歴史が面白い47

令和2年7月1日

  <7月1日>

コロナ再拡大に警鐘。6月30日の新規感染者が最高を更新した米国では、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が、「1日10万人を超えても驚かない」と発言。WHOのテドロス事務局長も29日、「終息に近づいてさえいない」と対策強化を呼びかけた。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国の30日の1日あたりの新規感染者数(7日移動平均)は初めて4万人を超えた。ファウチ氏は「いくつかの地域で条件を満たさず、急いで経済活動を再開している。」と懸念を示し、慎重に行動制限などの緩和を進めていくよう求めた。米メディアによると、少なくとも17州が30日までに経済再開の中止や営業制限を決めた。各州が重視したのはPCR検査の陽性率とICU使用率だ。CDCが求めた陽性率は10%未満、ICU使用率は70%未満だ。(日経新聞7月2日)

 

コロナ禍で患者2割減。4月の患者の受診数が、前年比で2割減ったことが1日分かった。病院より診療所の落ち込みが顕著で、小児科などは4割減少した。(同)

 

EU渡航 全面緩和遠く。EUが域外からの渡航を受け入れる第1弾のグループとして日本など15の国を選んだ。7月1日以降、国境管理の権限を持つ加盟国がそれぞれ判断するため、対応がばらつく可能性がある。(同)

 

院内集団感染「対処甘かった」新型コロナウイルスの集団感染が起きた永寿総合病院(台東区)の湯浅医長が1日、都内で会見を開き、「地域の中核病院の役割を果たせない状況となり、多くの方々に大きな不安を与えてしまった」と話し、「コロナへの対処が甘かった」と述べた。最終的に入院患者109人、職員83人が感染し、このうち患者43人が死亡した。「予想外の広がりが明らかになり、陽性患者の隔離や職員の自宅待機など対応に追われた」と振り返り、「私どもの経験がこれからの備えに役立てばと思う」と語った。同院長によると、3月5日に発熱した入院患者を「誤嚥を繰り返していたので、そのための肺炎」と診断した。この患者は、厚労省クラスター対策班が集団感染の起点となったとみている一人。同19日には院内に発熱者が増えたため、翌日保健所へ集団感染のおそれがあると報告した。感染が拡大した原因として「院内に感染者がいることを常に想定しなければならないが、こうした認識が十分浸透していなかった」と説明。当時ウイルス検査の対象は、まん延地域からの帰国者や、感染者の濃厚接触者らが主だったことにも触れ「臨床的に必要と考えても迅速な診断ができず、拡大の一因となった」と指摘した。(同)

 

 (コメント)

永寿総合病院の会見は貴重な体験談を語り有意義なものである。この未知のウイルスとの遭遇は失敗から学ばないとわからない。大変勇気のある決断であり、これをつぎにつなげないといけない。現場は人も物も限られた中で運営されており余裕がない。行政が重点においている「当時ウイルス検査の対象は、まん延地域からの帰国者や、感染者の濃厚接触者らが主だったこと」以上のことはなかなかできない。病院の院内感染がいかに現場の医療崩壊につながるのか、今後の貴重な判断材料となった。