歴史が面白い320

令和3年5月1日

  <5月1日>

ワクチン投与量1/10以下新型コロナウイルス向けに、投与後体内で自ら増える新しいタイプのワクチンの臨床試験(治験)が国内で今夏にも始まる。投与量は米ファイザー製ワクチンなどの10分の1以下ですみ、供給不足が起きにくい。次々と現れる変異ウイルスへの対応力が高まるとの期待があり、欧米でも開発が進んでいる。

米新興ワクチンメーカー、VLPセラピューティクス(メリーランド州、赤畑渉最高経営責任者=CEO)の日本法人が、大分大学医学部付属病院で、臨床試験の第1段階に当たる第1相治験を数十人を対象に実施する方向。6月までに国の審査機関に申請し、今夏の治験開始をめざす。2022年に最終段階の試験の実施をめざす。(日本経済新聞5月2日)

 

ワクチン、消費を再起動新型コロナウイルスのワクチン接種が、個人消費「再起動」の原動力になっている。接種が進む米国やイスラエルではレジャーや外食などがコロナ前の水準に迫っている。給付金などで膨らんだ個人マネーが消費に向かい始めた。対照的に接種が遅れる日本やブラジルは消費回復が鈍く、明暗が鮮明になっている。ワクチン接種戦略の巧拙がポストコロナの経済回復を左右する局面に入っている。(同)

 

五輪海外選手 6割接種。IOCが東京五輪で、海外選手約1万人の約6割は新型コロナウイルスのワクチン接種を受けて訪日すると試算していることが大会関係者への取材でわかった。一部の国は選手への接種を始めている。今後、増える可能性があり、関係者は、接種が進めば大会の安全性が高まると期待する。

すでに米国や韓国は、選手団が接種する方針を示している。IOCは、参加する約200の国・地域の半数以上が選手への接種を行うとみており、4月28日の5者会談で組織委や日本政府などに伝えた。(読売新聞5月1日)

 

緊急事態下テスト大会新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下の東京都内で1日、いずれも東京五輪のテスト大会を兼ねた飛び込みワールドカップ(W杯)兼五輪世界最終予選会とバレーボールの国際親善試合が開幕した。3回目の宣言発令後、海外選手を招いて実施するテスト大会は初めて。(同)

 

 

(コメント)

日本人がCEOを務める米新興ワクチンメーカーが新種のワクチンを開発した。

これから日本で大分大学と治験を始めるという。

ファイザー製ワクチンと同様にmRNAワクチンで、特徴はこのワクチンは自動複製する機能を持ち微量でも効果を発揮できるという。

具体的にはファイザー製の10分の1の量ですむ。

 

この米新興ワクチンメーカー(VLPセラピューティクス)は、米国立衛生研究所ワクチン研究センターの研究者だった赤畑渉氏が13年に創業。

双日や、みやこキャピタルなどが出資する。

20年度からは日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて開発を進めている。

 

ワクチンが効きにくいと懸念される南アフリカ型、ブラジル型の変異ウイルスにも効果があることを動物実験で確認したという。

ただ、「mRNAの自己増殖が過度に続くと、思わぬ副作用を招くリスクもある」(RNAに詳しい東京医科歯科大学の位高啓史教授)と専門家のコメントもある。

 

国産ワクチンについては、このほか現在治験が進む主なところは4社だという。

アンジェス塩野義製薬第一三共明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクスだ。このうち1社が早ければ年内にも承認されるのではないかといわれている。

 

4社で先頭を走るのはアンジェスだ。

3月10日に第2/3相臨床試験を完了している。

アンジェスが開発中のワクチンは、DNAワクチンと呼ばれ、ウイルスのたんぱく質を作り出す遺伝子(DNA)を、プラスミドと呼ばれる環状DNAに組み込んだものだ。接種すると体内でウイルスの表面にある突起状のたんぱく質(スパイクたんぱく質)を作り出し、免疫力を売ることができる。

ファイザー製ワクチンやVLPセラピューティクスのmRNAワクチンと異なる種類のワクチンだが、従来のワクチンとの比較では両者とも遺伝子ワクチンと呼ばれている。

 

いずれにせよ。従来型にはない新しいタイプのワクチンである。

安全性に十分配慮した治験を慎重に行い開発してもらいたい。

治験での安全性の確認と慎重な検証が求められる。