歴史が面白い45

令和2年6月22日~6月25日

  <6月22日>

病院経営、コロナが打撃新型コロナウイルス医療機関の経営に深刻な影響を与えている。院内感染への警戒から受診が落ち込んだほか、手術を一部休止するなどした結果、収入が急減しているためだ。厚労省医療機関の経営が厳しくなったことを受け、2020年度の第2次補正予算医療機関が受け取る診療報酬の前払いを盛り込んだ。本来5月分の診療に対する報酬は2カ月先の7月に振り込まれるが、一部を6月に前倒しする。医療機関は4月に患者が急減したため、6月に資金不足に陥る「6月危機」も懸念されていた。厚労省によると事前に申請した約1400の医療機関が、4月分の報酬に加え5月分の一部を6月22日までに受け取った。厚労省は7月ごろには独立行政法人福祉医療機構による無利子・無担保の緊急融資などが間に合うとみる。

 

観光地、週末の人出回復。19日に都道府県境をまたぐ移動が全面解除されてから初の週末を迎え、各地の観光地でにぎわいが戻りつつある。京都の観光地である清水寺周辺の21日の人出は1週間前と比べ57.8%増えた。軽井沢では同18.6%増、浅草では同14%増。

 

家賃給付は来月以降に。中小企業を救済する政府の新型コロナウイルス対策がもたついている。2020年度補正予算の主な事業のうち、旅行需要の喚起策は8月にずれ込む見通し。家賃給付も7月以降となる公算が大きく、いずれも業者への委託や制度設計で詰めの甘さを露呈、解消に一定の時間がかかっている。個人事業主らにはいつまでたってもお金が届かない状態が続くことになる。

 

「超過死亡」コロナ影響 検証。加藤厚労相は22日の参院決算委員会で、平年と比べて死亡数が増えたかどうか示す「超過死亡」を検証することを明らかにした。海外では週単位で全死亡数が公表されており、「超過死亡は感染者の死亡報告数より6割多い」などとする分析が出ている。

 

生観戦 来月10日から。ブロ野球とサッカーのJリーグが7月10日から観客を入れて公式戦をすることが決まった。収容人員の50%か、5千人の少ない方を上限とする政府の方針を目安に観客を入れていく。

 

  <6月23日>

コロナ再生医療へ治験ロート製薬は23日、新型コロナウイルスによる重症の肺炎患者を対象とした再生医療臨床試験(治験)を8月にも始めると発表した。重症の肺炎を治療する効果が期待できる「間葉系幹細胞」を投与する。まず2021年12月までに安全性や有効性を検証して、国内での新型コロナの肺炎患者における再生医療法の確率を急ぐ。新型コロナによる肺炎が重篤化すると、過剰な免疫反応によって自分の細胞を傷つけてしまう「サイトカインストーム」という現象が発生するという。間葉系幹細胞は体内に投与すると感部に集まり、炎症や過剰な免疫反応を抑える効果が期待されている。

 

ドイツ西部 都市封鎖。独西部のノルトライン・ウェストファーレン州政府は23日

 同州のギューターズロー郡を都市封鎖したと発表した。郡内の工場で新型コロナウイルスの集団感染が起き、流行が広がるのを防ぐ措置だ。同郡にある食肉工場では従業員1500人以上が新型コロナに感染し、先週までに全従業員7千人が隔離されていた。

 

空港検疫 感染者絶えず。空港検疫のPCR検査で新型コロナウイルスの感染確認が続いている。入国制限により検査対象は一日1千人程度にとどまるが、ほぼ連日新たな感染者が見つかっている。現在入国できるのは日本人のほか、早期に再入国の手続きをしたうえで日本を離れていた永住者や日本人の配偶者などに限られている。症状の有無にかかわらず全員がPCR検査を受ける。

 

  <6月24日>

IMFは24日改定した世界経済見通しで2020年の成長率をマイナス4.9%と予測し、4月時点から1.9ポイントさらに下方修正した。IMFは「世界経済は”大封鎖”に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」とした。大恐慌時は世界経済が17~18%も縮小した。

 

米 コロナ再拡大期。米国で新型コロナウイルスの感染が再拡大期に入った。経済回復を最優先し、外出規制の緩和などを急いだ結果、西部や南部で感染者が急増した。1人の感染者が何人にウイルスをうつしているかを示す「再生産数」は約半数の26州で拡大の目安である「1」を超えた。

 

専門家の助言 あり方課題。専門家会議のメンバーは24日記者会見し、「あたかも専門家会議が政策を決定しているような印象を与えた」とこれまでの対応を省み、「政府との関係性を明確にする必要がある」と提言した。

発足当初から政府とズレ。2月24日に発した「これから1、2週間が(感染)が急速に進むかどうかの瀬戸際となる」との見解は官邸側と事前調整がされていなかった。官邸側は「寝耳に水」との声が上がったが、「瀬戸際」との認識を受け入れ、足並みをそろえた。5月の連休以降に緊急事態宣言の対象を段階的に解除する場面にさしかかると、溝が目立つようになった。専門家会議は解除に慎重だったが、官邸は経済再開を急いだ。

 

都内、新たに55人感染。東京都で24日、新型コロナウイルスの感染者が新たに55人確認された。5月25日の緊急事態宣言解除以降最多で1日の感染者が50人を超えるのは5月5日以来。夜の繁華街での感染や、企業の職場でのクラスターが目立ってきている。

 

専門家会議廃止 新組織を設置。西村経財相は24日の記者会見で、新型コロナウイルスの専門家会議を廃止すると明らかにした。代わりに新型インフルエンザ対策閣僚会議のもとにある有識者会議に感染症の専門家らによる分科会を新設する。

 

  <6月25日>

派遣社員も在宅拡大。オフィスワークが前提だった派遣社員にも在宅勤務が広がっている。大手派遣会社では事務系の在宅勤務率は最大5割に高まった。

 

政府、コロナ新会議設立。新会議は月内にメンバーを選定する。感染症の専門家以外にリスクコミュニケーション(危機時の情報伝達)の専門家や自治体代表、経済学者、企業経営者、病院関係者など幅広く集める。新型インフルエンザ対策閣僚会議の下、特別措置法を根拠とする有識者会議の分科会として新設。曖昧だった責任や権限の範囲を明確にした。専門家会議は政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の下にあった。国内で感染が広がる前の2月、与党の公明党の要望を受けて急きょ設置した。特措法で規定した組織でなく、政府対策本部に「医学的な見地から助言する」という位置づけだった。新会議はワクチン接種の在り方など国民の関心が高い案件が山積する。混乱なく方針を伝えるためにも専門家の役割を明確にする必要があった。

 

(コメント)

専門家会議の位置づけが変わり政治主導になるという。コロナ対策は疫学的な面だけでなく経済面や歴史や文化面も含めた総合的な判断を必要とする。背反する面もあり、最終的には政治判断でしか決められない。振り返るとその時の判断が問題であったという場合は出てくるだろうが、結果は国民は受け止めなければならない。ただ、大事なことはそのときどのような選択肢があり、どう判断したかの記録をしっかり取っておくことである。それを公表することだ。個人としてはつらいこともあるだろうが、それがメンバーとして国民に対する責任である。