歴史が面白い410

令和3年7月30日

  <7月30日>

空き30万病床 転用進まず新型コロナウイルスの緊急事態宣言の東京都などの延長と対象拡大が決まった。患者の受け皿となる病床の確保が進まず、欧米よりけた違いに少ない感染者数で宣言延長に追い込まれた。一方で一般病床の空きベッドは約30万床もある。医療機関の役割分担が不十分で、コロナ病床への転用が進んでいない。

東京都でも4月末には1日1000人前後の感染者が確認されていたが、都内約8万床の一般病床のうち3割強の約3万床は空き病床だった。都が確保したコロナ対応の病床は約6千床。約6400床まで増やす計画とはいえ、空き病床の5分の1にすぎない。

空き病床を有効活用できない理由として、200床未満の中小病院が多く、病床が分散している背景がある。人口当たりの医師や看護師は先進国と同水準でも、病床当たりでは最も少なく、医療現場に余力がない。

29日時点でコロナで入院している患者は都内に約3千人。確保病床の半分に過ぎないのに、一部病院からは「ほぼ満床状態」「退院直後に新規入院がある」と悲鳴が上がる。ある病院関係者は「政府の補助金を受けて病床を確保しながら、積極的に患者を受けない病院がある」と明かす。

限られた病床を有効に使うには調整権限が必要だ。スウェーデンでは行政府が対応病床の増減を柔軟に調整。日本でも行政や保健所が入院先の調整を担っているが、指示する権限はなく「お願い」ベース。厚労省がつくったコロナ対応の病床を把握するシステムは保健所などが入院調整するためには活用できない。

民間頼みで医療体制を整えた日本では民間病院が8割を占める。現状では入院基準を厳しくし、軽症ならオンライン診断を活用し自宅・宿泊療養を強化するほかない。

日本経済新聞7月31日)

 

(コメント)

空き病床が全国で30万床あるという。

都内でも確保したコロナ病床が6千床で、空き病床は3万床になるという。

これはいくら何でも何とかならないのか、というレベルだ。

いろいろ理由があって難しいという話を聞くが、しかしこれは納得のいかない数字だ。

第4波のとき、特に大阪で医療崩壊が起き、入院できなくて自宅などで手当てを受けられず亡くなられた方も出た。

これからそのような危険な状態に近づいていると言わざるを得ない。

 

何度もこのブログで指摘したが、医療提供体制は行政でしかできないことだ。

飲食店などの要請や国民への自粛を要請する前に行うことだ。

とくに、看過できないのは、政府の補助金を受けていながら患者を受け入れないところがあることだ。

強制はできないのなら、その過程を明らかにするなどできるはずだ。

これは今回は間に合わないが、前年からの課題の専門病院を仮設でもいいから開設し、

人材の集中化を図ることだ。

それはこの冬に向けて今からでも進めることだ。

 

 

緊急事態 6都府県に拡大決定。政府は30日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県へ新たに発令した。期間は8月2~31日で発令中の東京都、沖縄県を合わせて6都府県になる。北海道と石川、京都、兵庫、福岡の5道府県にはまん延防止等重点措置を適用する。菅義偉首相は8月下旬に国民の4割超がワクチンを2回接種する目標を示した。(日本経済新聞7月31日)

 

 

 

デルタ型感染力 3倍強。米CDCの分析によると、デルタ型は1人の感染者が平均8~9人に感染させるという。この水準は水痘と同程度だ。変異前のコロナ通常のかぜと同じ水準の感染力で、1人の感染者が2.5人程度にうつすとされている。

ワクチンを接種していても感染する可能性があると指摘し、各自治体などがワクチン接種の義務化とマスク着用を求めることを推奨した。(日本経済新聞7月31日)

 

来月末 2割完了視野新型コロナウイルスの過去最大の感染拡大局面で、現役世代へのワクチン接種の加速がより欠かせなくなってきた。重症者の中心は高齢者から40~50歳代にシフトしている。8月下旬までに64歳以下で2回目を打てる人は2割ほどの見込みで、菅義偉首相は30日「40~50歳代と若い世代の接種に注力する」と強調した。政府は英アストラゼネカ製ワクチンを公的接種の対象に加え選択肢を広げる。

日本経済新聞7月31日)

 

アストラ製 公費接種追加厚生労働省は30日、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、原則40歳代以上を公費接種の対象にすると決めた。接種後、ごくまれに血小板の減少を伴う血栓症が報告されており、新型コロナで重症化するリスクの高い中年層以上を対象としたが、実際にどれぐらい活用されるかは不透明だ。

英国での血栓症の年代別の報告件数の推計は、40代では10万回接種当たり2.2件、50代では1.5件。日本国内のコロナ陽性者10万人あたりの死亡者数は、40代で89人、50代で276人に上ることなどから、感染時の重症化リスクの高い40代以上は、副反応リスクを考えても、接種するメリットは高いと分科会は判断した。

厚労省は当初、年齢制限について「60歳以上」で調整していたが、ファイザー製などのワクチン供給が追いつかず、全国知事会自民党、政府内でアストラゼネカ製の活用を求める声が出て、方針転換した。(朝日新聞7月31日)