令和3年2月17日
<2月17日>
接種、首都圏病院で開始。新型コロナウイルスワクチンの先行接種が17日始まった。医療従事者ら4万人が対象で、初日は国立病院機構東京医療センター(東京・目黒)など首都圏を中心に午後5時時点で8施設、計125人が接種を受けた。全国100病院で順次実施する。今回の接種は副作用などの情報収集が主な目的で、今後の日本全体での接種実施に向けた重要な第一歩になる。(日本経済新聞2月18日)
ワクチン高齢者に効果。新型コロナウイルスのワクチン接種が17日、日本で始まった。先行する英国は5人に1人が免疫を獲得したとの調査結果を発表した。米国も新規感染者数が5週連続で減少しているほか、イスラエルでも60代超の入院患者が減少したという報告が出ている。ワクチン接種による感染収束が高まってきた。(同)
聖火リレー開催「理解得られぬ」。島根県の丸山達也知事は17日、東京五輪の聖火リレーについて「(新型コロナウイルス禍の)現在の状況では、開催は(県民の)理解が得られない」とし、県内開催分の中止を検討することを表明した。(同)
発症激減 有効性裏付け。米英やイスラエルなどでは、日本に先駆けて新型コロナウイルスワクチンの接種が始まっており、実際の接種現場におけるデータが蓄積されだした。臨床試験とほぼ同等の有効性が裏付けられている。
英統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、世界では16日現在、1億8000万回以上のワクチン接種が行われた。最も接種が進むイスラエルでは、人口923万人の4割超が少なくとも1回の接種を受けた。同国の医療組織「クラリット」は14日、米ファイザーのワクチンを接種した60万人を未接種の60万人と比べ、発症者が94%減ったと発表した。重症例も92%減少したという。(読売新聞2月18日)
(コメント)
日本のワクチン接種は国際的にみて遅れている。OECD加盟37か国中で33番目だという。
日本が遅れた理由は、国際的な臨床試験に参加しておらず、国内で追加して臨床試験を行う必要があったためだ。多くの国では、国際的な臨床試験をもとに承認手続きが進められたが、日本は「欧米のほか日本人のデータも必要」と判断した。
菅首相は17日の衆院予算委員会で、「欧米よりも感染者数がひと桁以上少なく、承認に向けた臨床試験の結果が出るまでに時間を要した。有効性、安全性に配慮した結果だ」と述べた。
国内の開発も課題だ。日本では戦後、ワクチンの副反応が社会問題化し、接種に消極的な傾向があった。このため大規模なワクチン開発は長く行われず、国内メーカーの開発力は低下。安定的な供給が期待される国産ワクチンの開発も大幅に遅れている。
(読売新聞2月18日)
日本はかつて北里博士など医学で世界の先頭グループにいると思っていたが、中国やインドにも後れをとっていることが今回はっきりした。やはり、この30年間の国力の停滞が世界の中で先進国とは言えない状況になってきたのが、医学の分野でも同様のようだ。
しかし、ワクチン開発は慎重になるべきで、方針としては間違っていなかったといえる。世界の開発と接種があまりにも速かったのがこの結果になった。ワクチンの真価がわかるのはこれからだ。