歴史が面白い148

令和2年11月9日

  <11月9日>

感染拡大の恐れ。政府の新型コロナウイルス感染症分科会が9日、北海道などでの感染拡大を受け、感染防止策の徹底を改めて求める緊急提言をまとめた。分科会は、様々な規制が緩和されるなど社会経済活動が徐々に再開する中、適切な感染防止策がとられなければ「急速な感染拡大に至る可能性が高い」と警告。防止策の徹底を訴えた。

具体的には一部の外国人コミュニティーや大学生の課外活動といった「見つかりにくいクラスター」への対策を強化することや、3密の回避についての情報発信を工夫することを求めた。(日本経済新聞11月10日)

 

ワクチン効果 9割超。米製薬大手のファイザーは9日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンの治験で予防の有効性が90%を超えたとする初期データを発表した。同社は11月中にも米食品医薬品局(FDA)にワクチンの承認を申請するとみられる。

ファイザーによると、独ビオンテックと共同開発中のワクチンの治験に参加した人を調べたところ、9割以上の対象者に予防の効果が生じたという。引き続き副作用が無いかなどの安全性を確認しており、データかせ集まり次第FDAに緊急使用許可の承認を申請する。

ファイザーは規制当局の承認が得られれば、年内に世界で最大5000万回分(2500万人分)、21年末までに最大13億回分のワクチンを製造する計画だ。日本政府は同社から1億2000万回分のワクチンの供給を受けることで基本合意している。(同)

 

ダウ急騰 最高値。9日の米ニユーヨーク株式市場は、米ファイザーの発表を受け、ダウ工業株平均が急騰して始まった。前週末終値(2万8323.4ドル)からの上げ幅は一時1600ドルを超え、2月につけた過去最高値を9か月ぶりに上回った。(朝日新聞11月10日)

 

北海道感染 初の200人。北海道は9日、新たな新型コロナウイルスの感染者が200人確認された。1日の感染者が200人台になったのは初めてで道内の感染者は計4198人になった。

道は新型コロナウイルスの患者向けに最大1811床の病床を確保。受け入れ余地はあるが、多くの病床を新型コロナの対応に充てれば、他の治療を必要とする患者の手術や入院に支障が出る恐れがあり、道や札幌市の警戒感は強い。ホテルなどの宿泊療養施設の入所者は8日時点で453人。最大670人が入所できる体制を整えているが、定員を超える懸念もあり予断を許さない状況が続いている。(日本経済新聞11月10日)

 

コロナ禍の企業へ1兆円みずほ銀行の藤原弘治頭取は朝日新聞の取材に応じ、新型コロナウイルスの影響に苦しむ企業などに向けに、資本を厚くするための資金拠出を1兆円規模で検討していると明らかにした。融資の一部が資本とみなされる劣後ローンや、議決権のない優先株などとして出す。実施済みも含めて約40件を想定。(朝日新聞11月10日)

 

来月イベント緩和「困難」。政府の新型コロナウイルス感染症対応を担う西村経済再生相は9日の会見で、各地での感染者数の増加傾向を受け、現在のイベントの制限を12月から緩和するのは困難との認識を示した。(同)

 

GO TOの除外 現時点で考えず。西村経済再生相は9日の記者会見で、「GO TO トラベル」の対象から北海道を除外する可能性について、感染状況などから「現時点で除外することは考えていない」との考えをのべた。(同)

 

コロナ失職7万人新型コロナウイルスの影響による解雇や雇止めが6日の時点で7万242人となり、7万人を超えたことを厚生労働省が9日、明らかにした。増加ペースはやや鈍化したが、雇用への打撃が続いている。製造業が最も多く、飲食業、小売業が続く。(同)

 

 

(コメント)

ワクチンの開発が進み、株価もその期待から暴騰した。

今回のファイザーの開発しているワクチンはRMAワクチンと呼ばれているものだ。それは新型コロナウイルスの遺伝子コード(RNA)を採取し、細胞内に容易に入るように脂質に封入し、注射で投与する。この方法は、狂犬病HIV、ジカ熱といったほかのいくつかのウイルス性疾患に対するワクチンで臨床試験に入っているが、実用化されてはいない。

開発を急がされているので、それなりの手順は踏むはずであろうが、副作用は懸念される。今回成功すれば、普通10年程度かかるワクチン開発を1年程度で提供するということになる。従来のインフルエンザのワクチンで用いられたアプローチでなく、遺伝子を用いる方法は開発のスピードが違うとしても、時間を短縮すれば当然リスクは高くなるはずだ。

たくさんの人に接種するワクチンは、副作用は必ず起きるということは覚悟しなければならないが、その程度、規模が問題であろう。

海外で承認されても、日本人の体にも合うかなど慎重に判断して導入してもらいたい。