歴史が面白い314

令和3年4月25日

  <4月25日>

7月中に一般接種も田村憲久厚生労働相は25日のフジテレビ番組で、新型コロナウイルスワクチンの64歳以下への一般接種の7月開始について「ワクチンの量があればせ可能性はある」と述べた。高齢者向けの接種は7月末までに終わらせる方針で、その完了を待たずに一般接種と並走させることもあるとの考えを示した。(日本経済新聞4月26日)

 

人出3~4割減。東京、大阪、兵庫、京都の4都府県で25日、新型コロナウイルス感染症拡大の緊急事態宣言が適用された。百貨店や飲食店への休業・時短要請が影響し、東京・銀座や大阪・難波の人出は前週の日曜日に比べて3~4割減った。一方で昨春の1回目に比べると人出は多く、宣言がどこまで効果を発揮できるか不安も残る。

1回目の緊急事態宣言に比べると抑制効果は低い。午後3時台の人出を前年同期の日曜日(2020年4月26日)と比較した場合、25日の銀座はおよそ3倍。難波は1.9倍、三ノ宮も2.1倍にのぼる。(同)

 

コロナ感染細胞 狙い撃ち新型コロナウイルスを強力に撃退する細胞の力に注目が集まっている。ウイルスに感染した細胞を探して壊す「キラーT細胞」だ。変異ウイルスにも対応しやすい力を持つほか、高い効果を発揮するワクチンを支えている可能性がある。抗体と並ぶ「免疫の主役」として、今後の治療や感染防止対策のカギを握りそうだ。(同)

 

数理モデルが導くコロナ対策。人から人へのウイルス感染を封じ込めるイロハは「検査と隔離」である。広島県が4月、誰もが何回でも受けられる独自の新型コロナウイルス対策を始めた。日本と中国の数学者がコロナ禍の1年を振り返り考案した数理モデルに基づいている。

この感染症モデルをつくったのは、東京大学の合原一幸特別教授と中国・上海師範大学の応用数学者らの共同研究グループ。感染者の増加率は「感染率」と「感染に関与する人口」そして「新規感染者の見逃し率」の3つのパラメーター(変数)に比例するというものだ。感染率はすなわち「感染のしやすさ」。マスクや手洗いの徹底、「3密」回避によって下げることができる。そして「関与する人口」は外出する人の流れ(人流)。不要不急の外出自粛や飲食店の休業・時短要請に左右される。

「感染率」や「関与する人口」を今まで以上に下げるのは難しい。ならば、「検査と隔離を徹底し、新規感染者の見逃し率を下げることで、(1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す)実効再生産数をおさえることができる」(合原特別教授)という。

広島方式は湯崎英彦知事がこの感染症モデルの存在を知り、トップダウンで始まった。

県内の居住者と就業者であれば誰でも何回でも唾液による検査を受けられる。広島市内の薬局で検査キットを受け取れるようにもした。検査で陽性が判明すれば指定のホテルで健康観察と称する隔離となる。

当面は1日約600人の利用を見込む。最初の1週間で約4900人が検査を受けた。

いま日本社会に求められているのは、説得力のあるエビデンス(科学的根拠)にもとづくコロナ対策ではないか。(同)

 

(コメント)

広島方式が面白い。

これは有名な感染症数理モデルの応用だ。

実効再生産数は「1回あたりの感染率」「1日に1人が接触する人数」「他者に感染させ得る日数」という3つの因子の積で決まるというものだ。

実効再生産数を1以下にすることが感染を抑えることになる。

ここでは「1回あたり感染率」が「感染率」に、「1日に1人が接触する人数」が「関与する人口」に、「他者に感染させうる日数」が「新規感染者の見逃し率」にあたる。

筆者も「歴史が面白い309」で同じような提言をしており、広島方式に賛同したい。

 

 

「歴史が面白い309 (コメント)」から

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さらに、英国型変異ウイルスがこれから全国的に置き換わるとすると、第1回の緊急事態宣言で行われていた対策では不十分であると教授は指摘する。

まさに、ウイルスと人間のシーソーゲームが始まった。

日本では海外のようなロックダウンはできないとすると、行動制限の自粛に加え、もう一つ抜本的な対策が必要ではないか。

それは感染者の隔離を増やすための検査ではないか。前にも書いたがPCR検査ではキャパシティの問題と時間の遅れがあるので、簡易抗原検査キットを使った大量検査を実施することが考えられる。