歴史が面白い349

令和3年5月30日

  <5月30日>

接種遅れ「国が原因」77%日本経済新聞社の28~30日の世論調査で、新型コロナウイルスのワクチン接種計画について72%が「順調だとは思わない」と答えた。海外に比べて接種が遅れている原因を複数回答で聞くと「国の準備不足」が77%で最も多かった。

五輪「今夏に実施する」は通常通りの開催と観客制限の合計で34%、「中止」と「再延期」は計62%だった。(日本経済新聞5月31日)

 

病院間の機能調整急務新型コロナウイルスの感染者の急増で病床が埋まり、一般医療の入院や救急を制限する動きが広がっている。具体的な優先順位の判断が現場任せのため迷う病院もあり、自治体は国に基準作りを求めている。病床を巡る国や自治体の調整役としての機能を高め、コロナ以外の患者を受け入れる医療機関と連携して効率的に病床を確保する体制の整備が急務になっている。(同)

 

ワクチン緊急使用制度検討。政府が6月にまとめる「骨太の方針」の素案が判明した。新型コロナウイルスに対する政府の対応の遅れが批判されているため、緊急時にワクチンの承認を迅速化できるようにしたり、都道府県の権限を強めて病床を確保できるようにしたりするための法整備の検討を明記。感染症対策の強化を急ぐ考えだ。(朝日新聞5月31日)

 

下水からコロナ検出。下水からコロナウイルスを高感度で検出する技術を、塩野義製薬北海道大学が開発した。同社はこの技術で下水処理場を検査し、地域の感染状況を分析するサービスを6月にも始める。こうした取り組みは国内では初めてだという。無症状の人も含めた感染者数の動向を、より把握しやすくなる利点がある。(同)

 

変異株 複数ルートで流入。国内で感染が広がる新型コロナウイルスの変異株は、国が変異株の流行地として警戒している以外の地域を経由して流入したケースが複数あるとみられることが、ウイルスの遺伝情報などを分析した慶応大チームの調査でわかった。人の往来にのって変異株が第三国を介して間接的に入り込んだとみられ、現在の水際対策の課題が浮かぶ。(同)

 

 

(コメント)

日本経済新聞のInside Outという記事で、「医師はどこ?虚しい病床世界一」がある。

日本の医師数は約32万人、人口1000人当たりでは、2.5人でドイツ(4.3人)、英国(3.0人)を下回り、OECD加盟37カ国中の27位だ。

それ以上に深刻なのは1病院当たりの医師の少なさである。

米国(137人)、ドイツ(114人)に対して、日本は38人だ。

人口1000人あたりの病床数は13.0床とOECDで最多。

病床数は一般に医療インフラの充実度を示すが、日本の場合病床数が多すぎて、患者に寄り添う医療人材が手薄になっていることが問題だ。

米国や英国は医師1人がほぼ1病床を診るが、日本は1人で5つの病床を受け持つ。先進国では異例の「低密度」だという。

看護師も同じ傾向だ。

 

本来は増えすぎた病院を集約して施設当たりの人数を増やす改革を進める必要があった。そもそも80年代に量より質への転換を目指す問題意識は政府にもあったができなかった。

病院を存続させたい開業医や、身近な病院がなくなることへの住民の警戒が強く、動きが鈍かったからだ。

今回のようなパンデミックには対応できないが、国民皆保険の日本では普段は身近に病院があるほうが便利だ。

必ずしも海外医療の方がいいとは言い切れない。簡単に医者にかかれない人もいるし、

そして医療費が概して高い。

今回のようなパンデミックに一番いい仕組みをつくるだけではなく、普段のときなどいろんな場合を想定し、メリット・デメリットを承知したうえで、国民にとってベストの改革を進めるべきだ。