歴史が面白い146

令和2年11月7日

  <11月7日>

「身近な検査」移行道半ば。インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行に備えた検査体制の整備が思うように進んでいない。院内感染の防止を徹底できる医療機関が限られるほか、風評被害への懸念から対応可能な医療機関名を公表しない自治体が多い。「身近な検査」は道半ばだ。

国内の新規感染者は1日千人など増加傾向にある。例年1シーズンで1千万人以上が感染するインフルも流行すれば症状だけで見分けることが難しくなる。国はピーク時に1日7.6万件のPCR検査に加え、簡易キットによる抗原検査を最大1日20万件実施できる体制を目指す。

相談や検査の体制も見直した。感染疑いがある人が保健所などに電話をし、検査を実施する医療機関(帰国者・接触者外来)やPCRセンターを紹介してもらう仕組みを変更。かかりつけ医など地域の医療機関が相談・検査の中核を担う体制に切り替えた。国は10月中に体制整備を目指したが、指定が十分に進んでいない。

大阪府では目標の1500か所に対し、11月5日までに927か所が指定された。完全に新体制に移行するのは11月下旬の見込みという。原因の一つが院内感染を防ぐ環境づくりの難しさだ。「感染疑いがある人を他の患者と接触させないよう動線を分けるといった対策が必要で、手を上げられる医療機関が限られる」(府感染症対策課)兵庫県青森県秋田県も指定が遅れている。

東京都は医師会の要請などで既に2800か所が指定された。12月上旬までにPCRと抗原を合わせて1日あたりの検査能力を従来より1.9万件多い6.5万件に引き上げる計画だが、ピーク時に必要とされる3千か所には届いておらず、心もとない状況が続く。(日本経済新聞11月8日)

 

コロナ離職の再就職支援。東京都はコロナ禍で解雇や雇止めにあった人を企業に16日間派遣する事業を始めた。派遣中は有給の試用期間とし、終了後に求職者と受け入れ先の企業に正社員化を検討してもらう。派遣中の給料は都が負担する。

熊本県も企業に求職者を派遣し、円滑な就労を支援する。会計ソフトの研修や業界研究、企業の人事担当者との面談などを2か月実施した後、約2か月半かけて受け入れ先で職場内訓練をする。終了後に正社員化を目指す。(同)

 

居酒屋の業態転換200店超新型コロナウイルス感染拡大で苦境の居酒屋が業態転換を急いでいる。日本経済新聞が主要居酒屋50社の6700店を調べたところ、219店が、業態転換を決めた。チムニーが約40店を焼肉店や食堂に転換。三光マーケティングフーズもすし店などへの切り替えを進める。居酒屋の閉店率は12%と外食産業の中でも突出するなか、各社は生き残りの道を探る。(同)

 

修学旅行 公立校15%が中止。コロナ禍の影響で、公立小中高学校のおよそ15%が今年度の修学旅行の中止をきめたことがわかった。一方でおよそ66%の学校が実施を決定。このうち8割超は、宿泊日数を減らすなど、例年と異なる対応をしていた。全体の約19%は「検討中」だった。中止の学校のうち「キャンプ」や日帰りでの地元の施設見学など、なんらかの代替行事をする学校が多かった。「予定通り実施」は約12%だった。(朝日新聞11月8日)

 

(コメント)

インフルエンザの流行の季節に入ってきた。今年の患者は極端に少ないようだが、最悪な事態には備えておかないといけない。なにしろ例年の感染者は1千万人だ。1割でも100万人ということになる。日本の現時点のコロナの感染者累計が10万人だから圧倒的にインフルエンザの感染者が多いことになる。インフルとコロナの区別がつかなく、発熱することは同じだ。インフルエンザの予防注射はかかりつけ医で予約して打ってきたが、発熱したらかかりつけ医で見てくれるかどうかだ。私のかかりつけ医はこじんまりした町医者で、とても患者の動線を分けることはできなさそうだ。

東京都のモニタリング会議の資料をみると、各地域や各医療機関において、地域の実情を踏まえて、院内感染を防止つつ、発熱患者の診療・検査を行う体制を検討していく必要があるとし、動線確保をしつつ、診療・検査を行う体制として想定される以下の4つのパターンが示されていた。

1)車の中で診療(ドライブスルー)型

2)野外(テント)

3)ひとつの診療所内で時間分離(例えば午前ー発熱以外患者、午後ー発熱患者)

4)複数の診療所で輪番制

東京は指定が比較的進んでいる方で、地方の方が手間取っているようだが、動線の確保が難しいのだろう。

しかし、ここで大事なことは地域医療をしっかりと守ることだ。動線の確保が不十分のまま受け入れて、その結果医療関係者がPCR検査で陽性になると、医療現場の同僚がすべて2週間の自宅待機になり、病院で誰も働けなってしまう。地域医療が大変なことになる。たとえば冬は脳卒中も多くなる。脳卒中で倒れたら、医療機関がなくなると他の医療機関で順番を待つことになり、間にあわなくなることもあるだろう。