歴史が面白い144

令和2年11月5日

  <11月5日>

国内感染 再び1000人超え。国内で5日、新たに確認された新型コロナウイルスの感染者が千人を超えた。千人超となるのは8月21日以来。都市部の東京や神奈川、大阪に加え、寒くなった北海道や東北でも増加が目立つ。気温の低下に伴って窓を閉め切った屋内で過ごす時間が増えていることが一因との見方もあり、換気の徹底などが求められている。

北海道は5日、過去最多となる119人の感染を確認した。10月の感染者数は千人超と月別で最多となっており、札幌の繁華街「ススキノ」を中心にクラスターが相次いで発生した。道内の担当者は「9月の3連休後に人出が増えたことに加え、朝晩冷え込むようになり、酒類を提供する飲食店などで換気回数が減った可能性がある」と分析する。

東北でも感染者の増加が目立つ。宮城県青森県では複数のクラスターが発生した。

インフルエンザとの同時流行が懸念される冬を前に、換気など感染症対策の徹底が課題となっている。(日本経済新聞11月6日)

 

病棟支援金 27道府県ゼロ新型コロナウイルス患者の専用病棟を持つ「重点医療機関」に交付される国の支援金について、交付を始めていない自治体が10月15日時点で27都道府県に上ることが、厚生労働省への取材でわかった。コロナ患者の治療を優先したために経営が悪化している医療機関に、今なお財政的な支援が十分に行き届いていない実態が浮き彫りになった。

重点医療機関は、コロナ患者を集中的に引き受けて専門的な医療を提供する施設で、都道府県が指定する。感染者の専用病床を確保しておく必要があるため、国は1床あたり最大で約30万円の「空床確保料」などを補助する制度を創設し、6月成立の第2次補正予算で4728億円を計上した。10月15日までに交付金が支払われたのは20都道府県の337か所に止まる。交付金の総額は予算の約4分の1の計1086億円。北海道、神奈川、兵庫、広島、福岡など27道府県は、交付金は「ゼロ」と回答した。

交付金の遅れの理由は、事務作業がずれ込んでいるためという。減収減益で経営が圧迫されており、一刻も早い交付を求める声が上がっている。(読売新聞11月6日)

 

欧州 再びコロナ規制。WHOの統計によると、今月1日までの過去7日間の新規感染者は欧州で約170万人に上り、世界全体の52%を占めた。欧州の増加率は前週と比べて24%増で、世界で最も高い。

新規感染者が連日2万人を超える英国では、首都ロンドンを含むイングランドで5日、生活必需品以外を扱う店の閉鎖や、飲食店の営業が持ち帰りに限定されるなど新たな規制が始まった。しかし、下院や国民の間では経済への悪影響を懸念する声や「規制疲れ」が広がる。(同)

 

重症者増 医療圧迫の恐れ。都は5日、専門家を交えた新型コロナウイルスのモニタリング会議を開き、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルについて、いずれも4段階で上から2番目に深刻なレベルを維持した。ともに2番目のレベルとなるのは9週連続。

都によると、5日までの1週間の平均新規感染者数は174.4人と前週(166人)からほぼ横ばいとなり、感染経路不明者数も大幅な増減は見られなかった。2日までの1週間に感染経路が特定できた人のうち家庭内での感染者が4割を占めるといい、会議では家庭内でも換気などの感染対策の必要性が指摘された。

一方、医療提供体制を巡っては、11月5日で重症患者数は38人で前週から9人増加している。専門家から重症患者が増加していることに対して懸念が示された。(同)

 

(コメント)

北海道の感染が急増しており、冬の到来に向けた先行例になりそうだ。

医療体制で問題は、重傷者の増加だ。東京では重症者は緩やかに増加してきている。東京の重症者は1週間で9人増え、11月5日現在38人だ。重症者病床は都全体で150床で準備できいるが、絶対数がそもそも小さいので患者が急増するとすぐに枯渇する水準だ。

都のモニタリング会議資料(11月5日)によると、重症患者では、陽性判明日から重症化までは平均5.6日で、重症患者における人工呼吸器の装着から離脱までの日数の中央値は7.0日ということで、感染から1週間弱して重症化し、人工呼吸器は1週間装着するということだ。つまり重症者数は新規感染者の増加から遅行して増加し、重症化すると重症者病床に中長期にわたり占有する。都の感染が急増すると150床はすぐに埋まる。これを都は8月に300床にする計画を立てた。

モニタリング会議での指摘のもう一つは感染経路である。80代以上をのぞく全世代で同居する人からの感染が最も多い。80代以上は施設での感染だ。

そして特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院等、重症化リスクの高い施設や訪問介護等においては、無症状や症状の乏しい職員を発端とした感染がみられているとのことである。

つまり構図として、職場や飲食店などで感染し、家庭に持ち込み、さらに無症状の職員として高齢者施設に感染を持ち込むことで、重症化リスクが高まっていくということが想定される。対策としては、無症状の施設職員のPCR検査だ。すでに一部の東京の区で始められている。ぜひ全部の区でも始めてもらいたい。