大吉日記

今まさに大きな歴史が動いている。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行だ。毎日毎日新しいニュースが世界中から入ってくる。コロナの話は毎日、テレビや新聞に載っており、その時々はよくわかったつもりになっているが、後で振り返ると多分記憶がぼんやりとして、少し詳しく人に話せるものにはならないだろう。今まで起きた心に残るような大事件やイベントにおいてそうであったから、今回はそうならないように、毎日の新聞記事を中心に書き記しておきたいと考えた。

歴史が面白い168

令和2年11月30日

  <11月30日>

従業員シェアで雇用維持新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、人手が足りない企業が業績不振業種から出向者として人を受け入れる「従業員シェア」が本格化してきた。ノジマは航空会社やホテルなどから最大600人を受け入れる。イオンでは移ってきた人を転籍させる。

ノジマは2021年春までに全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)から300人を受け入れ、東横インなどとも最大300人の社員の出向を受け入れる方向で交渉している。11月中旬から受け入れを始めており、約1週間の研修を経てノジマの販売部門やコールセンターの業務に従事してもらう。月の給与は手当ても含めて全額を保証する。原資はノジマと出向先の両社で負担する。契約は半年から1年を想定している。

日本経済新聞12月1日)

 

コロナ病床 逼迫の兆し新型コロナウイルスの患者が今すぐ入院できる病床の逼迫度合いが強まりつつある。都道府県はピーク時を見据えて病床確保を進めてきたが、医療スタッフの人手不足などが影響して感染者の増加に追い付いていない。医療崩壊を防ぐには、症状が軽い人を宿泊療養や自宅療養にするなどの対策徹底が必要だ。

都道府県が確保するコロナの入院病床は、空いているなどして患者をいつでも即時受け入れ可能な「即応病床」と、都道府県の要請後に医療機関が受け入れ準備を始める「準備病床」の2種類がある。厚生労働省は即応病床と準備病床の合計を最大の確保病床数とし、その使用率を公表している。北海道は29日時点で即応可能な病床は1299床あるが70.4%が埋まっている。兵庫県も29日時点で70.3%だ。

大阪府は30日時点で、即応可能病床の使用率は58.3%になった。この病床には現時点でほかの病気の患者が使用している分も含まれ、その日入院可能な病床に限ると使用率は71.8%になる。

東京都は30日時点で即応可能病床の使用率は62.9%になっている。この病床には人手不足などですぐ稼働できないものが含まれており、直ちに受け入れ可能な病床の使用率はさらに高いとみられる。

太田圭洋・日本医療法人協会副会長は「コロナ患者を受け入れる多くの病院で医療スタッフが辞めたり、辞める一歩手前になったりしている。何とか説得して確保している」と明かす。

対策は始まっている。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は高齢者でも比較的症状が軽い人は宿泊療養や自宅療養を活用して病床使用率を抑制するよう提案。神奈川県は27日に年齢や基礎疾患などを点数化し、重症化リスクの高い人を優先的に入院させるようにした。

医療スタッフを自治体間で融通する仕組みも動き出した。全国知事会は30日、北海道からの要請を受け、道内の医療機関や宿泊療養施設などに看護師計20人を派遣すると発表した。派遣するのは青森、岩手、宮城、秋田、福島、新潟、石川、福井、山梨、愛知、鳥取、広島、沖縄の計13県。(同)

 

テレワーク定着へ「テコ入れ」新型コロナウイルスの感染が再拡大している中、都がテレワークの呼びかけを強めている。感染予防策としてテレワークは春先にふえたものの、夏以降の実施率が伸び悩む。都は1日から3か月間を「実践機関」と位置づけ、積極的に取り組む企業をホームページで紹介するなどして、定着を呼びかける方針だ。

都は従業員30人以上の都内企業に対し、電話調査を実施。3月の24%から4月は63%と急伸したが、その後は足踏みが続いた。7月には51%まで低下、直近の10月は56%にとどまっている。(朝日新聞12月1日)

 

(コメント)

従業員シェアなど民間で雇用を守っていこうという具体的な試みが動き出した。しかし試みは評価するけれど、これには限度がある。巷で言われているように、アフターコロナは元の姿に戻らないことを前提に考えなければならない。元通りの事業環境には戻らないとすると、新しい業態にシフトしていけるようにするのは国の役割だ。それには職業訓練だったりICT教育だったりに投資して、シフトできる人を育成することだ。そして大きなビジョンを立て、それに金を使うことだ。

 

 

歴史が面白い167

令和2年11月29日

  <11月29日>

内閣支持率58%に低下日本経済新聞社テレビ東京は27~29日に世論調査を実施した。菅内閣の支持率は58%で10月の前回調査から5ポイント低下した。政府の新型コロナウイルス対応を「評価しない」割合が48%と13ポイント上がり、「評価する」の44%を上回った。政府のコロナ対応について同じ質問をした過去6回の調査をみると、「評価する」の最低は5月の38%だった。感染拡大が始まった2月の40%や、感染拡大局面だった7月の42%よりは今回の方が高い。(日本経済新聞11月30日)

 

米の新規感染初の20万人超。米国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。新規感染者は27日に初めて20万人を超え、カリフォルニア州ロサンゼルスでは不要不急の外出を終日禁止する命令が出された。ロシアやメキシコなどでも感染ペースが高止まりしており、世界の新規感染者数も過去最多を更新した。(同)

 

医療DX、コロナで進化新型コロナウイルス感染症を契機に、オンライン診療の拡大や集中治療室(ICU)の遠隔管理など医療現場のDX(デジタルフォーメーション)が進展している。医療機関は患者との接触の機会を減らすとともに、限られた医療資源やスタッフを効率的に振り向けることができる。(同)

 

近づくワクチンの実用化英米新型コロナウイルスのワクチンの実用化が近づいている。28日の英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、英政府は近く、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナウイルスのワクチンを緊急承認する方針だ。早ければ12月7日にも接種が始まる。米国では11日にも同ワクチンの接種が始まる見通しで、感染拡大をどこまで抑えられるかが焦点だ。FTによると、英医薬品・医療製品規制庁が数日中に承認する。介護施設の入居者や職員、医療従事者、高齢者などに優先的に接種するとみられる。(同)

 

ワクチン接種「望まず」27%。開発が加速する新型コロナウイルスのワクチンについて、4人に1人がワクチン接種を望んでいないことが、スイスの民間機関「世界経済フォーラム(WEF)」などの調査で分かった。副作用への懸念などが背景にあり、普及に向けて各国はアピールが必要になりそうだ。

11月上旬に発表された結果によると、ワクチン接種について「同意する」が73%、「同意しない」が27%だ。同意しない理ェ由は、「副作用への懸念」が34%、「臨床試験の進行が速すぎる」が33%、「効果が期待できない」が10%だった。

国別でみると、インド87%、中国85%、韓国83%、ブラジル81%、オーストラリア79%、英国79%、メキシコ78%、カナダ76%、ドイツ69%、日本69%、南アフリカ68%、イタリア65%、スペイン64%、米国64%、フランス54%。(読売新聞11月30日)

 

(コメント)

ワクチン接種の具体的な日程が提示されてきた。英国が12月7日、米国が12月11日から始まるという。いよいよである。

 

一方、スイスの民間機関の調査によると、世界の27%の人がワクチンを打たないという。国別によって違いがあり、インド、中国などがワクチン接種に同意する人の割合が高く、米国やフランスでは割合は低い。感染者数の多い国で、世界平均(73%)より割合の低いのは、米国、フランス、スペイン、イタリアである。ワクチンが結果として集団免疫を狙うとすれば、頭の痛い話となる。

 

日本も69%と低い方である。日本では2013年に子宮頸がんワクチンの「積極的な勧奨の一時差し控え」という事態が起きてから、国内での子宮頸がんワクチンの接種率は急速に下がっている。このことをきっかけに、ワクチンにめぐる議論が盛んになっており、調査で低い数字が出たのはそうした背景もあるのだろう。

 

 

歴史が面白い166

令和2年11月28日

  <11月28日>

感染2670人過去最多新型コロナウイルスの国内の新規感染者は28日午後9時時点で2670人となり、過去最多を更新した。2千人台は3日連続。東京都は561人で最多だった前日の570人に次ぐ水準だった。厚生労働省が28日発表した全国の重症者も440人と、これまでで最も多くなった。(日本経済新聞11月29日)

 

GO TO 見直し にらみ合い新型コロナウイルスの感染急拡大が続く中、政府の分科会が感染拡大地域での見直しを迫った観光支援策「GO TO トラベル」。大阪市と札幌市を発着する旅行は除外が決まったが、政府と東京都などの自治体のにらみ合いが続き、後が続かない。専門家は、危機感が施策に結びつかないことに焦りを募らせている。(朝日新聞11月29日)

 

時短要請 東京も始まる新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、東京都内は28日、都による営業時間の短縮要請の初日を迎えた。酒類を提供する飲食店とカラオケ店を対象に、午後10時以降の営業を12月17日までやめるよう要請。飲食店からはさっそく影響を心配する声が上がった。(同)

 

 

(コメント)

「GO TO」の対象かどうかで世を賑わしているが、今一番の問題は医療体制がもつかどうかだ。勿論、医療崩壊するということで、菅首相も「GO TO」の対象外を了承したのだが、その大元をどうするかの議論が前面に出ていない。需要と供給でいえば、供給の話だ。

 

東京都は12月16日に府中にコロナ専用医療施設を開設するが、中軽症者向け施設で当初は32床から最終的には100床まで増やすという。それにしても数が少ない。

東京都で一番懸念されているのが、、重症者の増加だ。東京都の基準で28日で67人だ。直近、急増しており5日間で16人増えている。このペースでいくと20日後で131人だ。12月16日に専用医療施設ができ32床増加されるが、これは中軽症者向けだ。最大重症者用の病床は150床だが、これは実際に使える数ではないという。

よって足らない。その結果何もしなければ医療の質が落ちる。たとえば、対応する看護師の数が減るなどだ。

 

実際のやりくりは軽症者も含めた病床をどうやりくりするかの現場の問題になるかもしれない。そういう事態の時は、検査も増えるから検査の体制の再構築も含め、大変なやりくりになる。それには当然お金がかかる問題だ。この話は東京都だけでなく、北海道や大阪府も同じようなものだ。現状は自治体任せで、国の方は受け身でそういう話はでていない。思い切ったことは財源の話から国しかできない。また後手に回ってしまうのか。

 

 

歴史が面白い165

令和2年11月27日

  <11月27日>

札幌・大阪発の自粛要請菅首相は27日に首相官邸で開いた新型コロナウイルス対策本部で、政府の観光需要喚起策「GO TO トラベル」事業を巡り利用の一部制限を求めた。「到着分の一時停止を決定している札幌市と大阪市の出発も直ちに控えるよう呼びかける」と語った。(日本経済新聞11月28日)

 

死者数「第1波」並み新型コロナウイルスの感染拡大で、死者数も今春の「第1波」並みになってきた。27日は午後9時半までに31人の死亡が確認され、5月2日の過去最多と並んだ。重症者増で医療現場の負荷は高まっており、医療の質の維持が急務だ。死者増の主な要因は重症者の増加だ。大阪府の担当者は「第2波」に比べ、重症症しやすい高齢者の感染が多い」という。(同)

 

ワクチン接種 年度内めざす新型コロナウイルス感染症ワクチンの国内の実用化に向けた動きが加速する。武田薬品工業は米モデルナのワクチンで日本での臨床試験の準備を進めている。既に治験中の米ファイザーと英アストラゼネカのデータはそれぞれ12月から集まり始める見通しだ。厚生労働省は2020年度内の接種開始をめざし、承認手続きを短縮する特例の活用も検討する。(同)

 

イート、10都道府県で停止農林水産省は27日、外食需要喚起策「GO TO イート」について、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて10都道府県が新規の食事券発行を一時停止すると発表した。購入・付与済みの食事券やポイントも、4都道府県が利用を控えるよう呼び掛ける。新規発行を停止するのは北海道、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、兵庫。購入済みの食事券や付与されたポイントは、北海道、埼玉、東京、大阪が利用を控えるよう呼びかける。(同)

 

重症病床 迫る限界新型コロナウイルスの重症者が急増し、医療現場に限界が迫っている。東京都や大阪府は、病床を増やすため新たに専用施設の開設などを進めているが、重症者に対応できる人材は簡単にはそろわない。コロナ以外の患者の診療にも影響が及ぶ恐れがあり、「医療崩壊は目の前」との声も上がる。

東京都は、重症化リスクの高い65歳以上の感染者は27日までの1週間で393人となり、1か月前の2.2倍に膨らんだ。都は旧都立府中療育センターの施設を改修し、新型コロナ専用医療施設を12月16日に開設する。重症者向けの病院ではないが、中軽症者を受け入れることで、重症者を受け入れる病院の負担を減らしたい考えだ。

大阪府は重症病床の確保数に対する重症者の使用率が5割を超え、全国で最も深刻な状況だ。府は大阪急性期・総合医療センターの敷地に「大阪コロナ重症センター」を新設する。12月中下旬から重症者の受け入れを始める計画だがスタッフや機材の確保は難航している。(朝日新聞11月28日)

 

 

(コメント)

大都市の病院が限界に近づいてきた。

大阪の重症者の受け入れが逼迫化している。

その大阪で高齢者イコール入院だという原則が見直されたようだ。11月18日の大阪府の専門家会議で、感染症政令・省令で挙げられている入院・措置することができる対象の①65歳以上の者、について「該当する者でも無症状又は軽症者については、保健所が、患者を診察した医師や入院フォローアップの医師と適宜協議し、可能な場合、宿泊療養とする」とされた。

 

大阪府で先行されたものは、11月27日の政府の菅首相が本部長の感染症対策本部でも取り上げられ全国版となった。そこでは「高齢者であっても比較的症状が軽い人については、基礎疾患も考慮して、宿泊療養又は自宅療養をお願いすること」になった。

 

要は、患者の増加に受け入れ拡大もままならず、聖域なく見直しが始まったということだ。症状が中等症以上か高齢者かつ基礎疾患のある人は逼迫する病院で入院できるが、それ以外の人は宿泊療養か自宅療養でという線引きだ。これから高齢者は、急に症状が悪化した場合に適切に処置がなされるかは、今までよりリスクが上がったことになる。だから医療崩壊に備えることが大切なのだ。

 

歴史が面白い164

令和2年11月26日

  <11月26日>

72時間以内容認、先送り新型コロナウイルスの世界での感染再拡大を受け、日本と外国の往来再開が停滞する。政府が検討していたビジネス関係者の滞在72時間以内の入国容認は当面、先送りする。日中両国はビジネス往来の再開で合意したが、これも当初の想定からずれ込んだ。政府は経済活動への影響を懸念する。(日本経済新聞11月27日)

 

PCR最短で90分島津製作所新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査装置で、最短90分で結果が判明するタイプを開発した。検体の前処理や分析結果の読み取りなど専門知識を必要としない。全自動で検査でき、中小病院でも導入が可能だ。スイス医療大手ロシュなどが手掛ける一般的なPCR検査装置の価格が300万円超に対し、3割安い200万円に抑えた。(同)

 

都、病床の確保「急務」。東京都では26日、新型コロナウイルスの感染者が新たに481人確認され,重症者は緊急事態宣言解除後で最多となる60人に達した。感染状況などを検討する都の「モニタリング会議」に出席した専門家は「中等症以上の患者の増加に対応できる病床の確保が急務だ」と指摘した。

都はこれまでに重症者用の病床として150床を確保したが、今後の急増を見込んで300床を視野に医療機関との調整を急ぐ。(同)

 

飛沫の3割外に漏れる理化学研究所は26日、スーパーコンピューター「富岳」で、忘年会シーズンに利用が増える飲食店やカラオケ店での飛沫の拡散などを計算した結果を公表した。最も性能が良いマウスガードでも約3割の飛沫が外部へ漏れていた。

あごから端を覆うおわん型が最も性能が良かったが、それでも34%の飛沫が飛散。口元のみを覆うタンプは65%が飛散した。(同)

 

中国ワクチン、足踏み中国企業による新型コロナウイルスワクチンの開発に不透明感が漂っている。臨床試験(治験)中に大規模投与に踏み切り、一時は世界の開発レースの先頭にいたが、予防効果や検証が不十分とする指摘が出ている。欧米勢の実用化は秒読みの状況で、中国が力を入れる「ワクチン外交」にも影響が出かねない。

英医学誌ランセットが17日、シノバック゛・バイオテックが開発するワクチンについて、初期段階の治験データを分析した論文を掲載した。治験結果から、「感染を防ぐ予防抗体は(コロナ感染から)回復したレベルより低い」とし、有効性は「中程度」と評価していた。(同)

 

府中にコロナ専用医療施設。東京都は26日、府中市内で整備中の新型コロナウイルスの専用医療施設を12月16日に開設すると発表した。当初は32床でスタートし、最終的には100床まで増やす。(同)

 

4か月連続で転出超過総務省が26日発表した住民基本台帳人口移動報告によると、10月の東京都の転出者数は3万908人と前年同月に比べて10.6%増えた。転入者数は2万8193人と7.8%減少し、4か月連続で転出者の報が多い転出超過となった。(同)

 

欧州コロナ規制 クリスマス緩和。欧州の主要国が相次いでクリスマス期間中に新型コロナウイルス対策を緩和する方針を打ち出した。市民の不満を抑え、経済を支えるための苦肉の策だが、感染の再拡大につながる危うさもある。(同)

 

米感謝祭 自粛に限界新型コロナウイルスの感染者増に歯止めがかからない米国で、26日の感謝祭(サンクスギビング)に伴うさらなる感染拡大への懸念が強まっている。米保健当局などは感謝祭に伴う移動の自粛を求めるが、米国内の航空旅客数は3月中旬以来の高水準を記録した。先の見えない自粛生活の中で、我慢が限界に達しつつある米国民の姿も見え隠れする。(読売新聞11月27日)

 

 

(コメント)

中国発のワクチンは有効性がやや劣るとの論文が出されたという。

欧米勢で先行する米ファイザーや米モデルナ、英アストラゼネカは最新技術を使った新しいタイプのワクチンだ。有効性は90%以上と高い。一方の中国は病原性をなくした昔ながらの手法を使っている。インフルエンザワクチンなどで長年使われている手堅い技術だ。

 

ただ、新しいタイプの高い有効性については、各社が有効性を評価した期間は2回目の接種から1~2週間と短い。専門家の間では「有効性や安全性について正確に評価できない」との声もある。WHOは新型コロナに求められる望ましい有効性について、「少なくとも70%」などとの見解を示している。また、実用化の実績がないため安全性への不安もある。どういった人に副反応リスクが高いは不明だ。

 

宮坂昌之教授(大阪大学)によると、ワクチンは、その有用性は認識されにくく、一方投与による副作用があると社会的に大きな非難を浴びる。そのことを考えると、ワクチン開発は熾烈な競争だとされるが、実際はウサギとカメの競争のようなものだ。ウサギのように、急いで先にゴールに飛び込んでも、それが副反応の出るワクチンや、予防効果の低いワクチンであったとすれば、絶対に後で使われなくなる。一方、カメのように後からゴールに入っても、安全で予防効果の高いワクチンであれば、その後ずっと使われることになるので勝負には勝ったことになる。今、気になるのは、ロシアやアメリカ、イギリスなどで行われているワクチンの過剰とも思われる開発競争だ、と指摘する。

 

 

 

 

歴史が面白い163

令和2年11月25日

  <11月25日>

感染急増地域と往来自粛。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は25日、感染対策が徹底できない場合は感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」に相当する地域との往来を今後3週間、自粛するよう求める提言をまとめた。「GO TOトラベル」で感染が拡大する地域からの出発分も一時停止の検討を要請した。

どの地域がステージ3にあたるかの最終判断は自治体に委ねられている。分科会の尾身会長は相当する地域として札幌市、東京23区、名古屋市大阪市を例示した。(日本経済新聞11月26日)

 

GO TO全停止に慎重。衆参両院の予算委員会は25日、菅首相と関係閣僚が出席し、集中審議を実施した。首相は「GO TO トラベル」事業について「大きな成果がある」と述べ、事業の全面停止に慎重な考えを示した。感染拡大防止と経済活動の両立を重視する姿勢を改めて鮮明にした。(同)

 

経済配慮 小刻み対策新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は25日、酒類を提供する飲食店やカラオケ店に28日から20日間にわたって午後10時までの時短営業を再要請すると発表した。年末を控え、「第3波」の抑制を図る。こうした小刻みに対策と緩和を繰り返して経済活動の維持を目指すのは、世界的な流れでもある。(同)

 

保健所、人員・機能を拡充。東京都はクラスターが発生した場合、「疫学調査」の業務支援に当たる保健所の人員を大幅に拡充する。感染経路をたどる「トレイサー班」はこれまで8人だったが、約100人に増やす。保健師や看護師資格を持つ非常勤職員を採用。都庁本庁舎のほか都健康安全研究センターに勤務し、クラスター発生時に多摩地域にある保健所などへ派遣される。

人手不足解消へ民間の人材派遣会社を活用する例もある。千葉県は民間を通じて看護師や事務員、ウイルス検査の検体を運ぶドライバーなど計45人を増員した。

神奈川県は2日、発熱患者らの医療機関への診療予約を代行する「発熱等診療予約センター」を開設した。(同)

 

専門家の意見 東京医科大学教授 浜田篤郎氏。現在の第3波は夏の第2波以降、国内にくすぶっていたウイルスによる感染が再燃したとみられる。今後は渡航制限の緩和で欧米のウイルスが新たに入り、蔓延する可能性がある。

相手国の状況を見極めたうえで、2国間合意で渡航制限を緩和するのは問題ない。だが、政府が11月から実施した短期の海外出張者全般に対する緩和措置は、感染者が検疫をすり抜ける恐れがあるので心配だ。

新たな措置は1週間以内の海外出張者に対し、出張先を出る前や日本入国時の検査で陰性なら2週間の自宅待機を求めない。この間、公共交通機関を使わず活動計画を提出するよう要請するが、すべての人が従うとは限らない。出張期間の最後の方で感染した場合、検査で陽性にならない人も多いだろう。入国時に陰性でも帰国から1週間の自宅待機後、改めて検査するといった対策を考えるべきた。

医療機関の多くは2週間以内に海外渡航歴のある人に受診を控えるよう求めているため、帰国後の受診や検査は難しい。多少、精度の問題はあるかもしれないが、唾液を採取して郵送で検査を受けられるサービスの活用も一つの手だ。(同)

 

危機下の株高 IT主導。米ダウ工業株30種平均が24日、史上初めて3万ドル台に乗せた。成長を続ける巨大IT企業がけん引する産業構造の転換で、2万ドルを付けた17年から4年弱で1万ドル上昇した。新型コロナウイルスによる経済危機が生んだ未曽有の株高は、緩和マネーが支えで、実体経済とのズレも目立つ。(同)

 

「医療 全国で崩壊危機」日本医師会中川俊男会長は25日の記者会見で、新型コロナウイルス感染が拡大していることを受け、「全国各地で医療提供体制が崩壊の危機に直面している」と懸念を表明した。「GO TO キャンペーン」が、感染予防に対する国民の「緩みにつながった」との見方も示した。(同)

 

欧州 長引く「都市封鎖」。新型コロナの第2波に見舞われ、再びロックダウンに踏み切った欧州各国が規制期間の延長を余儀なくされている。経済と感染防止の両立を目指し、春に比べて規制を緩やかにした一方、封じ込めは遅れている。各国ともクリスマス時期での本格緩和を見込むが、懸念もある。(朝日新聞11月26日)

 

 

(コメント)

欧州からの感染流入が気がかりだ。浜田教授(東京医科大学)によると11月から実施した短期の海外出張者全般に対する緩和措置だ。1週間以内の海外出張者に対し、出張先を出る前や日本入国時の検査で陰性なら、2週間の自宅待機を求めない措置だ。

これには感染が漏れる穴がある。

まず、出張期間の最後の方で感染した場合、検査で陽性にならないことがある、という論理の穴がある。つぎに、自宅待機はもとめないが、公共交通機関を使わず活動するとあるが、すべての人が従うとは限らない、とここにも穴がある。

 

政府には3月、欧州に対する水際対策で失敗がある。3月後半になるまで、中国や韓国に対して行っていたような強力な水際対策を、欧州の間では導入していなかった。その間イタリアで4万人、スペインで2万人、フランスやドイツで1万人を超える感染者が出ていた。これには、民間臨時調査会のインタビューで官邸の幹部も悔やまれるところだと認めている点だ。

その後の国立感染症研究所がゲノム分子疫学調査の結果、3月中旬以降全国各地で感染拡大したウイルスは、欧州系統のウイルスであることが判明した。武漢系統のウイルスは1月から2月のクラスター対策などにより、封じ込めに成功していたのだ。

 

今また同じようなことが繰り返されようとしている。今回の措置は経済再生を重視する政治主導で進められ、ぎりぎりの調整の後、実施直前の10月末に決定されている。

歴史が面白い162

令和2年11月24日

  <11月24日>

来月15日まで除外決定。政府は24日、観光需要喚起策「GO TO トラベル」事業を巡り、大阪、札幌両市の一時除外を決めた。期間は同日から12月15日までの3週間で、両市が目的地の旅行は割引から外す。予約済み旅行は12月1日現地着までは割引対象とし、2日以降は対象外とする。(日本経済新聞11月25日)

 

ビジネス往来月内再開。茂木外相は24日、都内の飯倉公館で中国の王毅国務委員兼外相と会談した。新型コロナウイルスの感染拡大で停止している日中のビジネス目的での往来を11月中に再開すると合意した。短期出張と長期の駐在員が対象で、PCR検査の陰性証明書の提出などが必要になる。(同)

 

病床使用率 急上昇厚生労働省は24日、国内の新型コロナウイルスの重症者数が345人となったと発表した。2日連続で過去最多を更新した。

連日、100人以上の新規感染者が確認されている札幌市は、17日時点で用意したコロナ患者向けの病床(360床)の使用率が66%に高まった。病床逼迫を受け、市は病床を440床に拡大した。だが23日時点の入院患者は227人と引き続く多く、病床使用率は52%と高水準のままだ。

東京都は現状でコロナ患者を受け入れ可能な病床を2640床確保しているが、使用率は24日時点で6割近い。重症者数は51人と、緊急事態宣言解除後で最多を更新した。重症者用病床(150床)の3割が埋まっている状態だ。(同)

 

感染「再生産数2超え」厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は24日に会合を開き、1人の感染者が何人に感染させたかを示す「実効再生産数」が直近で大阪、京都、兵庫で2を超えていると明らかにした。北海道、東京、愛知でもおおむね1を超える水準が続いているという。(同)

 

都、営業短縮要請を準備新型コロナウイルス対策で東京都と国が水面下で応酬を続けている。国は飲食店などの営業時間短縮要請を求めたが、影響の大きさから都は当初慎重だった。感染者急増を受けて都は重症者数をもとにした基準を作り、時短要請する方向に転じた。事業者に払う協力金の財源確保を巡っても綱引きを繰り広げた。(同)

 

理由なく検査拒否に限定。東京都議会の最大会派、都民ファーストの会は24日、新型コロナウイルス対策で個人への罰則を盛り込んだ都条例改正案の骨子を示した。30日に開会する定例会へ改正案の提出を目指す。

都民フは「5万円以下の過料」の罰則を科す対象を、正当な理由なくウイルス検査を拒否した場合に限った。当初案にあった陽性者が外出制限に従わず他人に感染させた場合などへの罰則規定は削除した。(同)

 

アフリカでコロナ薬治験。欧州やアフリカの26の研究機関が参加する国際組織「ANTICOVコンソーシアム」は24日、アフリカで新型コロナウイルス感染症治療薬の大規模な臨床試験を始めたと発表した。軽症や中等症の患者を対象に、エイズマラリアなどの他の感染症に使う治療薬を投与し、効果や安全性を調べる。(同)

 

介護職員ら陽性率上昇新型コロナウイルス対策として、世田谷区が無症状の介護職員らを対象に進めているPCR検査で、陽性率が高まっている。区は、検査数をさらに増やすため、複数の検体をまとめて検査する「プール方式」の導入を国に要請する方針だ。

この検査は、クラスター化を未然に防ぐために区が10月から独自に始め、「社会的検査」と呼んでいるもの。症状の有無にかかわらず、区内の介護施設や障害者施設、保育園や幼稚園、小中学校などで働く人が対象だ。区によると、10月2日から今月1日までの検査数は576人でうち陽性者は2人、陽性率は0.3%だった。だが、2日から22日までの960人のうち陽性者は18人、陽性率は1.9%まで跳ね上がった。

区は当初、検査時間を短縮するため、複数の検体を試験管内にまとめて検査するプール式を採用する予定だったが、国は「精度が不明」として、国費で賄う行政検査として認めていない。現在1日に200件が上限だが、プール式だと上限は1千件程度まで引き上げられるという。区は来年1月までに2万件以上の社会的検査を予定しており、プール方式の有用性を国に訴えていく方針だ。(朝日新聞11月25日)

 

あえて感染 ワクチン開発新型コロナウイルスのワクチン開発を加速させるため、健康な若者を意図的にウイルスにさらしてワクチンの効果を調べる特殊な治験が、英国で年明けにも始まる。コロナ禍では初で、後発組のワクチン候補から有望なものを絞り込むのに役立つと期待される。ワクチンが早く行きわたれば救える命も増えるため、英国内の受け止め方はおおむね好意的だが、参加者が重症化するリスクもはらむ。

治験は「ヒトチャレンジ」と呼ばれる。英国政府の発表によると、国民保健サービス(NHS)や治験専門企業などが連携して実施する。まず、18から30歳の健康な若者をウイルスにさらし、感染に必要なウイルスの低量を調べる。その後、別のグループの若者に初期段階で安全性が確認されているワクチン候補を投与し、ウイルスにさらしたうえで、感染を防げるかなどを調べる。

ヒトチャレンジは今年7月、ノーベル賞を受賞した科学者を15人を含む100人以上の英米主要大学の教授らが、実施に向けた早期の環境整備を求める公開書簡を米国立保健研究所(NIH)の所長あてに出したことで注目された。

「倫理的正当化が必要となるが、安全かつ効果的にワクチン開発をスピードアップできるなら、実施への強力な根拠になる」と訴えている。

英国政府は10月、「ワクチンがより早く窃取出来るようになれば、数千人の命が救えるかもしれない」として、ヒトチャレンジを実施する官民の枠組みに3360万ポンド(約46億円)を出資すると発表した。

すでに最終段階にある英製薬大手アストラゼネカのワクチンは対象とならない可能性が高い。健康な人でも最悪の場合は死に至ることもある。倫理的な問題は避けられない。

WHOは5月、ヒトチャレンジが倫理的に受け入れられる場合の8つの基準を公表した。リスク以上の利益が見込める▽市民、専門家、政策決定者らが関与し協議している▽参加者のリスクを最小限にするーなどだ。

英オックスフォード大学のジュリアン・サブレスク教授(実践倫理)は声明で「ヒトチャレンジは、リスクが完全に開示され合理的であれば道徳的に正しい。20~30歳の人がコロナで死亡する確率は自動車事故で死亡する年間リスクとほぼ同じだ。チャレンジ治験をしないことこそ非倫理的だ」と指摘した。一方、WHOの基準作りに参加したカナダのウェスタン大のチャールズ・ウェイアー教授(生命倫理)は反対を表明。参加者に重症者や死者が出れば、ワクチンそのものへの信頼を損なうなどと指摘した。

治験にはリスクが伴うが参加希望者は多いようだ。10月末時点で約170か国4万人がボランティアに登録した。日本からも約100人が登録した。(朝日新聞11月25日)

 

国 本気度薄く。加藤官房長官は24日の記者会見で「GO TO トラベル」事業の運用を一部見直す一方で、経済活動は継続させる考えを改めて強調した。

政府は事業と感染拡大との因果関係を否定し続けてきた。赤羽国土交通大臣も24日の会見で「事業が感染拡大の主要な要因だとのエビデンス(証拠)は現在のところ存在しない」とする新型コロナ対策分科会の提言に触れ、「延べ4000万人超が利用し、23日までに陽性と診断されたのは187人だ」と訴えた。

政府がトラベルの「一時停止」に踏み込まざるを得ないのは、札幌市などでの感染拡大で、分科会がまとめた4段階の指標で2番目に悪い「ステージ3(感染急増)」が現実味を帯びてきたためだ。そもそも政府は経済重視の方針を崩さないため、感染防止で徹底的に人の動きを止めるという本気度は薄い。一時停止表明は「政府が危機感を表しているというアナウンス効果」に狙いがある。

鑑定幹部は「感染で困っている人よりも経済が止まって困る人の報が多いはずだ」と強調する。(毎日新聞11月25日)

 

 

(コメント)

ワクチン開発で、ついに一歩踏み込んだ治験が始まろうしている。あえて感染させて効き目をさぐるのだ。動物実験ならありだと思うが人間が相手だとどうかと考えさせられる。

コロナではリスクの低いとされる若者を対象にするが、最悪のケースは死が想定される。西洋の倫理では大多数の救える命とひとりの命を比べて判断している。日本ではかつて一人の命は地球より重い(日航機ハイジャック)と言われた。人類の生存がかかっているというほどのレベルでは今はない。そこまで追い詰められてはいない段階で若者の死をかける話かという気がする。

それよりも、ワクチン競争で一歩で遅れているところを救済するという目論見が垣間見える。なぜなら先頭をきっているアストラゼネカは対象としないらしい。もちろん、ワクチンは候補は多いほうがいいのだが、そのため何をしてもいいとは限らない。だから、今までワクチン開発は5年とか10年かかってきたのだから。

追い詰められているのは製薬会社で、そのため多少フライング(?)もあるがといって目をつぶっている気がする。