歴史が面白い147

令和2年11月8日

  <11月8日>

感染、世界で5000万人新型コロナウイルスの世界の累計患者数が8日、5000万人を超えた。10月以降、欧米で感染が急増。1日あたり50万人を超える過去最悪のペースだ。欧州で感染対策のロックダウンが広がる。経済や生活への打撃も大きく、政治判断は一段と難しくなっている。IMFによればコロナの収束が遅れれば2021年の世界の経済成長率は5.2%から2.3%へと下振れする。累計感染が4000万人に達した10月19日からわずか20日間で1000万人増えた。(日本経済新聞11月9日夕刊)

 

 

(コメント)

世界の感染急増が止まらない。欧州ではロックダウンが行われたので、その効果はもう少ししてから出るはずだ。米国は大統領選が終わり、共和党などの密な集会がなくなるので、これももう少しすれば効果が出る。20日で1000万人というペースは続かないだろうと推測されるが、やはり冬本番という季節的な要因は読めないところだ。

北海道で感染が拡大しており、その要因が冬場の環境が挙げられている。暖房で密閉された空間で過ごすことが多くなるので換気をこまめにするように言われている。

感染者がくしゃみをしたり、また大声を出したりすると飛沫が外に出る。会話をしていてもすこしは飛沫は出る。感染者の微粒子となった飛沫をエアロゾルというが、それを換気で外に追い出すのだ。

さらに、冬になると重症化しやすいと国立病院機構仙台医療センター長の西村秀一氏はいう。それは、冬は湿度が低くく乾燥し、飛沫となった微粒子が夏よりは粒子が小さくなるからだ。大きい粒子は鼻先や咽頭など上気道の先端に吸着し肺の奥まで入っていかない。一方、小さな粒子は直接肺の奥まで侵入し、いきなり肺炎を発症しやすくなるからだという。

暖房で乾燥するので湿度管理も大切になる。換気と湿度が冬場は要注意ということになろう。

ついでに、西村氏はエアロゾル感染は中途半端なアクリル板のパーティションも難なく超えてくるので、設置しても気休めだとも言っている。

 

歴史が面白い146

令和2年11月7日

  <11月7日>

「身近な検査」移行道半ば。インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行に備えた検査体制の整備が思うように進んでいない。院内感染の防止を徹底できる医療機関が限られるほか、風評被害への懸念から対応可能な医療機関名を公表しない自治体が多い。「身近な検査」は道半ばだ。

国内の新規感染者は1日千人など増加傾向にある。例年1シーズンで1千万人以上が感染するインフルも流行すれば症状だけで見分けることが難しくなる。国はピーク時に1日7.6万件のPCR検査に加え、簡易キットによる抗原検査を最大1日20万件実施できる体制を目指す。

相談や検査の体制も見直した。感染疑いがある人が保健所などに電話をし、検査を実施する医療機関(帰国者・接触者外来)やPCRセンターを紹介してもらう仕組みを変更。かかりつけ医など地域の医療機関が相談・検査の中核を担う体制に切り替えた。国は10月中に体制整備を目指したが、指定が十分に進んでいない。

大阪府では目標の1500か所に対し、11月5日までに927か所が指定された。完全に新体制に移行するのは11月下旬の見込みという。原因の一つが院内感染を防ぐ環境づくりの難しさだ。「感染疑いがある人を他の患者と接触させないよう動線を分けるといった対策が必要で、手を上げられる医療機関が限られる」(府感染症対策課)兵庫県青森県秋田県も指定が遅れている。

東京都は医師会の要請などで既に2800か所が指定された。12月上旬までにPCRと抗原を合わせて1日あたりの検査能力を従来より1.9万件多い6.5万件に引き上げる計画だが、ピーク時に必要とされる3千か所には届いておらず、心もとない状況が続く。(日本経済新聞11月8日)

 

コロナ離職の再就職支援。東京都はコロナ禍で解雇や雇止めにあった人を企業に16日間派遣する事業を始めた。派遣中は有給の試用期間とし、終了後に求職者と受け入れ先の企業に正社員化を検討してもらう。派遣中の給料は都が負担する。

熊本県も企業に求職者を派遣し、円滑な就労を支援する。会計ソフトの研修や業界研究、企業の人事担当者との面談などを2か月実施した後、約2か月半かけて受け入れ先で職場内訓練をする。終了後に正社員化を目指す。(同)

 

居酒屋の業態転換200店超新型コロナウイルス感染拡大で苦境の居酒屋が業態転換を急いでいる。日本経済新聞が主要居酒屋50社の6700店を調べたところ、219店が、業態転換を決めた。チムニーが約40店を焼肉店や食堂に転換。三光マーケティングフーズもすし店などへの切り替えを進める。居酒屋の閉店率は12%と外食産業の中でも突出するなか、各社は生き残りの道を探る。(同)

 

修学旅行 公立校15%が中止。コロナ禍の影響で、公立小中高学校のおよそ15%が今年度の修学旅行の中止をきめたことがわかった。一方でおよそ66%の学校が実施を決定。このうち8割超は、宿泊日数を減らすなど、例年と異なる対応をしていた。全体の約19%は「検討中」だった。中止の学校のうち「キャンプ」や日帰りでの地元の施設見学など、なんらかの代替行事をする学校が多かった。「予定通り実施」は約12%だった。(朝日新聞11月8日)

 

(コメント)

インフルエンザの流行の季節に入ってきた。今年の患者は極端に少ないようだが、最悪な事態には備えておかないといけない。なにしろ例年の感染者は1千万人だ。1割でも100万人ということになる。日本の現時点のコロナの感染者累計が10万人だから圧倒的にインフルエンザの感染者が多いことになる。インフルとコロナの区別がつかなく、発熱することは同じだ。インフルエンザの予防注射はかかりつけ医で予約して打ってきたが、発熱したらかかりつけ医で見てくれるかどうかだ。私のかかりつけ医はこじんまりした町医者で、とても患者の動線を分けることはできなさそうだ。

東京都のモニタリング会議の資料をみると、各地域や各医療機関において、地域の実情を踏まえて、院内感染を防止つつ、発熱患者の診療・検査を行う体制を検討していく必要があるとし、動線確保をしつつ、診療・検査を行う体制として想定される以下の4つのパターンが示されていた。

1)車の中で診療(ドライブスルー)型

2)野外(テント)

3)ひとつの診療所内で時間分離(例えば午前ー発熱以外患者、午後ー発熱患者)

4)複数の診療所で輪番制

東京は指定が比較的進んでいる方で、地方の方が手間取っているようだが、動線の確保が難しいのだろう。

しかし、ここで大事なことは地域医療をしっかりと守ることだ。動線の確保が不十分のまま受け入れて、その結果医療関係者がPCR検査で陽性になると、医療現場の同僚がすべて2週間の自宅待機になり、病院で誰も働けなってしまう。地域医療が大変なことになる。たとえば冬は脳卒中も多くなる。脳卒中で倒れたら、医療機関がなくなると他の医療機関で順番を待つことになり、間にあわなくなることもあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

歴史が面白い145

令和2年11月6日

  <11月6日>

すすきの営業縮小要請新型コロナウイルスの感染者増加を受け、北海道は7日にも、札幌市の花加害すすきのの飲食店などに営業縮小を要請する。期間は3週間程度を想定している。協力金を出して営業縮小を求めるのは新型コロナウイルス対策で全国初となる3度目。

道内では2日続けて新規感染者が100人を超えた。道は7日に新型コロナの対策本部会議を開き、鈴木直道知事と札幌市の秋元克広市長が共同で記者会見を開いて詳細を公表する。要請に応じた店舗に道と札幌市が支払う協力金の額は、1店あたり20万円程度を軸に調整しているとみられる。(日経新聞11月7日)

 

PCRキット ネットで販売。ドラックストア大手のココカラファインは6日、新型コロナウイルス感染の有無を確認するPCR検査キットをネットで販売すると発表した。購入者は唾液を採取し、判定サービスを提供する医療機関に送る。到着から最短3時間で検査結果がメールで通知される。コロナの終息が見えない中、病院を受診せずに自宅などでできる検査方法として一定の需要があると判断した。保険適用外となり、価格は税別1万5000円。(同)

 

発熱者の検査まずインフル新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、東京都は6日までに医療機関の発熱患者の検査フローをまとめた。最初にインフルの検査をし、陰性の場合に新型コロナを調べる。高齢者や子ども、基礎疾患のある人はインフルの結果にかかわらず新型コロナの検査をする。

簡易キットによる抗原検査も活用する。12月上旬までに1日最大約6万5千件を検査できるようにする。(同)

 

東京のコロナ入院数 高止まり。全国の3割の患者が集中する東京都では入院患者数が高止まりしている。3か月にわたり1千人程度が続き、医療現場は疲弊する。

「現場の病院は疲れ果てて、メンタルがやられる職員が出てきている」入院患者が高止まりしている現状について、東京都医師会の尾崎治夫会長は2日、面会した小池百合子知事にそう訴えた。

都内では緊急事態宣言下の5月12日に入院患者が1413人を記録。その後は減少傾向にあったが、7月24日に再び1千人を超えて以来、1710人をピークに900人を下らない状態が続き、6日時点でも978人に上る。

感染者にカウントされない「感染疑い」の人も都内全体で1日150人ほど受け入れており、同様の感染防止対策や個室での対応が必要なため、負担に拍車をかける。

入院患者数を抑えるため、都は無症状や軽症の人を対象に宿泊療養を促している。現在、ホテルなど9施設で計1910人の受け入れが可能。ただ、自治体に強制力がないこともあり、6日時点の利用者は275人どまりだ。

8月以降、薬でコントロールできる糖尿病患者や高血圧の人も宿泊施設で受け入れられると明示。当初は禁じていた食料や着替えの差し入れも、要望を受けて解禁。不評だった食事も野菜を増やしたり、ホテルのシェフに作ってもらったりと工夫を重ねている。

10月にはペットを同伴できる施設も開設した。(朝日新聞11月7日)

 

 

(コメント)

東京都の入院患者がここしばらく高止まりしており、現場が疲弊しているらしい。

単純に確保ベッド数にまでは余裕があるので医療崩壊は起きていないという認識では不十分とのことである。

 

東京都のモニタリング会議資料(11月5日)によると、国の病床全体の逼迫度度合いを示す、最大確保病床数(都は4000床)に占める入院患者数の割合は、11月4日時点で26.0%で、ステージⅢの25%を超えているが、ステージⅣの50%未満の数字となっている。ステージⅣは何かというと緊急事態宣言など全面的な対策を講じる必要がある段階ということになる。もちろん新規陽性者など他の5指標もあわせてみるのだが。また、同時点の確保病床数(都では2640床)に占める入院患者数の割合は、39.4%となっており、これもステージⅢである。

確保病床数というが、個々の病院の病床の集計であり、人手の問題など個々の病院の事情で実際には空いているから直ちに病院ですべては受け入れられるとは限らないらしい。こういうことやさらに感染拡大のスピードなども勘案し50%を超えると警戒モードに入るということだろう。

 

現場の疲弊という点では、コロナの患者は隔離する以外にも一般患者に比べ、手間がかかるということがあるという。陽性患者の入院と退院時には共に手続き、感染防御対策、検査、調整、消毒など、たとえ軽症者であっても、通常の患者より多くの人手、労力と時間が必要。

 

具体に見ていくとやはり現場は大変である。我々でできることは、財政的な支援である。先日の新聞記事で、病棟支援金がまだ27道府県で支給されていないという。(東京は支給されている)

せめてこれは早く支給してもらいたい。

 

 

歴史が面白い144

令和2年11月5日

  <11月5日>

国内感染 再び1000人超え。国内で5日、新たに確認された新型コロナウイルスの感染者が千人を超えた。千人超となるのは8月21日以来。都市部の東京や神奈川、大阪に加え、寒くなった北海道や東北でも増加が目立つ。気温の低下に伴って窓を閉め切った屋内で過ごす時間が増えていることが一因との見方もあり、換気の徹底などが求められている。

北海道は5日、過去最多となる119人の感染を確認した。10月の感染者数は千人超と月別で最多となっており、札幌の繁華街「ススキノ」を中心にクラスターが相次いで発生した。道内の担当者は「9月の3連休後に人出が増えたことに加え、朝晩冷え込むようになり、酒類を提供する飲食店などで換気回数が減った可能性がある」と分析する。

東北でも感染者の増加が目立つ。宮城県青森県では複数のクラスターが発生した。

インフルエンザとの同時流行が懸念される冬を前に、換気など感染症対策の徹底が課題となっている。(日本経済新聞11月6日)

 

病棟支援金 27道府県ゼロ新型コロナウイルス患者の専用病棟を持つ「重点医療機関」に交付される国の支援金について、交付を始めていない自治体が10月15日時点で27都道府県に上ることが、厚生労働省への取材でわかった。コロナ患者の治療を優先したために経営が悪化している医療機関に、今なお財政的な支援が十分に行き届いていない実態が浮き彫りになった。

重点医療機関は、コロナ患者を集中的に引き受けて専門的な医療を提供する施設で、都道府県が指定する。感染者の専用病床を確保しておく必要があるため、国は1床あたり最大で約30万円の「空床確保料」などを補助する制度を創設し、6月成立の第2次補正予算で4728億円を計上した。10月15日までに交付金が支払われたのは20都道府県の337か所に止まる。交付金の総額は予算の約4分の1の計1086億円。北海道、神奈川、兵庫、広島、福岡など27道府県は、交付金は「ゼロ」と回答した。

交付金の遅れの理由は、事務作業がずれ込んでいるためという。減収減益で経営が圧迫されており、一刻も早い交付を求める声が上がっている。(読売新聞11月6日)

 

欧州 再びコロナ規制。WHOの統計によると、今月1日までの過去7日間の新規感染者は欧州で約170万人に上り、世界全体の52%を占めた。欧州の増加率は前週と比べて24%増で、世界で最も高い。

新規感染者が連日2万人を超える英国では、首都ロンドンを含むイングランドで5日、生活必需品以外を扱う店の閉鎖や、飲食店の営業が持ち帰りに限定されるなど新たな規制が始まった。しかし、下院や国民の間では経済への悪影響を懸念する声や「規制疲れ」が広がる。(同)

 

重症者増 医療圧迫の恐れ。都は5日、専門家を交えた新型コロナウイルスのモニタリング会議を開き、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルについて、いずれも4段階で上から2番目に深刻なレベルを維持した。ともに2番目のレベルとなるのは9週連続。

都によると、5日までの1週間の平均新規感染者数は174.4人と前週(166人)からほぼ横ばいとなり、感染経路不明者数も大幅な増減は見られなかった。2日までの1週間に感染経路が特定できた人のうち家庭内での感染者が4割を占めるといい、会議では家庭内でも換気などの感染対策の必要性が指摘された。

一方、医療提供体制を巡っては、11月5日で重症患者数は38人で前週から9人増加している。専門家から重症患者が増加していることに対して懸念が示された。(同)

 

(コメント)

北海道の感染が急増しており、冬の到来に向けた先行例になりそうだ。

医療体制で問題は、重傷者の増加だ。東京では重症者は緩やかに増加してきている。東京の重症者は1週間で9人増え、11月5日現在38人だ。重症者病床は都全体で150床で準備できいるが、絶対数がそもそも小さいので患者が急増するとすぐに枯渇する水準だ。

都のモニタリング会議資料(11月5日)によると、重症患者では、陽性判明日から重症化までは平均5.6日で、重症患者における人工呼吸器の装着から離脱までの日数の中央値は7.0日ということで、感染から1週間弱して重症化し、人工呼吸器は1週間装着するということだ。つまり重症者数は新規感染者の増加から遅行して増加し、重症化すると重症者病床に中長期にわたり占有する。都の感染が急増すると150床はすぐに埋まる。これを都は8月に300床にする計画を立てた。

モニタリング会議での指摘のもう一つは感染経路である。80代以上をのぞく全世代で同居する人からの感染が最も多い。80代以上は施設での感染だ。

そして特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院等、重症化リスクの高い施設や訪問介護等においては、無症状や症状の乏しい職員を発端とした感染がみられているとのことである。

つまり構図として、職場や飲食店などで感染し、家庭に持ち込み、さらに無症状の職員として高齢者施設に感染を持ち込むことで、重症化リスクが高まっていくということが想定される。対策としては、無症状の施設職員のPCR検査だ。すでに一部の東京の区で始められている。ぜひ全部の区でも始めてもらいたい。

 

 

歴史が面白い143

令和2年11月4日

  <11月4日>

マスクせず乗車お断り国土交通省は4日、タクシーの乗客が正当な理由なくマスクを着用しない場合、乗車を拒否できるようにしたと発表した。他の乗客や運転手の新型コロナウイルスの感染予防策として、東京都内の10の事業者が国土交通省に申請していた。今後、全国に広がる可能性もある。

「日の丸交通」の9月の調査結果によると乗客の約2割がマスクを着けていない。

(読売新聞11月5日)

 

国内感染者 新たに624人新型コロナウイルスの国内の感染者は4日、624人が確認され、死者は全国で4人が確認された。感染者が最も多かったのは東京都の122人で、大阪府の85人、北海道の75人が続いた。

北海道ではクラスターの発生が相次いでおり、厚生労働省は専門家2人を現地に派遣した。

16人の感染が確認された沖縄県は、3日までの1週間の人口10万人あたりの新規感染者が12.22人で、33日連続で全国最多となった。(同)

 

(コメント)

北海道で感染が拡大している。そこでクラスターが発生し、専門家2人が派遣された。

第一波のときも北海道が先駆けて感染拡大が始まっており、全国的に感染爆発が始まるのか、懸念されるところだ。

10月29日の政府の感染症対策分科会では大都市の歓楽街における感染拡大防止策が議論されている。大都市の歓楽街が感染拡大の「急所」であり、そのエリアの拡大を早期に潰していくことが肝であるようだ。

分科会の分析によると、5大都市(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)の歓楽街からその周辺地域に感染が拡大していくという仮説でこれまでの感染状況を検証したところ札幌を除く4地区では因果関係が認められたという。ただ、札幌はクラスターは今までも発生しており、それの対策は必要となる。

札幌については、10月までの分析では人手の減少はみられず、陽性者数も減ってはいないが絶対数としての多くはないとされていた。陽性者数が増加した場合、例えば今は行っていない営業時間の短縮を行い、人手を減少させる必要があるかもしれない。他の大阪、名古屋、福岡はすでに営業時間の短縮を行い成果は出ている。

沖縄の感染が人口10万人あたり全国一で33日間続いている。沖縄の感染状況については、すでに分科会のほうで9月末から10月にかけ専門家チームが現地でヒアリングしている。(同時に新宿歌舞伎町にも別のチームがヒアリングしている。)そこで医療体制なども含め状況を確認しているが、ベットの確保や人的面(保健所、看護師)では全国からの支援などすでに始まっており、対策は継続しているようだ。

歴史が面白い142

令和2年11月3日

  <11月3日>

日本から渡航「陰性」義務。東京にある中国大使館は3日までに、日本から中国に渡航する全員に新型コロナウイルスのPCR検査と抗体検査の両方で陰性であることを義務付けると発表した。中国への直行便に乗る2日以内に指定された検査機関で両検査を受け、ともに陰性であることを証明して搭乗する必要がある。

日本からの渡航者には9月から72時間以内のPCR検査を求めていたが、入国時検査をさらに強化する。(日本経済新聞11月4日)

 

都内の感染者にカウント新型コロナウイルスの感染を唾液で判定する手法の普及に伴い、東京都内の医療機関に検体を送付して陽性と判明した地方在住者が都内での感染者としてカウントされるケースが増加している。感染症法上、都内の医療機関で陽性となった場合には都内の保健所に報告される仕組みが要因。10月20日から26日までの1週間では、都内の感染者系1084人のうち、こうした検査での陽性者は40人に上った。前週は10人だった。都のモニタリング会議では、都内の感染状況を分析する上で参考にできないため、この人数を除いて評価することになった。(同)

 

抗体薬開発 急ピッチ新型コロナウイルスの感染から回復した人の抗体を使った薬や治療の研究が進んでいる。新型コロナ克服の切り札となる可能性があるが、国内では研究に必要な回復者の血液を確保する仕組みが不十分だ。

新型コロナに感染した米トランプ大統領は10月、米製薬企業リジェネロンが開発する未承認の人工抗体を投与された。退院後効果を絶賛した。同社と米製薬企業イーライリリーは、FDAに開発中の人工抗体の緊急使用許可を申請した。米政府は生産体制の整備などで両社を支援し年末までに100万回分を確保する意向だ。

感染して回復した人の抗体は、新型コロナを標的にする。一般に副作用が少なく、抗体を人工合成する技術も整い、従来型の薬より短期間での開発が期待できる。ただ抗体は多種多様で、効きの鋭さが違う。治療の決定打となる人工抗体の開発には数年かかる見込みで、世界中の企業が有望な抗体の探索にしのぎを削る。

世界でもユニークな開発路線を採るのが福島県医大だ。東日本大震災の復興事業で開発した抗体探索の新技術を活用した。同大はIgAという種類の抗体に着目する。血液中だけでなく、新型コロナが感染する鼻やのどの粘膜にも分泌される抗体で、人工抗体になれば新型コロナの治療と予防の「二刀流」で使える可能性がある。人工抗体はがんなど様々な病気に対して世界で70種以上開発済みだが、IgA抗体の承認薬はない。

国立国際医療センターは抗体が含まれる回復者の血漿を400ミリリットルずつ採取し、中程度の症状の感染者に投与する血漿療法の臨床研究を始めた。これまでの提供者はのべ90人で、投与したのは4人。約60人に投与する計画だ。同センターの忽那賢志医長は「入院から3日以内に投与し、ウイルスの増殖を抑える効果を期待している」と話す。

武田薬品工業は欧米の企業などと共同で回復者の抗体を精製した「高度免疫グロブリン製剤」の開発を進めている。今後、日米など18か国で入院患者500人に投与する計画だ。

薬に適した抗体を見つけるには、回復者の血液の提供数が重要だ。しかし国内で十分な数を確保するのは難しい。

新型コロナの感染は高度な個人情報で、研究目的で保険所や医療機関の協力は得にくい。米国では企業が有償で血液を集め、研究者に販売する仕組みがあるが、日本では過去に売血が社会問題になり、血液法で血液を有償で採取することが禁じられている。福島県医大は都内などの医療機関に協力を仰いだが、集まった血液は約40人分で、米国から血液を輸入して補っている。(読売新聞11月4日)

 

(コメント)

新型コロナの治療薬で決め手となるものはまだないようだ。しかし第一波のときと違い、今はまったく手探りの状態ではないようだ。国立国際医療センターの忽那賢志医長によると、発症から1週間以内の初期には抗ウイルス作用のあるレムデシビル、過剰な炎症反応が起こっている発症後約7日以降には抗炎症作用のあるデキサメタゾンを使用するというのが今の標準治療となっているようだ。これにより日本の死者が大幅に減る要因の一つとなっている。

トランプ大統領に投与されて注目を浴びた人工抗体薬については、今開発は中止されているようだ。理由は重症患者には効果がなかったからということだ。

これも発症から初期は効果があるが、時間がたち重症化した患者には効果が期待できないという例だ。

日本の抗体薬の開発は福島県立大のほか、9月には名古屋大学国立病院機構名古屋医療センターの研究グループも新型コロナウイルスを捕まえ不活性にする「人工抗体」を作製しており、今後が期待されている。

治療薬もワクチン同様になかなか簡単にはいかない。

 

 

歴史が面白い141

令和2年11月2日

  <11月2日>

中国、コロナ再燃に厳戒。中国で新型コロナウイルスの再拡大に対する警戒感が強まっている。新疆ウイグル自治区で10月末に100人以上の集団感染が発覚し、上海などでは国内の移動制限を始めた。米国など感染が深刻な地域からの入国者に対して渡航前のPCR検査の厳格化も決めた。

新疆ウイグル自治区では工場の従業員が24日にPCR検査を受けたところ、感染が明らかになり周辺地域は封鎖された。濃厚接触者を対象に検査を実施したところ、新たに137人の感染者が発覚した。その後、工場がある地域を中心に約470万人が検査を受け、新疆ウイグル自治区では11月1日時点で既に280人の感染者が確認されている。

山東省青島市でも10月に病院の従業員など12人の集団感染が明らかとなった。病院を含む当該地区を封鎖。翌日には青島の全市民約1070万人を対象にPCR検査を実施し、いずれも全員の陰性が確認されたという。

上海や北京では新疆ウイグル自治区や青島の集団感染を受け、感染の発覚した地域から来た人の隔離とPCR検査を義務付ける方針を即座に発表した。

海外からの入国者に対しても厳格なルールを設けている。米国やドイツ、イタリアなどから入国する際には出発の48時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書が11月から必要となった。日本などには72時間以内の検査を義務付ける。

感染が深刻な地域からの入国はより厳しくなっている。入国後は当局の指定したホテルや自宅などで隔離され、原則14日間は外部との接触が禁止される。PCR検査も再度受ける必要がある。(日本経済新聞11月3日)

 

欧州10か国入院患者最多新型コロナウイルス感染拡大の勢いが欧州で加速する中、重症化する患者が増えている。東欧を中心に10か国で入院患者数が過去最多を更新した。病床が逼迫する国も出てきた。

ポーランドは入院患者が1万人を突破し、9月末比では4倍超に膨らんだ。国立競技場では臨時病院の設営作業が進む。ポーランド全土で臨時の病床を最大1万床確保する計画という。

英独仏などの欧州主要国は新型コロナウイルス感染による入院患者数が春のピーク時の水準には及んでないものの、拡大のペースが急速に早まっている。(同)

 

「若者から高齢者」欧米で傾向顕著新型コロナウイルスの感染が欧米を中心に再び拡大している。封じ込めに手間取る各国が分析を急ぐのが、20代などの若年層から広がる感染だ。欧米や日本では、高齢者の感染が増える1~2週間前に若者の感染者が増加する傾向を捉えた。当面の対策は若者の活動の機会を閉ざさず、重症になりやすい高齢者をいかに守るかが焦点となる。

「20~30代の感染者の増加は、60歳以上に比べて米国南部で平均8.7日先行していた」米疾病対策センターCDC)の研究チームは10月、新型コロナ感染者の動向に関する報告書を公表した。

欧州も同様の傾向だ。ドイツ政府の公表データでは、3月の第一波では20~50代の感染者がピークを迎えた1週間後に80代以上が後を追うように増えていた。7月以降に20代で再び感染が拡大し、9~10月にかけて高齢者にも感染が広がった。フランスも同様な傾向だ。

日本でも、7月前後から20代の感染者が増え始め、8月上旬にピークを迎えた。高齢者の感染者数は8月上旬から中旬にかけて同様の経過をたどった。(同)

 

 

(コメント)

中国の感染封じ込めが徹底している。感染発覚時の徹底した検査や該当地区全体の封鎖などなりふり構わない機敏な対応である。防止策として有効であるが、人権は無視されている。これは民主国家ではなかなかできないことである。欧州では感染爆発となり、追い込まれて都市封鎖に踏み切るとは大きな違いである。日本の場合まだ追い込まれていないが、総じて欧米より行き渡っている国民の自粛がコロナ対策ではかろうじて効いているのだろう。今後もクラスター対策を徹底し、隔離、検査、追跡という防止の鉄則が有効に機能することを期待したい。