令和2年8月16日と官邸 非常事態「2」
<8月16日>
新聞休刊日でとくになし
<<コロナの時代(朝日新聞7月14日)>>
官邸 非常事態「2」
新型コロナをめぐる動き(1月16日~2月15日)
1月16日 国内で初めて感染者を確認したと発表
20日 通常国会開会。施政方針で「コロナ」言及なし
中国湖北省に滞在歴がある外国人の入国拒否を開始
3日 ダイヤモンド・プリンセス(DP)号が横浜港入港
5日 DP号で10人感染。乗客乗員の船内待機を決定
8日 中国・武漢市滞在の日本人男性が死亡。日本人初の死者
10日 加藤勝信厚生労働相がDP号乗船者の全員検査の意向表明
11日 世界保健機関が新型コロナを「COVID-’19」と命名
13日 神奈川県の80代女性が死亡。日本国内初の死者
15日 1月の東京都の屋形船での新年会で集団感染が判明
和歌山県の病院で院内感染が確認される。国内初
1月16日、新型コロナウイルスの初めての感染者が国内で確認されたと公表される。その4日後の20日、国会での施政方針演説で安倍首相からは「コロナ」という言葉はなかった。当時、複数の政権幹部が取材に対して、「インフルエンザと同じだから、大したことはない」と口をそろえた。
その傾向は国会審議でも見られた。WHOが緊急事態宣言を出した1月31日の参院予算委員会。新型コロナを感染症法の「指定感染症」に指定した政府に対して、国民民主党の矢田議員はより強い措置が講じられる「新感染症」への指定を求めた。加藤厚労相は「まん延により国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの。まあ、それ以外も書いてありますが、それには現時点では該当しない」と答弁。1月時点では、緊急事態宣言を発することも想定していなかった。
しかし、政府の楽観論を一隻の船が打ち砕く。乗客に感染者が確認された後、横浜港に停泊していた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の船内で集団感染が発生したのだ。
2月4日夜、菅官房長官は加藤厚労相から内々に、最初に検査結果が出た31人のうち約3分の1にあたる10人の感染が確認されたことを知らされた。5日未明、都内のホテルに菅氏、加藤氏、赤羽国土交通相らが集まり協議した。菅氏の提案により、船外への感染拡大を防ぐために14日間程度、船内に待機してもらうことになった。
しかし、クルーズ船での感染者は増加の一途をたどり、集団感染に発展した。政府の対応への国内外からの批判は日に日に高まっていった。
船内に入った感染症専門の岩田健太郎・神戸大学教授は、ユーチューブに船内の状況を説明する動画を公開し、「どこにウイルスがいるのかわからない状態」「心の底からこわいと思いました」と述べた。米メディアは専門家の見方として「船内で感染を広げているという証拠が山のようにある」などと伝えた。
厚労省によると、7月12日時点のクルーズ船の感染者は712人にのぼり、13人の死者が出ている。
クルーズ船への対応が批判を浴びたことを契機に、主導した菅氏の発言力低下が指摘されるようになる。