歴史が面白い141

令和2年11月2日

  <11月2日>

中国、コロナ再燃に厳戒。中国で新型コロナウイルスの再拡大に対する警戒感が強まっている。新疆ウイグル自治区で10月末に100人以上の集団感染が発覚し、上海などでは国内の移動制限を始めた。米国など感染が深刻な地域からの入国者に対して渡航前のPCR検査の厳格化も決めた。

新疆ウイグル自治区では工場の従業員が24日にPCR検査を受けたところ、感染が明らかになり周辺地域は封鎖された。濃厚接触者を対象に検査を実施したところ、新たに137人の感染者が発覚した。その後、工場がある地域を中心に約470万人が検査を受け、新疆ウイグル自治区では11月1日時点で既に280人の感染者が確認されている。

山東省青島市でも10月に病院の従業員など12人の集団感染が明らかとなった。病院を含む当該地区を封鎖。翌日には青島の全市民約1070万人を対象にPCR検査を実施し、いずれも全員の陰性が確認されたという。

上海や北京では新疆ウイグル自治区や青島の集団感染を受け、感染の発覚した地域から来た人の隔離とPCR検査を義務付ける方針を即座に発表した。

海外からの入国者に対しても厳格なルールを設けている。米国やドイツ、イタリアなどから入国する際には出発の48時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書が11月から必要となった。日本などには72時間以内の検査を義務付ける。

感染が深刻な地域からの入国はより厳しくなっている。入国後は当局の指定したホテルや自宅などで隔離され、原則14日間は外部との接触が禁止される。PCR検査も再度受ける必要がある。(日本経済新聞11月3日)

 

欧州10か国入院患者最多新型コロナウイルス感染拡大の勢いが欧州で加速する中、重症化する患者が増えている。東欧を中心に10か国で入院患者数が過去最多を更新した。病床が逼迫する国も出てきた。

ポーランドは入院患者が1万人を突破し、9月末比では4倍超に膨らんだ。国立競技場では臨時病院の設営作業が進む。ポーランド全土で臨時の病床を最大1万床確保する計画という。

英独仏などの欧州主要国は新型コロナウイルス感染による入院患者数が春のピーク時の水準には及んでないものの、拡大のペースが急速に早まっている。(同)

 

「若者から高齢者」欧米で傾向顕著新型コロナウイルスの感染が欧米を中心に再び拡大している。封じ込めに手間取る各国が分析を急ぐのが、20代などの若年層から広がる感染だ。欧米や日本では、高齢者の感染が増える1~2週間前に若者の感染者が増加する傾向を捉えた。当面の対策は若者の活動の機会を閉ざさず、重症になりやすい高齢者をいかに守るかが焦点となる。

「20~30代の感染者の増加は、60歳以上に比べて米国南部で平均8.7日先行していた」米疾病対策センターCDC)の研究チームは10月、新型コロナ感染者の動向に関する報告書を公表した。

欧州も同様の傾向だ。ドイツ政府の公表データでは、3月の第一波では20~50代の感染者がピークを迎えた1週間後に80代以上が後を追うように増えていた。7月以降に20代で再び感染が拡大し、9~10月にかけて高齢者にも感染が広がった。フランスも同様な傾向だ。

日本でも、7月前後から20代の感染者が増え始め、8月上旬にピークを迎えた。高齢者の感染者数は8月上旬から中旬にかけて同様の経過をたどった。(同)

 

 

(コメント)

中国の感染封じ込めが徹底している。感染発覚時の徹底した検査や該当地区全体の封鎖などなりふり構わない機敏な対応である。防止策として有効であるが、人権は無視されている。これは民主国家ではなかなかできないことである。欧州では感染爆発となり、追い込まれて都市封鎖に踏み切るとは大きな違いである。日本の場合まだ追い込まれていないが、総じて欧米より行き渡っている国民の自粛がコロナ対策ではかろうじて効いているのだろう。今後もクラスター対策を徹底し、隔離、検査、追跡という防止の鉄則が有効に機能することを期待したい。