歴史が面白い38

令和2年5月24日~5月27日

  <5月24日>

「超過死亡」200人以上か新型コロナウイルスの感染が拡大した2月中旬から3月までに肺炎などの死亡者が東京都内で200人以上増えた可能性がある。同じ時期にコロナ感染による死亡者数は16人。PCR検査で感染を確認されていないケースが潜み、把握漏れの恐れがある。

3月以降、感染が拡大した米ニューヨーク市は、死亡数をリアルタイムで把握する電子統計報告システムを開発した。市保健当局によると、WHOがパンデミックを宣言した3月11日から5月2日までの全死亡者数は3万2107人、過去5年と比べ2万4172人を超過死亡と推定。この間に1万8879人がコロナの感染を確認されており、残り5293人(22%)が「直接か間接的にパンデミック関係で死亡した可能性がある」と発表している。

欧米メディアは公開データに基づき、死亡数は新型コロナウイルスで死亡したと報告された数より5~6割程度多く、超過死亡があると分析している。

 

都内の新規感染14人。東京都は24日、新型コロナウイルスの新規感染者が14人確認されたと発表。都内の感染者は22日に3人、23日に2人と低水準が続いたが、3日ぶりに2桁になった。国は緊急事態宣言の解除の目安の一つとして、直近1週間の10万人あたりの感染者数を0.5人程度以下としている。日本経済新聞のまとめによると、都内での直近1週間で0.36人となった。

 

  <5月25日>

緊急事態 全面解除へ。政府は25日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言で、残る東京など5都道県を解除する。解除するのは北海道、東京、埼玉、千葉、神奈川の5都道県。新規感染者数が減少傾向にあり、医療提供体制の状況も改善したため31日の期限を待たずに解除に踏み切る。全国の移動解禁は6月19日から認める。

  緊急事態宣言を巡る経緯

  4月7日   7都道府県を対象に5月6日までの期限で発令

    16日  対象を全国47都道府県に拡大

  5月4日   期限を31日まで延長

    14日  39県で宣言を解除

    21日  関西の3府県を解除

    25日  首都圏など5都道県を解除

 

国産ワクチン 7月治験大阪大学発のバイオ企業アンジェス新型コロナウイルス臨床試験(治験)を7月から始める。動物実験の成果をなどを受けて厚労省医療機関などと治験前倒しについて協議している。有効性を確認できれば年内にも承認を受け実用化される可能性がある。

 

コロナ重症患者治療厚労省は25日、新型コロナウイルス感染症の重症患者を治療する病院への診療報酬を引き上げると決定した。4月に入院料を倍増したが26日から本来の3倍にする。重症患者を受け入れている病院は通常の3倍以上の人員を確保しており、倍増でも収支の悪化に歯止めがかかっていなかった。

 

ブラジルが米国を抜く。ブラジル政府は25日、新型コロナウイルスの新たな死者が807人だったと発表した。前日に1日の死者数で米国を抜き国別で世界最多となった。米国の1日あたりの死者は4月下旬の約2600人をピークに減少している。

 

  <5月26日>

アビガン承認 月内は見送り。加藤厚労相は26日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「アビガン」について「6月以降も臨床研究や治験を継続する」と述べた。「(中間解析した)第三者委員会から科学的な評価は時期尚早との考えが示された」とのべ承認できるほどの有効性はなお確認されていないとした。

 

WHO、日本対応は評価。WHOのテドロス事務局長は、日本はあらたな感染者数が大幅に減少し、死者も少ないとして「(ウイルスの封じ込めに)成功した」と評価した。

 

教員ら8万人増員。休校していた学校再開が本格化するに合わせ、政府は26日、教員や学校指導員ら8万人超を公立学校に増員する方針を固めた。休校中の学習の遅れを補うための授業を増やす一方、感染症対策で分散登校や「2部制」授業に取り組む学校が多く、教員が足りないとの声があがっていた。教員経験者や教員免許のない講師に臨時の免許を与えて教員として採用するほか、授業の補助などにあたる「学習指導員」として塾講師や大学生、NPO関係者らを活用する。

 

都内ジム、月内にも再開。東京都は26日、新型コロナウイルス対応にともなう休業要請や短縮営業の要請を巡り、緩和行程を3段階で示すロードマップで、スポーツジムを「ステップ2」、カラオケ店などを「ステップ3」に位置づける方針を明らかにした。都は22日に3段階のロードマップを策定し、26日から博物館や美術館、図書館などを対象とした「ステップ1」の緩和を実施。都は政府が25日に示した方針を踏まえロードマップを改定した。

 

  <5月27日>

9月入学見送りへ。学校の始業や入学時期を変える「9月入学」について、政府・与党は2020年度、2021年度の導入を見送る方針だ。

 

人工呼吸器 米から1000台。政府は新型コロナウイルス感染症が再拡大する「第2波」に備え、米政府から人工呼吸器を購入する調整に入った。7月までに1000台を輸入する計画だ。

 

(コメント)

9月入学見送りはよかった。提案があまりにも拙速であった。かつて議論に上がったというが、コロナで混乱している現場に一面だけをとらえて変えてしまうのは禍根を残す。とくに切り替え時の生徒の負担について十分考慮されていない。彼ら彼女らにも人権がある。このように注意しないと平時にはなかなか通らない案を危機時に通そうとする人たちがいる。彼らがいうのは「こういう話はこういう時でないと通らない」。これにはいろんな場合があり一概には言えないが今回は注意すべき話であった。