歴史が面白い102

令和2年9月24日

  <9月24日>

唾液を使ったPCR検査ソフトバンクグループは24日、新型コロナウイルスの感染の有無を判断するPCR検査の受付を始めた。価格は配送料を除いて1回2000円と、自費診断の相場の10分の1程度と低く抑えた。千葉県市川市国立国際医療研究センター国府台病院内で検査をする。1日4000件程度の能力を年内に1万件まで増やす。唾液で判断できる装置を導入し、発熱など症状がない人の検査も引き受ける。まず、法人や自治体向けに始める。法人などから検査キットを返送してもらい判定する仕組みだ。

日本全体ではいまPCR検査能力は1日7万件弱だ。米国は50万件、英国は30万件。米国は薬剤師が薬局などで検査することを認め、英国は個人が自宅で検体を採取することを認めた。フランスも個人が検査キットを買って医療機関に送付すれば結果が得られる。

医師の診断を経ないため、「陰性証明書」は発行できない。判定も「陽性の疑い」までで、そうした結果が出れば改めて医療機関で検査が必要だ。孫正義会長兼社長は「あくまでスクリーニング(暫定的な検査)で医療行為ではない」と説明する。

日本では患者から血液や粘膜を採取する検体採取は、医療法が定める「医療行為」になる。原則として医師とその指示に従う看護師、臨床検査技師ができる行為だ。新型コロナウイルス禍では、歯科医師も採取できる特例を設けたが担い手は増えていない。

 

孫氏は「この会社が1日でもはやく解散できることを願っている。コロナ感染がおさまってくれば、この会社の目的は終わる」と、コロナ禍が収束したのちは子会社を解散し、事業を終了する意向を示した。多数の利用者を思い切った低価格で一気に獲得し採算を維持する「ソフトバンク流」の手法をPCR検査にも持ち込んだ形だ。(日本経済新聞9月25日)

 

欧州景気に「二番底」不安。欧州景気に「二番底」の不安が募っている。ユーロ圏では9月の企業景況感指数が2カ月続けて失速し、足踏みが鮮明になった。新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、飲食や観光などのサービス業への影響が広がっている。雇用悪化も懸念され、景気回復への楽観論は陰ってきた。(同)

 

東京・大阪の感染 注視新型コロナウイルス対策を助言する厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」は24日の会合で新規感染者数について分析し、「減少傾向に鈍化がみられる。特に東京都や大阪府は感染動向に注意が必要」との見解を示した。8月最終週以降、1人の感染者が何人に感染させたかを示す実効再生産数が1前後で推移していると指摘。(同)

 

一斉休校 政府に「お墨付き」与えず。4月16日に開かれた新型コロナウイルス感染症に関する政府の基本的対処方針等諮問委員会で、学校の全国一斉休校について専門家の「お墨付き」を得ようとした政府提案が委員の反対を受けて撤回されていた。内閣官房が公開した議事録で明らかになった。(朝日新聞9月25日)

 

(コメント)

朝日新聞(9月25日)によるとニューヨークが空洞化の危機に瀕しているという。コロナの感染は一時は1日あたり1700人超の新規感染者が最近は10~20人。検査の陽性率も1%と感染は抑え込んでいる。しかし人が戻らない。金融やメディア・娯楽産業の世界的中心地はこのまま沈み込んでいくのか、という。

感染が広がる米国内約30州からの旅行客に2週間の隔離を義務付け、人の流入を制限していることもあるが、NYに拠点を置く大企業経営者らの団体によると、8月半ばまでにオフィス勤務に戻った従業員は8%。今年末でも26%にとどまる見込みだ。治安も悪くなっているという。

日本と違って広大な大地がある米国。それなのに狭い土地に人が密集し、そこで情報を交換し、金融や経済の世界的な中心となったニューヨーク市に、大きな変革の波が押し寄せてきた感がある。今回のコロナ禍は3密対策にもあるように、まさに人の密集が狙われている。今までの世の中であれば、おそらく世界一効率的な街であったニューヨーク。そこが、まさに一番打撃を被っている。今回のコロナのようなウイルスはまだまだほかにも世に知られず眠っているという。ウイルスとの戦いは続く。それはウイルスとの共生であるならば、今のような都市そのもののあり方を、変えていかなければならないのかもしれない。これは東京なども同じである。