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令和3年1月11日

  <1月11日>

関西3府県 あすにも決定。政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪、兵庫、京都の3府県への緊急事態宣言発令を13日にも決定する調整に入った。医療提供体制の逼迫状況などを踏まえ、3府県の知事が9日に政府に発令を要請していた。発令されれば首都圏の1都3県から7都府県へ拡大する。(日本経済新聞1月12日)

 

「緊急事態」効果どこまで。首都圏に続き、関西3府県にも緊急事態宣言が再び発令される見通しとなった。ただ、首都圏では2度目の宣言後で初の週末を迎えた9~11日、各地の行楽地で一定のにぎわいがみられ、昨年春の宣言時のような人出の減少には至っていない。経済活動との両立のため、飲食店での感染防止などに重点を置いた分、宣言の実効性には限界もつきまとう。

今回の宣言は居酒屋など飲食店での感染防止に重きを置く。国際医療福祉大の和田耕治教授は「これだけ感染者が増えると、居酒屋だけでなく他の場面でも感染を抑えないと拡大は止まらない。市民に接触機会を減らすことをいま一度考えてほしい」と話す。(同)

 

中国、14日受け入れで合意。中国の国家衛生健康委員会は11日、新型コロナウイルスの発生源を巡り調べるWHOの調査団が14日から中国入りすると発表した。(同)

 

コロナ感染9000万人超。米ジョンズ・ホプキンス大は10日、世界の新型コロナウイルスの累計感染者数が同日に9000万人を突破したことを明らかにした。(同)

 

「在宅勤務定着を」56%日本経済新聞社が2020年秋に実施した郵送世論調査で、在宅勤務を「定着させるべきだ」と答えた人は56%に上った。新型コロナウイルスを契機とする働き方の意識変化が現れた。コロナ下では管理職が労働時間増になりやすい傾向も浮かび上がった。政府や企業はしわ寄せを受けやすい層への目配りが必要となる。(同)

 

人工呼吸器使えない例も。国内の新型コロナウイルスによる死者数が、かつてない勢いで増えている。9日にはダイヤモンド・プリンセスの乗客者も含め、4千人を突破。いまのペースが続けば、今月中には5千人に達する。東京などの都市部では重症者の受け入れも難しくなりつつあり、治療の優先順位を決める「トリアージ」が始まっている現状がある。

重症者の病床が逼迫する中、地域によっては人工呼吸器を使った治療が選択できない患者も出てきている。都内では今月5日時点で、人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使っている「重症患者」は111人。だが、関係者によると、そのほかに、亡くなるおそれがありながらこうした積極的な治療をする予定のない人が、同日時点で75人いたという。日々公表される「重症患者数」以上に、医療現場の負荷は増している。もうすぐ呼吸器が必要となりそうだったり、呼吸器から脱したものの予断を許さない状態だったりする人たちも約170人いた。(朝日新聞1月12日)

 

「治療の選別」始まった都市部新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、医療機関の病床の逼迫の度合いは日に日に厳しさを増している。入院が必要な人を受け入れることが難しくなり、人工呼吸器をめぐる治療の選別が始まっている地域もある。専門家は、今後さらに死者が増えるペースが速まると懸念している。

「薬物治療をしても回復しない場合、人工呼吸器をつけないまま、『最期のとき』を待っている人もいる」新型コロナに感染した重症患者らを診る埼玉医大総合医療センターの感染症内科医、岡秀昭教授はこう話す。人工呼吸器を使うために必要なスタッフ数が十分にいないため、これ以上の受け入れが難しい。「症状が悪化した高齢者の転院を受け入れる段階で、そこまでの治療を希望しないという意思を表明している人を受け入れている。もう、そういうトリアージは現場でおこなわれている」と話す。

大阪府でも昨年10月10日~12月23日の死者281人のうち、77%が人工呼吸器やICUで治療を受ける「重症」を経ずに亡くなっていた。

「すでに新型コロナの重症医療に関しては、破綻している。これまで報告されていたよりも致死率が大幅に上がる可能性もある」

感染すると重症化しやすい高齢者や持病のある人ですら、入院先が見つからないーそんな現実がすでに起きている。(同)

 

(コメント)

医療現場が逼迫し、治療の選別(トリアージ)が始まっているという。

限られた人工呼吸器であれば当然そういう場面が、逼迫した状況では出てくるだろう。現場ではつけた人工呼吸器を外してほかの人につけることまではしていないが、つける段階では選別はされているようだ。

したがって今の日本では重症でも診てもらえなくて、自宅待機になる。

また転院するときに転院の条件でつけてもらえないこともあるという。

 

東京都杉並区の田中良区長は8日、コロナのトリアージガイドライン策定を東京都に要望した。人工呼吸器の装着などのガイドラインらしい。

これからさらに感染拡大すると現場で判断せざるを得ない場面も多くなる。何もしなければ、判断を現場に丸投げになる。現場の医師は苦しい判断をせざるを得ないことになる。今頃議論かと思うが、これは受けた東京都にとっても重いものだ。