歴史は面白い101

令和2年9月23日

  <9月23日>

コロナ対策へ作業部会菅内閣新型コロナウイルス対策を官邸主導で取り組む。首相直轄で置く省庁横断の作業部会が検査や医療体制の拡充、経済活動との両立などの司令塔を担う。作業部会のトップは杉田和博官房副長官が務める。省庁間の調整は杉田氏と和泉洋人首相補佐官が中心となる。感染を調べるPCR検査や医療体制の拡充は厚労省だけでなく大学病院を所管する文部科学省、保健所を持つ地方自治体を担う総務省なども含めて調整する必要があった。(日本経済新聞9月24日)

 

4連休 人出回復。2月以降客足が落ち込んでいた全国の観光地に19~22日の4連休、にぎわいが戻った。京都や金沢市の人気エリアの人出はコロナ以降最高で、東京都心も前年の9割まで回復した。一方、専門家は感染リスクの高まりを懸念する。(同)

 

コロナ下の五輪へ着々。来年夏に延期された東京五輪パラリンピックに向け、政府が全世界からの新規入国の受け入れ再開に動き出した。23日に新型コロナウイルス対策会議を開き、陰性証明の取得などを条件に選手らの入国を認める方針を示した。政府は五輪に参加する海外選手らは入国後の待機を免除し、練習や調整に時間を充てられるようにする案を示した。代わりに選手村やホテル、競技会場以外は訪問しないよう求める。国内での行き先や移動手段を記した活動計画書と誓約書の提出を求め、守らなければ出場停止も検討する。こうした措置は東京大会に関連した国内での国際大会への出場時にも適用する。(同)

 

アビガン申請、来月にも富士フィルムホールディングスは23日、10月にも新型コロナウイルスの治療薬として、アビガンの製造販売の承認を厚労省に申請すると発表した。臨床試験でアビガンを投与することで症状が早期に改善することを確認した。厚労省は早ければ年内に承認する可能性がある。(同)

 

感染症拡大世界で再規制新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、世界で営業規制など対策を再強化する動きが広がっている。フランスは23日にもパリでの集会の制限などを発表する見通し。英国は22日、飲食店の深夜営業を認めないと発表した。経済への影響が大きい都市封鎖は避けるが、日本と違い世界では罰金を科してマスク着用や外出制限を守らせる例が主流だ。(同)

 

感染爆発の欧州 制限再び新型コロナウイルスの感染爆発が再度起きているフランスや英国、スペインで、行動や営業の制限を再び導入している。不十分な検査態勢などに市民の不満も高まっており、「第2波」の封じ込めができていないとして、「2度目の失敗だ」と政府が批判を浴びている。検査能力の低さが批判されていたフランスではマクロン大統領が4月「すべての国民が検査を受けるのは意味がない」と主張。7月に撤回し「症状がなくとも、すべての人が受けられるようにする」と宣言した。だが、9月になってもパリなどでは検査予約は2~3週間待ち。予約不要の検査機関には、数時間待ちの行列ができている。検査結果が出るまでにも1週間以上かかる。仏政府は半年前には、備蓄を怠ってマスク不足を招いたと批判されながら、「着用は無意味だ」と主張して国民の反発を招いた経緯がある。検査態勢が整わない現状に、仏ロピニオン紙は「2度目の失敗だ」と批判した。今月の世論調査では6%の市民が政府の対応に不信感を抱いている。英国でも検査を受けられない市民が続出。野党・労働党のスターマー党首は22日「政府は7月に専門家から『冬に備えて検査能力を拡充する必要がある』と警告されていたのに聞き入れなかった」と批判。「2度目の全国的なロックダウンをするなら、それは政府の失策のせいだ」と指摘した。(朝日新聞9月24日)

 

解雇・雇止め 6万人新型コロナウイルスの感染拡大に関連した解雇や雇止めの人数が初めて6万人を超えた。厚労省によると23日時点で6万439人に達した。2万5千人超が非正規労働者という。業種別では製造業が9千人超で最も多く、宿泊業や小売業、飲食業がそれぞれ7千人を上回った。労働者派遣業は4千人程度だった。(日本経済新聞9月24日)

 

J&Jワクチン最終治験。米日用品・製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンは23日、開発中の新型コロナウイルスワクチン候補について最終段階の臨床試験を開始したと発表した。予定通り進めば年内にも結果が判明する。最終段階に入ったのは、モデルナ、ファイザーアストラゼネカに続く4例目。開発と並行して量産準備も進めており、2021年中に世界に10億回分を供給する。 (同)

 

(コメント)

政府のコロナ対策で作業部会が一新されたとのこと。省庁の縦割りを打破し、コロナ鎮圧に一丸となってもらいたい。PCR検査については、フランスも英国も十分ではないと国内で批判されているとのこと。日本より圧倒的に検査件数が多いのに首をかしげるが、検査対象を無症状者にも広げているからだ。日本では症状がある人が保健所や病院なりに行ったときに検査をするという前提があるからだ。もちろん、一部の自治体では疑わしいエリアの無症状者にもPCR検査をし陽性者を確認しているが例外である。

  • 東京大学先端科学技術センター名誉教授児玉龍彦氏によると、世田谷区の街中の患者を調べると、軽症または無症状の人が多いが30%の人が抗体陰性なのである。新型コロナウイルスにもかかわらず、部分的な免疫反応しか示さない患者が意外に多く、その人たちは、免疫反応がゆっくり起こり、あまり重症化しないという。こういう人は、PCR検査ではウイルスの存在が確認され、しかもウイルス量は症状のある人と変わらないレベルの人もいる。これは何を意味するか。それは、無症状で抗体も持っていなくとも、ウイルスを排出し続ける人が一定数いるということだ。自宅療養をしているうちに一家全員が感染してしまう例が多数出てきているのは、抗体を持たない、こうしたウイルススプレッダーがいるためであるという。    

つまり、無症状者のうちウイルスを大量に持ち周囲にまき散らす人からどう防御するか、これが感染を抑えるポイントになる。

マスクを全員つけるは有効な対策である。これが徹底されている日本の感染レベルが欧米に比べて低い理由ではないか。しかし、マスクを外さざるを得ない場面もある。マスクが対策として万能ではないので、検査による隔離が必要となる。全員に検査をするのは適切ではない理由に、偽陰性がある。何割のオーダーで感染しているのに検査で陰性になりこれが問題とされる。擬陽性は低いといわれているので、ウイルスを大量にまき散らす人は検査できる。「感染していない」のお墨付きに使わないということにすれば

できない理由にはならない。費用と物理的な制約があるので、国民全員に検査は無理であろう。しかし、エリアなり業種なり限定的にその構成員全員に検査することは有効な対策になるのではないか。そのためには、検査能力の一層の拡大は大事であり、その対象は症状のある人までで十分とはいえない、としなければならない。