歴史が面白い238

令和3年2月8日

  <2月8日>

国立大重症病床 コロナ活用半ば。新型コロナウイルスの重症者の受け入れ先として、高度の医療技術を持つ国立大学病院が十分に活用されていない。日本経済新聞が重症者病床のうちコロナ患者向けの割合を調べたところ、国立大病院は17%で、民間を含む全国の割合を4ポイント下回っていた。6割の病院が全国水準に満たなかった。受け入れ余力を高めるには民間病院との役割分担が欠かせない。

病床確保が難しい理由としては回答した全病院が「コロナ以外の医療への影響」を挙げ、「人材が確保できない」との回答も82%に達した。確保病床を増やす具体的な計画があるのは秋田大、東京医科歯科大の2病院のみ。

国立大病院が国の指揮命令が及びにくい統治構造であることも、コロナ重症者の受け入れ拡充が進まない一因だ。国立大は2004年に自立的な経営を可能にする独立行政法人に準じる組織となった。国は交付金拠出や経営評価などの関与は残るが、日々の業務に口を出さないことになった。このため国の意向は反映されにくい。(日本経済新聞2月9日)

 

「緊急事態」解除探る新型コロナウイルスの緊急事態宣言が8日、東京などの10都府県で3月7日まで延長された。政府は状況の改善した地域から順次解除する方針で、新規感染者数が減少している大阪などは独自基準をもとに出口を探る。ただ専門家が注視するのは医療の逼迫状況で、高止まりする病床使用率が重荷になっている。(同)

 

街角景気 悪化続く。首都圏の景況が振るわない。内閣府が8日発表した景気ウォッチャー調査で、1月の1都3県の現状判断指数は30.5と前月から0.2㌽下がった。低下は3カ月連続。2020年11月以降の新型コロナウイルス感染再拡大で飲食や観光を中心に厳しい状況が続いている。(同)

 

兵庫など英国型8人感染厚生労働省は8日、英国に滞在歴のない兵庫県と埼玉県の計8人が、英国で広がっている新型コロナウイルスの変異株に感染したのを確認したと発表した。(同)

 

感染「1日250人」目安に新型コロナウイルス感染症対策と経済損失の関係について、東京大の仲田泰祐准教授らが推計をまとめた。1日平均500人で解除した場合の経済損失と比較すると、「250人」ならば再宣言を回避できるため今後1年間の経済損失は1600億円減少する。(同)

 

南ア、ワクチン接種保留南アフリカのムキゼ保健相は7日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発した新型コロナウイルスのワクチン接種を一時的に見合わせると明らかにした。南アの大学が、同国で広がる変異ウイルスへの効果が限定的だとの研究結果を示したことを受けて決めた。(同)

 

集団接種、聖路加病院で。東京都中央区は8日、4月以降に予定する新型コロナウイルスのワクチン接種について、区内の基幹的な医療機関である聖路加国際病院と連携すると発表した。平日の集団接種は聖路加病院の1カ所のみを会場とする。(同)

 

ワクチン12日承認判断厚生労働省は8日、米製薬大手ファイザーが申請した新型コロナウイルスのワクチンについて、承認の可否を審議する薬事・食品衛生審議会の部会を12日に開くと発表した。認められれば、厚労省は15日に正式に承認し、中旬から医療従事者を対象に先行接種を始める。(読売新聞2月9日)

 

ワクチン接種 米伸び悩み新型コロナウイルスのワクチン接種が昨年12月から始まった米国では、様々な課題が浮上している。供給や会場が足りないだけでなく、医療スタッフの不足も接種の遅れに拍車をかけている。2月中旬にもワクチン接種が始まる日本でも、周到な計画や準備が求められる。

政府が集団免疫の獲得に必要と想定する接種者数は、約2億3千万~2億8千万人だが、実際に接種を受けた人は約3160万人で9.6%にすぎない。(同)

 

(コメント)

国立大学病院のコロナ重症者の受け入れが17%と低い。

コロナ以外の重症者の受け入れは必要であるがもう少しなんとかならないだろうか。

テレビによく出た東京医科歯科大の場合は32%でさらに増やす計画があるという。テレビではいろいろ奮闘される姿と病院長がなんとか病床を確保しようとなさっているのに感動した。

国立大学病院は国の指揮命令が及びにくく自立的な運営となっているという。どこからも圧力がかからず、独自に判断していると思うが、慎重になりすぎていないだろうか。

諸外国の例を見ても大学病院は重症患者の中核病院となっている。

国も交付金を出しているし経営評価もしているという。日々の運営には口出ししないというが、コロナは国難である。民間と公的病院の役割分担の議論の中に入れて欲しい。