令和3年3月7日
<3月7日>
高齢者ワクチン 施設優先。4月12日から始まる高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種わ巡り、自治体が相次ぎ接種計画を変更している。当初のワクチン供給量が極めて限定的なためで、横浜市や大阪市は当面「集団」や「個別」を見送り、高齢者施設での接種を優先することを決めた。東京都世田谷区や広島県福山市も開始の混乱を避けるため変更を検討している。
対象者が全国最大規模の93万人に上る横浜市は3月1日、体制を見直した。予定していた公会堂などでの「集団」や各医療機関での「個別」を見送り、当面、高齢者施設などでの訪問接種に限定する。「予想以上にワクチンが入ってこない。集団接種会場を開けても、ワクチンが入ってこないと受けられないことになってしまう」(健康安全課)苦肉の策だが、それでも「訪問」を実施する施設は市内に約1600カ所あり、約7万人が対象となる。(日本経済新聞3月8日)
英、ロックダウンを緩和。英国の人口の大半を占めるイングランドで8日、新型コロナ対策のロックダウンが2カ月ぶりに緩和される。ワクチン接種の効果もあって感染者数は減少傾向にあり、6月の経済正常化を目指す。ドイツも8日から書店などの営業を認める予定だ。英独ともに感染状況をにらみながら、段階的に都市封鎖を解除する。
イングランドで8日に再開するのは学校だ。1月5日に都市封鎖となってから児童らはオンラインで授業を受けてきたが、学校に通るようになる。4月12日には美容室や小売店が再開するほか、飲食店も屋外に限って営業できるようになる。5月に屋内の飲食店や映画館、劇場などを開け、6月にはソーシャルディスタンスやマスク着用などの規制も緩和して経済正常化にこぎ着けたい考えだ。こうした行程は、ワクチン接種が順調に進み、感染が抑えられていることが条件となる。(日本経済新聞3月8日夕)
ワクチン接種 ITで明暗。新型コロナウイルスの感染抑制に有効なワクチンの接種を各国が急いでいる。インドやイスラエルなどはITを活用し、接種回数で先行している。
インド政府は3月に入り、60歳以上の高齢者などを対象に新型コロナのワクチン接種を始めた。政府が専用アプリケーションを用意し、希望者は携帯電話の番号などを入力し、接種日を予約する。会場では本人確認などが済めばすぐに受けられるという。累計の接種回数は2000万回を突破した。
人口100人あたりの接種回数が95回を超えたイスラエルでは保険組織「健康維持機構」(HMO)のアプリなどで予約する。利用した30代の男性公務員は都合のつく時間帯を選ぶと自宅近くの施設を指定された。受付でスマホに届いたメッセージとHMOの会員証を提示するだけで、待ち時間を含め20分で済んだ。(同)
WHOは1日、世界の新型コロナウイルスの新規感染者数が7週間ぶりに増加したと発表した。テドロス事務局長は同日の記者会見で「ワクチンは命を守る手助けになるが、それだけでに頼る国があるなら間違っている」と指摘。マスク着用など基本的な対策を徹底するよう改めて呼びかけた。 (同)
(コメント)
日本ではワクチン配布の段取りで混乱しているが、世界ではIT利用で順調に進めている国もある。
しかし、WHOの発表にもあるように世界では感染者が増加に転じようとしている。
国別にみると減少傾向にあるところ、増加に転じている国バラツキがある。これからワクチン接種が進むと世界ではどうなるか予断を許さない。
ちなみに手元の資料で1日の新規感染者数の比較を簡単にみてみると。
1月5日 3月7日 増減
世界全体 552,081人 436,225人 △115,856人
米国 179,651 58,166 △121,485
インド 16,375 18,754 2,379
ブラジル 20,006 69,609 49,603
ロシア 23,015 10,909 △12,106
英国 58,923 6,118 △52,805
フランス 4,084 23,306 19,222
スペイン 30,579 0 △30,579
イタリア 10,798 23,633 12,835
トルコ 13,695 11,770 △1,925
ドイツ 12,320 8,252 △4,068
・・・・・・
日本 4,909 1,065 △3,844
各国でベクトルの向きが違う。ブラジル、フランス、イタリアは増加している。
しかしいずれの国もワクチン接種は始まっているが、ブラジルやフランスは変異株による増加要因が大きいのだろう。
このように変異株による増加要因、ワクチンによる効果やロックダウンの時期など様々な要因が絡まっている。
ワクチンが行き渡る前は油断できないということだ。