歴史が面白い154

令和2年11月15日

  <11月15日>

感染1440人新型コロナウイルスの国内感染者は15日午後10時時点で、新たに1440人が確認された。大阪と東京、北海道でいずれも200人を上回り、一日当たり全国の感染者は6日連続で1千人を超えた。

最多は大阪府で、6日連続で200人を超える266人が確認された。北海道は209人で、4日連続で200人を超えた。東京都は255人、神奈川県は114人、愛知県は102人と都市部での感染者が高止まりしている。重症者数は大阪府が前日から4人増の66人、東京都は都の基準で前日から3人減の38人。(朝日新聞11月16日)

 

マイクロ波、コロナ分解神戸大学のスタートアップのインテグラル・ジオメトリー・サイエンス(IGS)は電磁波の一種である「マイクロ波」を使い新型コロナウイルスを分解する技術を開発した。超高温のプラズマを発生させウイルスを破壊する。従来のプラズマ技術を使った製品と比べ、消費電力は約50分の1になるという。空気清浄機などに応用する。2022年に家庭向け空気清浄機として製品化する計画で、価格は10万円程度の見通し。(日本経済新聞11月16日)

 

ばらつく対策 米感染に拍車。米国に新型コロナウイルスの感染拡大に拍車がかかってきた。1日当たり新規感染者は14日が16万6555人。傾向を示す7日移動平均では14日時点で14万人超と最多を更新した。外出制限などの対策は地域でばらつき、全米規模での抑止を妨げている。ロックダウンなど厳しい措置に踏み切った欧州との違いが鮮明になっている。

中西部ミネソタ州で集中治療室(ICU)の使用率が9割を超えるなど、医療現場の負担が高まっている。

中西部や南部を中心とした28州では直近1週間の1日当たり死者数が最多になった。それでも、外出や営業などの制限を設けていない州は多い。(同)

 

学校・職場にアバターロボ。学校や職場でアバター(分身)ロボットの活用が広がり始めた。自宅から授業に参加したり、遠隔でビルの見回りをしたり。新型コロナウイルスの感染予防でロボットが普及するなか、アバターなら病気を抱える人の社会進出や人手不足などの課題解決につながる。高速通信規格「5G」を追い風にテレワークに続く次世代コミュニケーションとして定着するか。

アイプレゼンス(神戸市)が実施した米ザンデックスのロボット「Kubi」を使った体験授業。授業はインターネットで中継する。教室の前方には頭部にタブレット端末を備えた卓上ロボットが置かれている。生徒は遠隔でタッチパネルを操作すると、頭部が動き、黒板など見たい場所にカメラを調節できる。休憩時間にはロボットを通じて友人と談笑しながら弁当を食べた。Kubiは米国でコロナ下でオンライン授業で使われており、稼働台数は世界で数千台。(同)

 

 

(コメント)

日本でも米国でも感染が止まらない。そういう中で新しい技術が次々と出現しているのは喜ばしいことだ。日本ではプラズマを使った家庭用空気清浄機だ。2022年に手の届く値段で市場に出るという。すでにウシオ電機による紫外線を使ったウイルスを不活性化する装置などが開発されているが、生活の場向けにも次々と製品化が進んでいる。

アバターを使った授業など米国ではすでに多数の現場で使われているという。アバターは映画の世界と思っていたが現実になってきているのは驚きだ。欧州のように感染対策は進んでいない米国ではあるが、感染も気にせず経済を回しながらコロナと対峙していく構えが垣間見えるようだ。

歴史が面白い153

令和2年11月14日

  <11月14日>

感染1715人 3日連続最多新型コロナウイルス感染の「第3波」が鮮明になってきた。国内で14日午後9時までに新たに確認された感染者は1715人となり、3日連続で過去最多を更新。大阪、神奈川、千葉、茨城、静岡の5府県は1日当たりの感染者数が過去最多となるなど、都市部を中心に感染拡大が深刻化している。(日本経済新聞11月15日)

 

福祉施設で検査拡充。各地の自治体が福祉施設などを対象に、無症状でも新型コロナウイルスの感染状況を調べる検査を拡充している。

10日は札幌市内の特別養護老人ホームで入所者と職員で計50人以上が感染するクラスターが生じた。厚生労働省は感染が拡大している地域では、職員や入所者を対象に幅広く公費で検査できるとしている。

神戸市は11月中に、介護施設や障害者施設の職員を対象に新型コロナ感染の有無を調べるPCR検査を始める。

広島県も11月、介護施設などの職員向けに月1回の抗原検査を始めた。

こうした検査を巡っては、東京都世田谷区が先行地域として知られる。10月から介護施設保育所など1000以上の施設に勤務する約2万6000人を対象に、体調や感染の疑いの有無にかかわらずPCR検査をする事業を進めている。(同)

 

未知の病原体82万種新型コロナウイルスのように動物から人に感染する「人獣共通感染症」の危険性を指摘する報告書が公表された。人に感染する可能性のある未知のウイルスが哺乳類や鳥類に最大82万種あり、野生動物の取引や農業の拡大などが感染症の発生を促す要因になるという。

報告書は、各国の科学者が参加する政府間組織「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」が10月にまとめた。

人獣共通感染症はこれまでに200種類以上が確認されていて、人の感染症の6割が人獣共通感染症だという。近年パンデミックが起きたインフルエンザやSARS、MERS、新型コロナは人獣共通感染症だ。毎年5つ以上の新しい人獣共通感染症が発生しているという。

経済損失は深刻だ。新型コロナによる損失は7月までで推定8兆~16兆ドルに達するという。

感染症が増える要因には経済活動による開発がある。報告書は農業や野生生物の取引の増加などを指摘した。世界の野生生物の取引額は過去15年間で5倍以上になったという。(同)

 

 

(コメント)

感染拡大が止まらない。3日連続で過去最多となった。世界中で感染は拡大している。

最低でも2年は続くではないかという話がいろいろのところから出てきた。

今はまさにパンデミックの真っただ中で悲観的な話であふれている。この嵐が過ぎるまで当面じっとしておればいいのか、ということでもないらしい。

今回のようなウイルスはたまたま出てきたものではなく、その予備軍である未知の人獣共通感染症は82万種もあるそうだ。そして毎年5つ以上の人獣共通感染症が発生しているという。要因は経済活動による自然への介入だ。しかしこれは止められない。発展途上国を中心とした人口の増大が見込まれており、その人たちを食べさせていくには経済のパイの拡大は必然となる。

したがって、これからもこのようなパンデミックは起こる。日本の台風のように毎年とはいわないが、定期的にやってくる、という前提で世の中を変えていかなければいけない。当面じっと嵐が過ぎるのを耐え忍ぶでは済まないのだ。

それには世の中をパンデミックに強い社会に変えていく。中長期的な対応に手掛けていくことで、医療・健康をひとつの成長産業として育成していくぐらいにしてもいい。今回のパンデミックに正面から対峙していくような気構えが必要だ。

 

 

歴史が面白い152

令和2年11月13日

  <11月13日>

「第3波」家庭内感染多く。国内で13日、新型コロナウイルスの新規感染者数が2日連続で過去最多を更新した。夜の繁華街を中心に若者の間で感染が広がった今夏と異なり、現在の「第3波」は家庭内での感染や60代以上の高齢者の感染が目立つ。封じ込めるのは容易ではなく、一人ひとりの感染対策がカギを握る。(日本経済新聞11月14日)

 

外国人に情報提供 重要に新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか、各地で外国人コミュニティークラスターの発生が相次いでいる。背景には言葉の壁、生活習慣や医療機関への受診行動の違い、経済状況の悪化などがある。政府や自治体はこうした事態を重視し、多言語での情報発信などの支援体制を強化する。(同)

 

コロナ対策 司令塔ポスト。政府は新型コロナウイルス対策の司令塔となる「感染症危機対策官」を2021年にも新設する方針だ。自然災害などに対応する内閣危機管理監の下に置く。次官級を据えて政策を主導する権限を強める。感染症の専門家などの起用を検討する。(同)

 

クラスター 地方次々新型コロナウイルスの国内の感染者数が13日、2日続けて1日あたりで過去最多を更新した。顕著なのは、感染者が少なかった地方でもクラスターが広がっていることだ。病院や警察署、学校など身近な施設で感染が相次ぎ、「潮目が変わった」との声もあがっている。(朝日新聞11月14日)

 

米 新規感染16万人超。米ニューヨーク・タイムズは12日、全米で新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者が16万人を超え、過去最多を更新したと伝えた。中西部を中心に入院患者も急増しており、死者も1日千人以上となっている。4日以降、1日の感染者数は毎日10万人以上となっている。中西部では病床数が足りなくなってきている。1か月で6割以上も感染者が急増した中西部ノースダコダ州では、医療従事者が足りなくなり、医師や看護師が新型コロナ陽性と判明しても、無症状の場合は勤務できるようにした。(同)

 

経済回復と感染拡大 交差新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、政府は観光業などを支援する「GO TO キャンペーン」を続ける方針を打ち出している。停止したり、特定地域を対象から外したりすれば、経済の再生軌道に水を差しかねず、対策徹底で「第3波」を乗り切る構えだ。ただ、事業が感染拡大を誘発している可能性も否定できず、危機感を募らす専門家もいる。

菅首相東京五輪を「絶対に成功させる」との思いが強い。社会経済の日常を早期に取り戻し、五輪への機運を高めて景気回復につなげる。ここで事業を見直せば、首相のシナリオは崩れかねない。

政府の強気姿勢の背景には、感染リスクは高くないという判断がある。GO TO トラベルで宿泊した延べ3976万人(10月末)に対し、今月12日までに感染が確認された利用者は138人。赤羽国土交通大臣は、鈴木北海道知事の話として「感染拡大はGO TO に起因したものではない」と強調する。

ただこの数字は、感染を把握できた宿泊施設などの報告を集計しただけで、国交省幹部は「全ての感染は追跡できない」と認める。(東京新聞11月14日)

 

(コメント)

米国の1日あたりの新規感染者が16万人を超えた。これはすごい数字だ。日本も最多を更新したが1600人超だ。ちょうど100倍だ。人口は日本の2.5倍とすると実質は40倍だ。そして中西部の医療崩壊の惨状だ。

ノースダコダ州では無症状の感染者の医師と看護師が患者をみているという。もちろん感染者すべてが人にうつすことはないが、そのリスクも承知したうえで対応せざるをえないという現実だ。スペインなど春に感染爆発となった国では、高齢者施設から感染者を病院に輸送しなかった例がある。その場合は施設に放置され、医療を受けられなかった。米国のこの例は医療は受けられるがそれにあたるのは感染した医療関係者というケースだ。医療崩壊となるとこのような風景が出てくるのだ。

ロックダウンは感染を鎮めるのは有効な方法であることは第一波のとき世界中で明らかになった。 しかし経済のダメージも大きかった。利害が絡むと人は都合のいいものしか見ようとしない。

感染拡大にGO TO トラベルはあまり影響はしない。なんとなれば、それで感染した人は138人、GO TO を利用した人は約4000万人だ。というように都合の良い数字が表に出てくる。冷静にみれば、数字は正確とは言えないかもしれないが、今の段階で影響あるとも言えないので継続するとなる。

歴史が面白い151

令和2年11月12日

  <11月12日>

コロナ「第3波」医療逼迫も。国内で12日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多となった。増加ペースは今夏のピーク時の状況に近づきつつあり、「第3波」の様相だ。北海道や大阪などでは病床の使用率が上昇し、医療提供体制の逼迫が再び懸念される。感染経路も広がっており、改めて感染防止策を徹底する必要がある。

北海道では11日時点の入院者数が494人とこの1週間で2倍以上に増えた。病床1811床に対する使用率は急上昇し、27.2%を占めた。大阪府は重症者向けの病床使用率が11日時点で30.6%と10日間で2倍に増えた。

国は政令を改正し、入院措置の対象を①重症者②軽症、無症状のうち重症化しやすい65歳以上の高齢者③持病のある人ーに絞った。若者などを自宅療養や宿泊療養に誘導し、医療機関の負担を下げられるか医療崩壊を防ぐカギとなる。(日本経済新聞11月13日)

 

クラスター各地で多発。国内の新型コロナウイルスの新規感染者数が12日、過去最多を更新した。職場での少人数の会食やホームパーティーなどのクラスターの発生が目立つ。年末にかけて忘年会が増える時期だけに、関係者は「ウイルスが家庭や職場を通じて拡散する恐れがある」と懸念する。(同)

 

「急速な感染拡大の始まり」。東京都は12日、新型コロナウイルスの感染状況を分析する「モニタリング会議」を開き、感染状況について「感染が拡大しつつある」として、4段階の警戒レベルのうち2番目の評価を維持した。直近1週間の陽性率は5%と、前週(3.9%)から大きく上昇しており、専門家は「検査数の増加以上に、新規感染者が増えている」と指摘した。仮に同じ増加率が4週間続くと、都内の新規感染者は1日約1160人に達するとの試算も示された。(同)

 

コロナ治療薬で新会社。ペプチドリームは12日、富士通など4社と共同出資でコロナウイルス治療薬を開発する新会社を設けたと発表した。自社のバイオ医薬開発のノウハウに、富士通が持つ高速コンピーター分析技術を組み合わせ、研究開発を迅速にする。はやければ2022年末に薬の実用化を目指す。(同)

 

新型コロナウイルスの肺炎 素早く診断新型コロナウイルス感染症の患者を精度よく見分け、医師の診断を助ける人工知能(AI)が医療現場で使われ始めた。コンピーター断層撮影装置(CT)画像をもとに、新型コロナによる肺炎かどうか見極める。(同)

 

ウイルス変異 感染力が増強新型コロナウイルスは遺伝子が変異したことで人の細胞への感染力が増し、飛沫感染しやすくなったことを動物実験で確かめたと、東京大などが12日発表した。一方で症状を重くするような病原性の変化は起きていないという。成果は米科学誌「サイエンス」電子版に掲載された。

試験管内の実験では、変異型の方が従来型より人の細胞に入る能力が3~8倍高かった。一方で、どちらの型に感染したハムスターも肺炎の重さに差がなかった。また、感染して回復した人からとった抗体を、2つの型のウイルスに反応させたところ差は見られず、従来型をもとに開発したワクチンでも、変異型に対して同じ効果が期待できるという。(東京新聞11月13日)

 

 

(コメント)

ウイルス変異をした新型コロナが感染力を増していることが科学的に裏付けられた。

飛沫感染で感染力を増しているという。世界で大流行している理由がよくわかる。接触感染もあるが、それでは大流行にはつながらない。やはりエアロゾル感染だ。人と人との会話でもある量をのどに吸い込むと発症するのだ。大声を出せば短時間で、小声でも接近距離で長時間ならある量に達する。人と人が合えば手を触れなくとも感染する。だから大流行となる。

救いは重症度は変化しないし、ワクチンは従来のものでも有効だということだ。

しかしこれだけ感染者が増えると、変異しやすいウイルスが次にどんな変異を起こすかである。ワクチンが効かなくなると厳しい。

やはり早く収束しないとロクなことにならない。

 

歴史が面白い150

令和2年11月11日

 <11月11日>

国内新規感染1500人超す。国内では11日、新型コロナウイルスの感染者が午後8時までに、新たに1521人確認された。1日当たりの感染確認が1500人を超えたのは8月8日以来、大阪や兵庫などで過去最多を上回ったほか、東京、神奈川、北海道など各地で感染状況の悪化が鮮明になってきている。

日本医師会中川俊男会長は11日の記者会見で、「第3波と考えてもよいのではないか」との現状認識を示した。「GO TO トラベル」を巡っては今後、北海道で感染者数が急増すれば「柔軟に見直しを考えてほしい」とし、「北海道が先行し、だんだん全国で感染者が増えている」と指摘した。

西村康稔経済財政・再生相は11日の記者会見で、「今の段階では緊急事態宣言を出す状況にない」と述べた。(日本経済新聞11月12日)

 

五輪悩ます「偽陽性。2021年夏の東京五輪パラリンピックで、選手が新型コロナウイルス検査で陽性にとなった際の取り扱いが課題となっている。「偽陽性」となる恐れが排除できないためで、実際に国際大会で再検査の結果「陰性」に変わったケースも。大会組織委員会は各競技の特性も踏まえ、来春にもルールをまとめる見通しだ。(同)

 

コロナ検査可能な医療機関新型コロナウイルスやインフルエンザの感染が疑われる発熱患者らを検査する地域の医療機関名を少なくとも33都道府県が非公開としていることが11日、日本経済新聞の取材でわかった。特定の医療機関に患者が殺到したり、逆に風評被害が発生したりするとの懸念の声が根強いためだが、患者が検査を受けやすい仕組みづくりが急務となる。(同)

 

インフル・コロナ唾液で同時検査鹿児島大学発のスタートアップ、スティックスバイオティクは新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの感染を同時に判定できるPCR検査について保険適用を受けた。厚生労働省が11日認めた。唾液で調べられる同時検査は初めて。

保険適用を受けたのはPCR検査に用いる試薬キット。一般的なPCR装置に使うと約1時間で検査できる。同社が販売を予定している専用のPCR装置では約20分で完了する。磁力を帯びた微細な粒子で検体中のウイルスを集める技術を使い、検査にかかる時間を短縮しつつ精度を高めた。(同)

 

ひとり親世帯に追加給付。目黒区は11日、ひとり親家庭など児童扶養手当の受給世帯に対し、子供一人当たり5万円を区独自で追加支給すると発表した。区は7月にも同じ用件で支給しており、今回が2回目。23区では初めて。対象となるのは約900世帯(児童約1200人)。申請手続きは不要で今月末にも支給する。予算は6000万円。支援課は「ひとり親は非正規雇用で働き、コロナ禍で仕事が減ったり、なくなったりしているケースが多いため、追加支給を決めた」と説明。(読売新聞11月12日)

 

隠れクラスター拡大。各地で新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にある中、外国人コミュニティーや大学などでクラスターの発生が目立っている。言語の違いなどから相談や受診が遅れたり、大学の寮などで無症状の学生が感染を広げたりすることが背景にある。政府は「早期に検知しにくいクラスター」と位置づけ、対策の強化に乗り出した。(同)

 

 

(コメント)

鹿児島大学発のスタートアップが開発した検査キットはインフルとの同時判定と検査時間を短縮でき大変期待できるものである。早く現場で使えるようにしてもらいたい。

検査でユニークなのは、新型コロナ探知犬の登場だ。

フィンランドヘルシンキ空港で、犬に新型コロナ感染者を嗅ぎ分ける試みが始まったそうだ。ヘルシンキ大学による予備実験では的中率はほぼ100%だったという。しかも発症数日前から探知可能で、少ないウイルス量でも検知できるとしている。

フランス・パリ東大学獣医学部などの研究グループは、新型コロナ患者と非感染者の脇汗を、爆発物・薬物探査や災害救助などの目的で訓練された犬に嗅がせて、臭いをかぎわけるかどうか実験を行った。その結果、8頭の犬で探知成功率は83から100%だったと報告している。新型コロナ専門に訓練を行えば成功率はさらに高くなるという。

中東のドバイ空港でもすでに同様の探知犬による検査が導入されていて、オーストラリアやフランス、ドイツ、イギリスでも準備は進んでいるそうだ。

ただ、探知犬がどの分子を嗅ぎ分けているのか、まだわかっていない。それがわかれば、高性能な探知センサーが開発されるかもしれない。

それにしても、人間は科学を発達させ宇宙にも行けるようになったというが、まだ犬の能力には敵わないところがあるのだ。

 

 

歴史が面白い149

令和2年11月10日

  <11月10日>

ワクチン 実用化大詰め新型コロナウイルスの予防ワクチンの開発が大詰めを迎えている。米ファイザーは9日、11月下旬にも米規制当局に緊急使用許可を申請すると発表した。米モデルナや英アストラゼネカも年内の申請を目指す。実用が進めば経済の活性化にもつながる。効き目と安全性のさらなる検証に加え、今後は輸送や接種などの体制整備が急務となる。

「並外れた数字で、今後のワクチン開発に大きな影響を与えるだろう」。米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、9日の記者会見で笑顔を見せた。

ファイザーのワクチンは「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝子に働きかける物質を使ったもの。通常のワクチンと違いウイルスを培養する手間が不要で、簡単に素早くワクチンを製造できる利点がある。

他社も作業は大詰めだ。モデルナは11月末までに最終段階の治験で有効性を確認した上で、12月にもFDAに緊急使用許可を申請し、承認を受ける見通し。米ジョンソン・エンド・ジョンソンや英アストラゼネカは年内にワクチンの有効性を確認できるとしている。

課題も残る。ファイザーやモデルナが扱う「mRNAワクチン」は非常に分解されやすい物質でできておりセ氏マイナス70度程度で保管する必要がある。輸送や保管の過程で温度が変化すればワクチンが劣化する可能性や有効性が薄れるリスクがある。(日本経済新聞11月11日)

 

「来年度前半に全国民分」新型コロナウイルス感染症のワクチンを国の全額負担で迅速に接種する体制を整える予防接種法改正案が10日、衆院本会議で審議入りした。菅首相は「来年前半までに全ての国民に提供できる量を確保する」と強調した。(同)

 

会食「10日間おきに」。東京都医師会は10日、新型コロナウイルスの感染予防のため、年末年始の会食への参加を少なくとも10日間おきにするよう都民に呼び掛けた。

尾崎会長は会見で「感染力の強い時期は発症2日前から発症後5日間」として、忘年会や新年会への頻繁な出席は控えるよう訴えた。(同)

 

クラスター対策指示新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅首相は10日の政府対策本部で、感染者が増加している地域で集中的な検査を実施するよう関係閣僚に指示した。(読売新聞11月11日)

 

北海道1週間で感染倍増。寒さが増す北海道で新型コロナウイルスの感染者が急増している。10日は166人の新規感染者が確認され、6日連続で100人を超えた。10日の感染者のうち126人が札幌市で、特別養護老人ホームでは56人のクラスターも発生した。止まらない感染拡大に、札幌市保健所では感染者調査など業務が逼迫し始めている。市は27日ごろまでに、国から保健師延べ約30人の応援派遣を受ける予定だ。

56人のクラスターが出たのは特別養護老人ホーム。6日の介護職員の感染判明をきっかけに、市保健所が入所者99人と職員67人を調べたところ、入所者46人、職員10人が感染していた。(同)

 

 

(コメント)

北海道の感染が突出してきた。高齢者施設を介護する職員から始まった集団感染が出た。経路不明や追跡が追い付かなくなっている。やはり外から持ち込まれ、それが冬の季節も追い風になり感染急増となったのだろう。

これはGO TO トラベルで北海道は除外する必要が出てきた。経済政策を止めるのは苦しいところだが、人の移動制限が今のところ一番の防止策だ。ところが今、国として逆向きの移動促進策を打っているのだから、それは少なくとも止めないといけないだろう。クリスマスや年末年始を控えている。その前に打てる手は打っておかないと、さらに医療崩壊など悲惨なことになる。

歴史が面白い148

令和2年11月9日

  <11月9日>

感染拡大の恐れ。政府の新型コロナウイルス感染症分科会が9日、北海道などでの感染拡大を受け、感染防止策の徹底を改めて求める緊急提言をまとめた。分科会は、様々な規制が緩和されるなど社会経済活動が徐々に再開する中、適切な感染防止策がとられなければ「急速な感染拡大に至る可能性が高い」と警告。防止策の徹底を訴えた。

具体的には一部の外国人コミュニティーや大学生の課外活動といった「見つかりにくいクラスター」への対策を強化することや、3密の回避についての情報発信を工夫することを求めた。(日本経済新聞11月10日)

 

ワクチン効果 9割超。米製薬大手のファイザーは9日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンの治験で予防の有効性が90%を超えたとする初期データを発表した。同社は11月中にも米食品医薬品局(FDA)にワクチンの承認を申請するとみられる。

ファイザーによると、独ビオンテックと共同開発中のワクチンの治験に参加した人を調べたところ、9割以上の対象者に予防の効果が生じたという。引き続き副作用が無いかなどの安全性を確認しており、データかせ集まり次第FDAに緊急使用許可の承認を申請する。

ファイザーは規制当局の承認が得られれば、年内に世界で最大5000万回分(2500万人分)、21年末までに最大13億回分のワクチンを製造する計画だ。日本政府は同社から1億2000万回分のワクチンの供給を受けることで基本合意している。(同)

 

ダウ急騰 最高値。9日の米ニユーヨーク株式市場は、米ファイザーの発表を受け、ダウ工業株平均が急騰して始まった。前週末終値(2万8323.4ドル)からの上げ幅は一時1600ドルを超え、2月につけた過去最高値を9か月ぶりに上回った。(朝日新聞11月10日)

 

北海道感染 初の200人。北海道は9日、新たな新型コロナウイルスの感染者が200人確認された。1日の感染者が200人台になったのは初めてで道内の感染者は計4198人になった。

道は新型コロナウイルスの患者向けに最大1811床の病床を確保。受け入れ余地はあるが、多くの病床を新型コロナの対応に充てれば、他の治療を必要とする患者の手術や入院に支障が出る恐れがあり、道や札幌市の警戒感は強い。ホテルなどの宿泊療養施設の入所者は8日時点で453人。最大670人が入所できる体制を整えているが、定員を超える懸念もあり予断を許さない状況が続いている。(日本経済新聞11月10日)

 

コロナ禍の企業へ1兆円みずほ銀行の藤原弘治頭取は朝日新聞の取材に応じ、新型コロナウイルスの影響に苦しむ企業などに向けに、資本を厚くするための資金拠出を1兆円規模で検討していると明らかにした。融資の一部が資本とみなされる劣後ローンや、議決権のない優先株などとして出す。実施済みも含めて約40件を想定。(朝日新聞11月10日)

 

来月イベント緩和「困難」。政府の新型コロナウイルス感染症対応を担う西村経済再生相は9日の会見で、各地での感染者数の増加傾向を受け、現在のイベントの制限を12月から緩和するのは困難との認識を示した。(同)

 

GO TOの除外 現時点で考えず。西村経済再生相は9日の記者会見で、「GO TO トラベル」の対象から北海道を除外する可能性について、感染状況などから「現時点で除外することは考えていない」との考えをのべた。(同)

 

コロナ失職7万人新型コロナウイルスの影響による解雇や雇止めが6日の時点で7万242人となり、7万人を超えたことを厚生労働省が9日、明らかにした。増加ペースはやや鈍化したが、雇用への打撃が続いている。製造業が最も多く、飲食業、小売業が続く。(同)

 

 

(コメント)

ワクチンの開発が進み、株価もその期待から暴騰した。

今回のファイザーの開発しているワクチンはRMAワクチンと呼ばれているものだ。それは新型コロナウイルスの遺伝子コード(RNA)を採取し、細胞内に容易に入るように脂質に封入し、注射で投与する。この方法は、狂犬病HIV、ジカ熱といったほかのいくつかのウイルス性疾患に対するワクチンで臨床試験に入っているが、実用化されてはいない。

開発を急がされているので、それなりの手順は踏むはずであろうが、副作用は懸念される。今回成功すれば、普通10年程度かかるワクチン開発を1年程度で提供するということになる。従来のインフルエンザのワクチンで用いられたアプローチでなく、遺伝子を用いる方法は開発のスピードが違うとしても、時間を短縮すれば当然リスクは高くなるはずだ。

たくさんの人に接種するワクチンは、副作用は必ず起きるということは覚悟しなければならないが、その程度、規模が問題であろう。

海外で承認されても、日本人の体にも合うかなど慎重に判断して導入してもらいたい。