歴史が面白い205

令和3年1月6日

  <1月6日>

時短強力金 6万円に増額。政府は7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に緊急事態宣言の発令を決める。知事は飲食店に午後8時までの時短営業を要請し、応じない店舗を公表できるようになる。応じた飲食店に出す協力金は1店舗あたり1日最大4万円から6万円に増やす。宣言の期間は1月8日から2月7日まで。(日本経済新聞1月7日)

 

雇調金特例 再延長を検討加藤勝信官房長官は6日の記者会見で、雇用調整助成金の特例措置について「しかるべきタイミングで延長の結論を出す必要がある」と述べた。

政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2月末まで助成率や支給額を引き上げている。(同)

 

コロナ病床・人材確保急ぐ。首都圏の1都3県が新型コロナウイルスの患者向けの病床確保を急いでいる。病床確保がスムーズに進まないため、病院に財政支援したり、コロナ専用病院を整備したりして病床を確保している。

コロナ病床を増やすうえで重要となるのが医療人材の確保だ。東京都杉並区はコロナの入院患者を受け入れる区内4病院を対象に、1日につき患者1人あたり1万円を補助する。

約1270床の病床を確保とている埼玉県は1400床への引き上げを目指す。約37億円を投じて8医療機関の敷地内にコロナ専用の仮設施設(計176床分)を整備しており、これまで2カ所の運用を始めた。3月末までに残る6カ所が稼働すれば、目標の1400床を超える見通しだ。

 

プール方式「行政検査に」。東京都世田谷区の保坂展人区長は6日の記者会見で、新型コロナウイルス対策で独自に実施する「プール方式」でのPCR検査について、国費を充てる「行政検査」として認めるよう田村憲久厚生労働相に要望したと発表した。(同)

 

変異種拡大 監視を強化新型コロナウイルスの変異種が世界に広がり、各国が監視体制を強めている。最初に見つかった英国と南アフリカでは感染が急拡大した。流行が長期化すると変異する機会が増え、やっかいな変異種の登場を促しかねない。ウイルスのゲノム(全遺伝情報)の解析態勢を整えるとともに、現在の流行をできるだけ早く収束させる必要がある。

WHOによると、変異種が確認された国は2020年12月30日時点で英国型が米国やフランス、ドイツなど32カ国、南ア型が5カ国に上る。日本でも英国型、南ア型の感染者が見つかっている。

昨年12月31日時点で、国内の全感染者の約6%に当たる約1万4700件を国立感染症研究所は解析し、英国への渡航歴などがある3人の変異種感染を突き止めた。その後の解析でも、変異種の市中感染は見つかっていない。

英国ロンドンでは、変異種は急速に拡大し、感染者に占める割合は11月18日の28%から12月9日に62%まで高まった。

懸念されるのは現在の治療法が効かなくなることだ。海外の報道では、英国の専門家らが南アの変異種に対してワクチンが効かない可能性を指摘した。

新たに開発されたmRNAワクチンは変異に対応しやすい。mRNAの配列を書き換えるだけで済み、6週間で量産が可能になるという。(同)

 

変死122人 コロナ陽性。全国の警察が2020年3~12月に取り扱った変死事案で、新型コロナウイルスに感染していた人が122人いたことが6日、警察庁への取材で分かった。

122人のうち、104人は自宅や高齢者施設などで、18人は路上など外出先で亡くなっていた。12月は56人に急増した。(同)

 

独、ロックダウン再強化。ドイツのメルケル首相は5日、新型コロナウイルスを封じ込めるためにロックダウンを再び強化すると発表した。2020年12月半ばに商店や学校の閉鎖に踏み切ったが十分な成果が上がらなかった。人口10万人当たり7日間累積の感染者数が200人を超える感染の深刻な地域では、住民の移動を半径15キロ以内に制限する。さらに人々の接触をできるだけ減らすため、私的な会合には同一世帯以外は1人しか呼べないようにする。

メルケル首相が目指すのは、人口10万人あたり7日間の新規感染者数をドイツ全体で50人以下にすることだ。

2020年春にはコロナ対策の「優等生」といわれていたドイツが、なぜここまで追い込まれたのか。夏の間に感染が急減し、コロナに対する警戒が緩んだ面は否めない。秋に感染者が増え始めても、一度取り戻した自由は簡単には手放せず、対策はいつも後手に回った。

11月初めにレストランなどの営業を禁じる「部分的なロックダウン」に踏み切った際には、すでに新規感染者の75%の感染ルートが分からない状況に陥っていた。12月半ばには、商店・学校を閉鎖したが、1日当たりの感染者数は2万人前後まで増えており、封じ込めはすでに難しくなっていた。

ドイツからの教訓は、感染拡大に一度弾みがついてしまえば、検査や救急医療の体制がいくら優れていても容易には抑えられず、医療崩壊の瀬戸際まで追い込まれかねないという厳しい現実だ。(同)

 

 

EUワクチン2例目承認へ。EUで医薬品を審査する欧州医薬品庁(EMA)は6日、米バイオ製薬モデルナの新型コロナウイルスワクチンの条件付き承認を勧告した。(同)

 

都内「自宅待機」週3000人新型コロナウイルス対策を検討する厚生労働省の助言機関は6日、「東京での感染拡大が周辺自治体にも波及し、年末も新規感染者が増え続けて過去最高水準となった」との見解をまとめた。年末年始の1週間に、東京都内で入院先や療養先が決まらず調整中となった感染者がのべ3000人を超えたとのデータも示され、「医療提供体制は非常に厳しい状況。入院調整が困難になっている」と指摘した。

12月5日までの1週間に受け入れ先が決まらないず自宅待機になった感染者はのべ745人だったが、1月2日までの1週間は4倍強ののべ3056人にのぼった。

助言機関は、東京では、年末まで人の動きに低下が見られず感染拡大が続いていると分析、20~50歳代の感染が多く、飲食の場面が主な要因とした。(読売新聞1月7日)

 

症状改善患者の転院支援新型コロナウイルスの感染者が急増し、病床が切迫する中、板橋区は区医師会と連携し、症状が改善した患者の転院を支援する事業を始める。

都によると、都内の新型コロナの病床数を巡っては、5日時点で3500床確保されているが、入院患者は3025人に上るという。

区によると、症状が改善し、国の定める退院基準を満たしても、介護者が新型コロナに感染しているなどの理由で退院できず、病床にとどまる高齢者もいるという。そこで区は、区医師会に転院調整を委託したうえで、新型コロナの病床から一般病床に転院する移動費や転院先のベッド代などを負担して、患者が転院しやすくする。約6400万円の事業費を見込んでいる。

区民か区内の医療機関に入院する高齢者や障害者で、①介護者が新型コロナに感染している人②入院中に日常生活を送るための機能が低下し、リハビリ入院が必要な人③在宅医療や介護サービスを受けるための準備に時間がかかる人、が対象。区内40病院に事業について説明した後、今月中旬にも開始する予定。(同)

 

(コメント)

板橋区で行われようとしている転院支援は大変参考になる試みだ。

 

コロナ病床が逼迫している。新たに確保することも必要だが、現有病床の状況を把握することも必要だ。病床には重症化リスクの高い高齢者が優先的に運び込まれる。運び込まれる高齢者は持病があったり、または介護がそもそも必要な人が多くなるとコロナ治療が済んでも退院できない事情が出てくるのは容易に想像できる。そして、治療が済んでも病床を空けることはできないとなる。

 

板橋区の試みで評価できるのは、そうした状況を把握し、打開に向けて区の医師会と協議したことだ。日本は強権で病院をまたがる病床の調整はできない。当事者同士で協議し納得して協力してもらわないとならないことだ。民主的というのはこういう時は手間と時間がかかるのだ。とくにコロナという危機な時は回らない。そういう時に手間暇を惜しまず調整した板橋区はすばらしい。