の専門家で構成する基本的対処方針等諮問委員会を開き、緊急事態の要件に該当するか諮問する。諮問委の判断を経て衆参の議院運営委員会に報告し、政府対策本部で発令を決める。同日夜にも宣言が効力を持つ。

政府が使うのは昨年に分科会がつくった4段階の感染状況だ。病床の逼迫度、療養者数、検査の陽性率、1週間の感染者数、感染者数の前週比、感染経路不明者の割合の6指標がある。この6指標をもとに国と自治体で協議して各自治体のステージを検討する。感染の深刻度は各地の医療体制などでも異なるため、あくまで総合的に判断する。

政府は6指標のうち「直近1週間の人口10万人あたり新規感染者数25人以上」を最も重視している。東京の1日平均の新規感染者数約500人が25人にあたる。(日本経済新聞1月6日)

 

コロナ病床「1波」より減少新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、国内で確保を見込む病床数は昨春の第1波より少ない水準にとどまっている。日本は欧米に比べればはるかに感染者が少なく、国全体の病床数も多いのに、一部の医療現場の逼迫を防げていない。甘い見通しのまま第3波の襲来を゛座視゛してきた結果ともいえ、医療資源の集約といった対策が急務だ。

入院者が3400人ほどだった5月中旬には、確保を見込む病床数は全国で3万床以上あった。それが第2波の8月中旬には約2万7000床に減った。第2波は若者中心で重症者も目立たず危機感の薄れた自治体が積極的に上積みを進めなかったとみられる。

その後、第3波で感染者数は急増したが、病床数は12月末時点でも第2波から横ばいのままだ。

現在の病床の推定は専門家が第1波を前提に示した流行シナリオからはじいたもので、その後も大きく見直されておらず、現状より甘い前提が多い。たとえば東京都ではピーク時の新規感染者数を477人と想定していたが、昨年12月31日には1337人に達した。感染急増で自治体が慌てて病床を増やそうとしても、医療現場は既に目の前の患者への対応に手いっぱいで、思うように病床確保が進まない。東京都は4千床の確保を医療機関に要請しているが、実際の確保数は3500床にとどまる。

全国の病院の一般病床と感染症病床を合わせると約90万床に上る。そのうち3%ほどしかコロナに充当されていないにもかかわらず、わずかな上積みすらままならない事態になっている。

 

病床が増えない背景には、民間病院の動きが鈍いこともある。重篤患者に対する急性期機能を備えた全国約4200病院のコロナ対応状況を昨年9月末時点で厚労省が集計したところ、公立病院は694病院のうち69%、日赤や済生会といった公的病院は748病院中79%が対応可能とした。これに対し民間病院は2759病院中18%にとどまった。

民間病院が尻込みするのは、経営に大きく影響するためだ。病院経営を支援するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)がコロナ受け入れの有無で病院の患者数を比較したところ、受け入れている病院のほうが減少幅が大きかった。大きな収入源となる手術などもあおりで延期になるケースが多く、コロナ対応が「減収要因」になっている。海外では重症病床を確保した病院に1床あたり数百万円単位の支援をしたケースもある。

コロナを受け入れている病院の中でも、効率的な役割分担や資源配分が不十分との指摘は根強い。GHCが全国約1万6千人の新型コロナ患者の診療データを分析したところ、第2波までの昨年2~9月に退院した約1万2千人(72%)は、酸素吸入が不要な軽症だった。第3波に向かう10~11月でも退院者1871人を分析したところ7割の1310人が軽症で、傾向に大きな変化はなかった。2~6月のデータを詳しく分析すると、重症者の4分の1が一般病床で治療をうけていた一方、軽症者の半数強が感染症病床や集中治療室など重症者に対応できる病床で治療を受けていたことも判明した。GHCのアキよしかわ会長は「(第3波)呼吸管理が必要な中等症以上の患者が増えたとき、軽症患者の受け入れを早期に見直すべきだった。第2波までの教訓を生かせていない。病床のミスマッチをなくす必要がある」と指摘する。(同)

 

民間病院に協力を要請菅義偉首相は5日の自民党役員会で「医療崩壊は絶対に起こさせない決意だ。民間の病院にも協力していただきたい」と述べた。医療従事者の確保などに充てる支援金として2700億円を用意したと説明した。(同)

 

くすぶる厚労省改革論。中央省庁が再編成されて6日で20年を迎える。縦割り打破へ1府12省庁に集約した体制が定着したものの、政府・与党には新型コロナウイルス対応で後手に回る厚生労働省の改革案がくすぶる。菅義偉首相は感染収束後に各省庁の体制のあり方を検証する意向だ。(同)

 

特措法、罰則新設を議論。政府は5日、新型コロナウイルスへの対応を定める特別措置法改正案の論点を与野党に示した。営業時間を短縮した店舗への財政支援を法律に記し、自粛要請に応じない事業者への罰則を新設する案だ。都道府県知事による要請の実効性を高める狙い。(同)

 

 

台湾・ベトナムシンガポール コロナ市中感染ほぼゼロ。世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、台湾やベトナムなどのアジアの国・地域が市中感染をほぼゼロに押さえ込んでいる。共通するのは隔離や検査の徹底により、クラスター発生の芽を早期に摘んでいることだ。

台湾では12月、約8カ月ぶりに域内で感染者が1人出た。それでも域内感染者は累計で56人にとどまる。感染を長期にわたって抑え込めることができている最大の要因は、海外からの入境者などに対する2週間の隔離の義務化だ。新型コロナを対象とした特別条例を2月に制定し、隔離違反者には最高100万台湾ドルの高額な罰金を設けた。

入国者の14日間の隔離を徹底しているのはベトナムだ。(同)

 

「現場に看護院生を」。新型コロナウイルスの感染拡大にともなって深刻化する看護師不足を解消するため、厚生労働省は全国の看護系の287大学に対し、大学院生や教員が医療現場などで働けるように協力を求め始めた。(朝日新聞1月6日)

 

3度目封鎖の英 学校閉鎖や罰金。英国政府は5日、新型コロナウイルスの感染急拡大に歯止めをかけるため、首都ロンドンを含むイングラント全域で3度目のロックダウンを開始した。2月半ばまで不要不急の外出を罰則付きで禁止し、学校も原則閉鎖される。

生活必需品を扱う店以外は原則閉店。市民の外出は、在宅勤務できない仕事や運動、通院などに限られる。家族以外と公共の場で会うことは原則できない。違反者には、200~6400ポンド(約2万8千円~約89万円)の罰金が科せられる。(同)

 

ワクチン開発 日本出遅れ。政府は2月下旬にもファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの接種を始める方針だ。ワクチン開発では、米モデルナや英アストラゼネカなど海外勢が先行する一方で、国内勢は遅れている。政府は補助金を出して後押しするが、いまだ実用化のめどは立っていない。

国内で先頭を走るのは、創薬ベンチャーアンジェスだ。大阪大などと共同で開発。3月までに国内の治験で500人に接種する計画だ。(同)

 

 

(コメント)

医療が逼迫しているが、実態がいろいろ明らかになってきた。民間病院がその能力はあるが手を挙げていない。重篤患者に対応できる民間病院のうち18%しか対応していないという。支援金を出すならこちらも特措法で要請ができるようにしたらどうか。

飲食店ばかりではなく目詰まりになっているところを解消しないと国民の命は守れない。