歴史が面白い431

令和3年8月20日

  <8月20日>

足りない医療人材 空かない重症病床。「救える命が救えない事態となる」。20日に東京都が開いた新型コロナウイルス対応のモニタリング会議では、限界へ向かいつつある医療提供体制への危機感が示された。都は、入院や宿泊・自宅療養を「緊急時の体制」に切り替え、酸素ステーションなどの整備を急ぐ。だが、すでに病床の逼迫は深刻度を増し、療養者を支える人材は不足し、打開策を見いだせていないのが現状だ。

朝日新聞8月21日)

 

(コメント)

医療現場の逼迫度は日に日に増すばかりである。

入院したくともできない人(入院調整中)が東京で1万人を超えており、

自宅で亡くなる人が出てきている。(「救える命を救えない」事態)

これは病床の確保の問題であり、このブログでも前に取り上げた。

この問題は野戦病院の設営や補助金をもらっているのにコロナ患者を受け入れていない病院に動いてもらうことなど対応案は考えられる。

 

ここにきて重症者の急増の問題が出てきた。

今まで高齢者の感染や重症化は抑えられていたのであまり問題もなかった。

重症者は40代、50代が大半を占めており、数も抑えられてきた。

だがさすがに感染者数も急増したことで、高齢者の重症者も7月終わりから8月に入り増えてきており、もはや全年齢が増加する様相だ。

 

都のモニタリング会議資料によると、重症者の年齢別人数はつぎのとおり。

          8月18日    8月11日    増減

   10代      1人       1人      0人

   20代      4        5      △1

   30代     21       14       7

   40代     50       52      △2

   50代    111       67      44

   60代     58       36      22

   70代     23       18       5

   80代      7        4       3

   合計     275      197      78

 

これを見ると8月18日時点では、50代、60代、40代が中心で、

そのなかで50代、60代が増加している。

高齢者の下の年代60代が増えてきているのが、気がかりである。

 

8月18日までの週で新たに人工呼吸器をつけた人が231人で、

重症者の84%を占めるという。

平均装着期間は6.1日ということなので、重症者数は1週間でほぼ入れ替わり、

重症化したのがここ1週間という姿を示しているともいえる。

今現在の感染状況が直接反映されるようなものだ。

 

問題は都の重症者病床の逼迫度だ。

392床確保しているという重症者病床の7割に到達した。

392床のどれだけが使えるか、というところまで急速に積みあがってきている。

仮に100%使えるとしても残り117床。

8月18日までの1週間の増加は75床である。

増加の単純計算なら1.5週間分となる。

これはかなりきつい状況だといえる。

入院できたとしても重症者用の病床に入れないという、

「救える命を救えない」事態が起きるのである。

 

こちらは人材の問題が大きなネックになり、拡充はさらに困難だ。

全国のリソースを使うぐらいしか思いつかない。

やはり大本は感染拡大を止めることだ。(了)

 

 

オンライン診療 簡単に新型コロナウイルスの自宅療養者を対象とするオンライン診療支援サービスが動き出す。業界大手のメドレーは20日、NTTドコモなどと共同で患者と医師を予約なしでつなぐサービスを始めると発表した。

メドレーなどの新サービスは、保健所などが患者の経過観察を医師に依頼する際の利用を想定する。患者が保健所に受診希望を伝えると、保健所が地域の医師会と連携して診療可能な医師を調整。医師が患者のスマートフォンに診療用サイトのURLを送る。患者がサイトにアクセスすれば医師につながる。(日本経済新聞8月21日)

 

学校、夏休み明け厳戒新型コロナウイルスの感染急拡大が収まらないなか、夏休み明けの学校再開に向け、全国で警戒が強まっている。国や自治体は現時点で一斉休校に慎重だが、インド型(デルタ型)が学校で流行すれば親の世代の感染拡大を招く恐れがある。校内感染の防止徹底や休校時の学びを保障するためのオンライン学習の環境整備は急務だ。(日本経済新聞8月21日)

 

中小病院、院内感染に苦慮新型コロナウイルスの感染拡大による病床逼迫を受け、新たにコロナ患者を受け入れる病院が少しずつだが増えてきた。民間の中小病院では院内感染の懸念から消極的な姿勢が目立ったが、行政などの強い要請で転換した形だ。設備や人材が十分といえないなか、手探りの院内感染対策が続く。

厚生労働省の調査によると、全国の20床以上の7675病院のうち3月末時点でコロナ患者の受け入れが可能とした病院は3213病院(42%)。民間の中小に受け入れに踏み切れない病院はなお多いが、2020年11月時点(1872病院)から7割増えた。

重症病床の上積みを巡っては、医療関係者から「専門的な人材の確保が必要なため、難しい」との声が多い一方、軽症・中等症や回復期の患者を受け入れる病院にはまだ拡充の余地がある。民間中小病院の対応を促すには、院内感染を防ぐノウハウの伝授が課題だ。(日本経済新聞8月21日)

 

コロナ病床 実態調査表明田村憲久厚生労働相は20日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルス感染者用の確保病床の受け入れ実態を調査する考えを表明した。病床確保の補助金を受け取りながら、コロナ患者の受け入れに消極的な医療機関がないか、東京都などと連携して確認を進める。(日本経済新聞8月21日)

 

東京 入院1割に満たず。東京都は20日、新型コロナウイルス対応のモニタリング会議を開き、感染者のうち入院に至った割合(入院率)が9.5%と「極めて低い水準」になっていることが報告された。1カ月前の25.2%から大きく低下し、感染しても入院しにくい状況になっている。重症病床の使用率も9割に迫り、専門家は現状の感染ペースが続くだけで、「医療提供体制の限界を超え、救える命が救えない事態になる」と警鐘を鳴らした。(朝日新聞8月21日)

 

繁華街 夜間の人出減少傾向。東京都医学総合研究所が主要繁華街で調査したところ、新型コロナウイルスの感染リスクの高い夜間の滞留人口は前週よりも8.8%減少し、7月12日に出された緊急事態宣言前と比べると35.8%低い水準となった。都が20日にあったモニタリング会議で明らかにした。ただ、お盆明けからは下げ止まりがみられ、感染者数を減らすには更に人流を減らす必要があると呼びかけた。

朝日新聞8月21日)