歴史が面白い390

令和3年7月10日

  <7月10日>

東京あす4度目緊急事態。政府は12日、東京都に4度目となる新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を適用する。1年超に及ぶコロナ禍の教訓を生かせず、感染が再拡大するたびに経済制限を繰り返す「宣言頼み」が経済回復の壁になっている。ワクチン接種の拡大に合わせて一律に制限をかけずに柔軟に経済を動かすなど、感染対策と経済を両立させるコロナ共存時代の知恵が試される。(日本経済新聞7月11日)

 

病床 上積みも逼迫懸念。宣言発令の目安に届かない指標も多い中で政府は8日、宣言発令の決定に踏み切った。判断の背景にあるのが医療提供体制の弱さだ。4月25日からの3度目の宣言が効果を発揮し、一時は8割を超えた大阪府の病床使用率が宣言解除の目安となる50%を下回ったのは6月上旬だった。約2カ月、病床逼迫に苦しんだ。

厚労省は年明けの感染「第3波」で病床逼迫が深刻になったのを受け、都道府県に病床確保の上積みを要請。5月末までに都道府県は3月中旬と比べて25%増の約3万8000床を確保した。

過去の感染ピーク時の2倍超の1日1万8000人の新規感染者に耐えられる想定というが、第3波では確保済みだったはずのコロナ病床がすぐに使えずに病床が逼迫する事例があった。一般病床からの転換が追いつかないためだ。

そうした事態を避けるには病院ごとに役割を分担し、症状に応じて機動的に転院できる効率的な仕組みが欠かせない。オンライン診療を活用しながら軽症者が自宅・施設で療養できる体制も急務だ。(同)

 

移動 欧米は接種証明活用。日本政府も月内にも海外渡航者向けにワクチン接種証明書を発行する。経団連は海外渡航だけでなく、移動自粛の緩和など国内での活用も提言している。(同)

 

飲食支援 支給の遅れ続く。東京都は5月12日~6月20日分の要請に応じた飲食店への協力金について7月15日から支給申請の受付を始める。要請終了から1カ月かかっている状況だ。政府は誓約書を出した飲食店に1日4万円を先渡しする制度をつくるが、協力金の給付停滞の解消も急務だ。(同)

 

(コメント)

4度目の緊急事態宣言は主として病床逼迫の懸念から出されたようだ。

第3波で深刻化したのを受け病床の上積みは25%増えたようだが、確保済みでも使えないという過去の例がある。

それが機能するには転院がスムーズにいくかがカギとなる。

病院ごとの役割分担がきちっと機能するような仕組みづくりが必要だが、全国的にできたという報告はないのでこれはうまくいくか疑問である。

 

また国内の移動について接種証明書の活用を経団連が要請している。

打たない人への差別の問題もそうだが、そもそも接種先進国のイギリスやイスラエルの例にもあるがワクチンが感染予防にはつながらないことが分かってきた。

これは現実味がないし、また持った人の過信にもつながるのでやめてほしい。

 

飲食支援は協力金の5月、6月分の受付が7月15日からでは論外である。

前倒しも同様に前倒しとなるかわからない。

事務処理に根本的な問題がありそれが解決していない。

支払う側が生きるか死ぬかの問題としてとらえれば方法も見えてくる。

 

これは触れられていないが、水際対策の緩さの問題もある。

そもそもインド型の浸透を許したのがある。日本は諸外国に比べ緩いとの話だ。

 

歴史が面白い389

令和3年7月9日

  <7月9日>

西村氏発言 政府が撤回加藤勝信官房長官は9日、新型コロナウイルス対策に関する西村康稔経済財政・再生相の発言を撤回すると表明した。西村氏は8日、緊急事態宣言下で酒類の提供をやめない飲食店に「金融機関からも働きかけをしてほしい」と述べた。与野党から「悪手だ」と批判が噴出していた。

政府は酒類の販売業者に「休業要請に応じない飲食店とは取引しないように」と求めている。加藤氏はこうした販売業者への要請は維持する方針を示した。(日本経済新聞7月10日)

 

3回目接種で免疫強化新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人の免疫をさらに強化しようと、追加接種の検討が英国で始まった。米ファイザーと独ビォンテックは3回目の追加接種の許可を米当局に申請する方針を示した。3回目接種の臨床試験で、ウイルスを攻撃する「中和抗体」の効果が2回接種後の5~10倍に上がることを確認したという。イスラエル保健省は5日、デルタ型の流行に伴い、ファイザー製の感染と発症を防ぐ効果が64%に下がったとの分析結果を公表した。英イングランド公衆衛生庁の分析でもファイザー製と英アストラゼネカ製の発症予防効果は79%で英国型(アルファ株)の89%より低い。(同)

 

都、宿泊療養施設を開設へ。東京都は入院待機中の新型コロナウイルス感染者を受け入れる宿泊療養施設「TOKYO入院待機ステーション」を7月中旬に開設する。平成立石病院(東京・葛飾)内の会議室を借り上げ、20台ほどのベッドを設置。病院の看護師による24時間体制で、医師の診察も受けられるようにする。

平成立石病院は新型コロナ感染者の入院治療を続けており、医師も看護師も治療や感染防御の経験を積んでいる。都が東京都医師会に入院待機施設の設置を相談したところ、同院を受け入れ先として推薦されたという。

都は6月下旬、第5波に備えて医療機関にコロナ病床の追加確保を呼びかけた。7日時点の確保病床は6314床と6月24時点から270床上積みした。症状が回復し退院基準を満たした患者を受け入れる回復期支援病院も5割増の1500床にまで積み増している。(同)

 

「酒ばかり標的」新型コロナウイルス感染拡大で、政府は12日から4度目の緊急事態宣言を適用する。東京都は「第4波」の前回宣言時と同様、法律に基づき飲食店での酒類提供をしないよう再び求める。夜の人出を抑える狙いだが、これまでに酒類制限の実効性は見られない。「本当に効果があるのか」「酒のせいばかりにしないで」飲食関係者からは反発や疑問の声が上がる。

ドコモ・インサイトマーケティングの位置情報データで午後8時台の銀座、渋谷、新宿各駅周辺の人出を分析したところ、宣言翌日からまん延防止等重点措置に移行した6月21日まで、銀座では1.2倍、新宿・渋谷では1.4倍増えた。期間中はいずれの地点でも緩やかに増加が見られた。(同)

 

タイ・ベトナム、最大都市封鎖。タいとベトナム新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、それぞれ最大都市で事実上のロックダウンに踏み切った。東南アジアでは変異ウイルスが広がっており、インドネシアやマレーシアも行動制限を強化した。日系進出企業が多く、ビジネスへの影響が広がっている。(同)

 

欧州観光 本格的に再開。欧州で夏のバカンスに向けて観光が本格的に再開してきた。EUでは新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませれば入国できる「ワクチンパスポート」も始まり、昨夏を上回る観光客数を見込む。(朝日新聞7月10日)

 

ワクチン接種スピード世界一菅義偉首相は8日夜の記者会見で、日本のワクチン接種のスピードは世界一速い、という趣旨の発言をした。

7月4日までの1週間の1日ごとの単純な接種回数をG7各国でみると、約90万回の日本が63万回の米国などを引き離して最多。6月28,29日、7月2日も日本が1位だった。

人口100人あたりの1日の接種回数はG20では6番目であった。(同)

 

 

(コメント)

酒ばかり標的にする、という今回のコロナ対策。

飲食店への対策については、都は個別店を回り対策の評価することも始めていた。

そのうち個別店の対策から夜の人出の抑制のためになり、一律酒の提供中止となった。

 

だが、前回の宣言では人出は減っておらず対策の効果はなかった。

もちろん緩和すればさらに増加したかもしれないが、切り札ではなかった。

要請に従わない店があったからということで、金融機関や酒類卸から圧力をかけるというのは、政策としては的外れでやり過ぎである。

 

このままではつぶれていく飲食店が多く出てくる。

零細的な飲食店では協力金で十分という声もあるが、中堅以上は苦しいだろう。

 

菅義偉首相は4月12日の衆院・決算業監視委員会で、コロナ禍で仕事を失った人を介護業界へ招き入れる施策に言及していた。

「できる限り参入してもらえるよう、様々なメニューや仕組みを進めていきたい」と意欲をみせていた。

 

新たに介護職となる未経験者に対し、1人あたり最大で20万円を貸し付ける制度を創設。自治体の任意事業として今年度から開始する。介護現場に2年間従事すれば、貸し付けたお金の返済を全額免除する設計だ。

これを狙っていたのかと思わせる今回の対策だ。

職種転換を図るのなら、介護職のベースの賃金をもう少し上げないと優秀な人材は動かない。

現場のIT化をさらに進め、効率的な業務とし、どうしても削れない対面サービスに人の配置を絞っていくようにしないと賃金は上がらないだろう。

これから介護ニーズがさらに拡大する、コロナを機にここに資金を投入していくべきだ。

 

 

 

 

 

 

 

歴史が面白い388

令和3年7月8日

  <7月8日>

五輪、4都県は無観客。23日に開幕する東京五輪の観客規模を巡り、大会組織委員会や東京都、国際オリンピック委員会(IOC)などは8日夜、5者協議を開催し、都内の全会場を無観客とすることを決めた。組織委はその後、関係自治体との連絡協議会を開催し、神奈川、埼玉、千葉の3県の競技会場も無観客が決定した。(日本経済新聞7月9日)

 

接種「月内に人口の4割」菅義偉首相は8日夜の記者会見で新型コロナウイルスワクチンに関し、7月中に人口の4割が少なくとも1回接種できる見通しだと明らかにした。(同)

 

都に4度目緊急事態。政府は8日、東京都を対象に新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を発令した。沖縄県への宣言と埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で適用する「まん延防止等重点措置」は延長する。いずれも8月22日までで都への宣言発令は4度目。(同)

 

飲食店協力金、先渡し。政府は酒類提供の停止要請に従った飲食店に協力金を先渡しする制度をつくる。自粛するとの誓約書提出を条件に1日4万円を一律支給する。現在は支給まで数カ月かかることがあり、資金面の不安から通常営業する店もある。先行支給と審査の簡略化で協力を促す。(同)

 

要請応じない店金融機関に伝達西村康稔経済財政・再生相は8日夜の記者会見で、休業要請に応じない飲食店の情報を金融機関に提供する考えを明らかにした。(同)

 

職場接種194万回に。政府は8日、新型コロナウイルスワクチンの職場接種について、7月4日までの実績が194万5778回だったと発表した。(同)

 

コロナ 扱い見直し検討厚生労働省新型コロナウイルス感染症について、感染症法上の扱いの見直しを議論する検討に入った。コロナワクチンの接種が進み、新規感染者が増えていても重症化のリスクをこれまでより抑えることができる状況で判断する。法律上の扱いが見直されれば、陽性者に対する入院措置など今の厳格な対応を緩和できる可能性がある。(同)

 

ワクチンと誤り生理食塩水接種。世田谷区は7日、新型コロナワクチン集団接種会場で、6日に誤って生理食塩水を最大6人に接種したと発表した。区によると、使用済みの空き瓶に生理食塩水を入れて、これを注射器で最大6人に接種した。使用済み瓶を作業スペースに戻してしまい、看護師が取り違えたのが原因という。午前の接種終了後に数が合わなかったことで気づいた。(朝日新聞7月9日)

 

職域接種 停滞広がる。新型コロナワクチンの供給不足の影響が、政府の要請で職域接種の準備を進めてきた企業の現場に広がっている。予定した接種を延期したり、ワクチンが確保できずに申請を取り下げたり、不満の声も出ている。(同)

 

 

(コメント)

要請に応じない店に金融機関から協力を呼びかけるという発言があった。

このブログを書く時点では撤回されたのでよかったが、

とんでもないことだった。

生き死にをかけた飲食店にとって、金融機関は融資の命綱。

そこから言われれば従うことしかないが、営業しなければ過去からの借金で早晩立ち行かなくなる。

店にとっても、店がつぶれて被害を追う金融機関にとってもジレンマである。

今回の発言をみると、政府の立案幹部は現場の状況をよく知らないのではないか。

またその想像力を働かす余裕がないように思える。

そもそも零細で政治力のない飲食店を狙い撃ちする政策はいかがなものかと思われる。

 

 

 

歴史が面白い387

令和3年7月7日

  <7月7日>

都に緊急事態 再発令へ。政府は8日、東京都に新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を再発令する方針を専門家に諮る。期間は8月22日までとし、飲食店での酒類の提供は一律停止を要請する案を提示する。都への宣言発令は4回目、7月23日に開幕する東京五輪パラリンピックでの観客の受け入れ方にも影響を及ぼす。(日本経済新聞7月8日)

 

五輪開催へ安全優先東京五輪新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言下で開催される見通しとなった。感染が拡大する東京都内の人流を抑え込み安全開催につなげたい考えだ。観客規模をさらに見直すことになれば、医療体制やボランティアの配置など大会運営のかたちも変更を検討せざるを得ない。23日の開幕まで2週間あまり。大会組織委員会などは難しい決断を迫られている。(同)

 

東京の感染急増、900人超。政府が東京都に新型コロナウイルスの緊急事態宣言を再発令する方針を固めた7日は、東京の感染状況への警戒感が一気に高まった。都が7日発表した新規感染者数は920人で前日の593人から急増。5月13日以来、約8週間ぶりに900人を超えた。(同)

 

新興国 接種義務化の動き新興国新型コロナウイルスワクチン接種の接種を義務化する動きが広がり始めた。新興国では接種ペースが先進国に比べて遅く、感染が再び拡大している。強制力がある措置で感染を抑え込む狙いだが、ワクチンの供給面の不安や、政府に対する新興国の国民の不信感の強さが接種加速の試みに影を落としている。

義務化が進むのは、インドネシアパキスタン、ロシア、ジブチ、マレーシアである。

(同)

 

昨年の貯蓄5倍。新形コロナウイルス禍で個人消費が落ち込んだ間に膨らんだ貯蓄の行方に関心が高まっている。日本では2020年の貯蓄が35.8兆円と前年の5倍に膨らんだ。東京都に緊急事態宣言が発令される見通しとなる中で、消費は不透明感があるが、欧米では一歩早く回復が進んでいる。(同)

 

接種後80歳死亡因果関係初報告厚生労働省の専門家検討会が7日開かれ、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン接種後に死亡した80歳の女性に起きた血小板減少症について、「接種との因果関係を否定できない」と報告された。同社製の接種後の死亡は、2日までに554人確認されているが、因果関係が否定できないとの報告は初めて。(読売新聞7月8日)

 

東京「40、50代の重症増加」新型コロナウイルス対策を検討する厚生労働省の助言機関は7日、首都圏で新規感染者の増加が続き、東京では40~50歳代を中心に入院者数、重症者数ともに増加するなど今後も感染拡大が強く懸念されるとの見解をまとめた。(同)

 

ワクチン緊急許可制度新型コロナウイルスのワクチン接種が欧米などに比べて遅れたことを踏まえ、政府は、緊急時に未承認のワクチンを使うことができる制度の創設に向けた検討を始めた。米国の緊急使用許可(EUA)などを参考にし、薬事承認制度の見直しに着手する。(同)

 

韓国 コロナ再拡大懸念。韓国政府は7日、6日の新型コロナウイルスの新規感染者数が1212人だったと発表した。1日あたりの感染者数としては昨年12月下旬に続きも、過去2番目に多い。「インド型(デルタ株)」も広まりつつあり、4度目となる感染拡大が懸念されている。(同)

 

 

(コメント)

緊急事態宣言の再発令になった。

まん延防止の延長ではなく強硬措置となったのは、920人の新規感染だ。

しかし、これは十分予想されていたことで驚くのは当たらない。

むしろ希望的な見通しで感染者がなだらかに増加するとみていたのではないか。

感染者が減る要因はないところに、世界的な流行であるインド型変異ウイルスが東京にも押し寄せてきており早晩千人を超えるのは明らかである。

危機管理では楽観的な見通しではなく、悲観的なシナリオをメンイに置くことが常識である。

 

宣言再発令は、新型コロナ対策が行き詰っていることの証しと言えるとの辛辣なコメントも新聞記事に載っている。

まさに手詰まりで政策をやっている感を出すためともいえる。

1日100万回のワクチン政策の一本足だけでは持たない。

やはり医療提供体制だ。昨年から言われているが抜本的な対策を打っていない。

のど元過ぎれば不要になると思っていただろうが、この問題は繰り返し起き、またこの冬また起きるだろう。

ワクチンがあっても感染は防げないことは、ワクチン接種で先行するイギリスなどでもはっきりしている。

繰り返し指摘されている専用病院を作ることだ。

そこに医師や看護師を集中することで人材難にも対処できる。

効果が少なく、被害が甚大な緊急事態宣言。

ワクチンと医療提供体制の拡充で緊急事態宣言も出す必要はなくなる。

 

歴史が面白い386

令和3年7月6日

  <7月6日>

職場接種、ペース見直し。政府は新型コロナウイルスワクチンの職場接種のペースを見直す。企業による接種の申請が殺到したため、米モデルナ製ワクチンの供給実態にあわせたなだらかな形を想定する。9月末までに5000万回とした総量の確保目標は維持する。

河野太郎規制改革相は6日、モデルナ製の供給が6月末までに1370万回、7~9月に3630万回とする供給計画を明らかにした。新規受け付け停止前に申請していた企業でも接種開始が7月下旬以降になる場合が出ており、終了は8~9月になる見込みだ。(日本経済新聞7月7日)

 

変異型、接種後も感染新型コロナウイルスのインド型(デルタ株)への感染が世界で急増している。人口の6割以上がワクチンを接種した英国で感染者が再び増えているのもデルタ株の影響とみられる。ただ英国の入院患者数は減少傾向が続いており、政府は重症化の予防効果が90%以上あるとみる。早期にワクチン2回の接種を終えることが感染抑制のカギを握る。

ワクチンを接種しても新型コロナに感染してしまう事例は米国では明確に確認されている。米疾病対策センターCDC)によると、1月から4月にかけてワクチン接種後に感染した人が1万人近くいた。インド型はなかったが、英国型、ブラジル型、南アフリカ型などの変異ウイルスによる感染だった。(同)

 

ファイザー、劣る創薬資金力。米ファイザーの株価が振るわない。独ビオンティックと共同で開発した新型コロナワクチンの売上高は2021年に260億ドルに達し、収益を押し上げる見通しだが、創薬にかけられる資金余力が競合大手に対して劣勢となっているためだ。ワクチン「特需」によるキャッシュの増加を成長力の増強につなけられるかが問われている。(同)

 

ワクチン供給 減ったまま新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、供給不足の不安から自治体で新規予約の停止が相次いでいることを受け、政府内の調整を担う河野太郎規制改革相は6日の閣議後会見で、8、9月について2週間ごとに約1170万回分というペースで配送することを明らかにした。都道府県が独自に配分を調整できる枠組みも設ける。中長期的の見通しを示すことで自治体の懸念を払拭する狙いだが、供給量自体は前月から大きく落ちた7月とほとんど変わっていない。

自治体に配送される米ファイザー製ワクチンは、6月は2週間あたり最大1870万回だったが、今は約1170万回に減った。(朝日新聞7月7日)

 

(コメント)

ワクチン供給量の計画がくるい、予約停止が相次いでいる。

自治体向けもそうだが、職場接種がひどい。

モデルナと供給量の変更を5月の連休前にしておきながら、当初の見積もりで職場接種の受付を始めている。

今頃の発表となったのはモデルナとの契約によるという言い訳も的外れで国民を愚弄している。

厚生労働省のやっていることはこうも杜撰であると任せられない気持ちになる。

これは国民は怒るべきだ。

怒らないからこうもぬけぬけと取ってつけた言い訳で済まそうとする。

 

歴史が面白い385

令和3年7月5日

  <7月5日>

まん延防止 延長へ調整。政府は新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」に関し、11日の期限を延長する調整に入った。感染が再拡大している東京や埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象として想定する。専門家の意見を踏まえて8日にも決める。(日本経済新聞7月6日)

 

ワクチン予約、相次ぐ停止新型コロナウイルスワクチンの需給の逼迫緩和に官民が動き始めた。厚生労働省は5日、医療機関で余った分の融通拡大を決めた。最初の融通先から別の施設にも小分けできるようにする。自治体の接種を優先するため職場接種の申請分を取り下げる企業も出てきた。全体の供給ペースを変えるのは難しいため、まずは在庫の偏りやミスマッチの解消が急務になる。(同)

 

英、コロナと共生探る。英国が、新型コロナウイルスの存在を前提とした新しい生活様式を模索する方針を明らかにした。感染者は増えるものの、ワクチン接種が順調に進んだことで死者や重症者の数が抑えられているためだ。接種が進むシンガポール政府もコロナとの共生を視野に入れようとしている。インドネシアなどは感染拡大で医療体制が逼迫しており、接種率で明暗が分かれる形となっている。

ジョンソン英首相は4日「パンデミックは終わっておらず、感染者は今後数週間増え続けるだろう」と強調。「ウイルスとの共生を学びはじめると同時に、コロナのリスクを慎重に管理しなければならない」と述べた。

ワクチン接種が進んだ国では、コロナ禍前の生活への復帰を探る動きが出ている。バイデン米大統領独立記念日の4日「われわれは新型コロナの世界的大流行とそれに伴う孤立、痛み、恐怖、喪失の暗闇から脱しつつある」と述べた。(同)

 

国税収 コロナ禍でも最大財務省が5日発表した2020年度の国の一般会計の税収は、前年度比4.1%増の60兆8218億円で、コロナ禍にもかかわらず2年ぶりに過去最高を更新した。消費税率を19年10月に10%に引き上げた効果が年間を4通して反映されたほか、自動車や電機などの輸出企業の業績が改善し、法人税収も堅調に伸びた。(読売新聞7月6日)

 

主な国・地域での新型コロナウイルスの感染状況(読売新聞7月5日)

アジア諸国を抽出した

             感染者            死者

  インドネシア    231万3829人     6万1140人

  フィリピン     144万1746      2万5192

  日本         80万7721      1万4867

  マレーシア      78万5039        5579

  タイ         28万9233        2276

  韓国         16万 795        2028

  中国本土        9万1869        4636

  シンガポール      6万2617          36

  ベトナム        2万 261          86

  台湾          1万5061         689

  香港          1万1943         211

 

 

(コメント)

英国がコロナと共生していくと宣言した。

19日に予定されているロックダウンの解除を念頭にしているが、

コロナ対策における世界の大きな流れを変えるキッカケになりそうだ。

 

英国は足元、感染は1日2万人を超え再拡大の様相を示しているが、4日の死者数は15人にとどまり入院者も増えていない。

成人の64%が2回目のワクチン接種を終えており、ワクチンが重症化や入院のリスクを減らしているという。

これを機にロックダウンという手段はとらないということだ。

ロックダウンはその効果が一部で疑問視されているが、経済へのダメージは甚大だ。

決別するのは賛成だ。

これに米国やシンガポールも続くだろう。

 

一方、接種率が1割程度のインドネシアは過去最多の感染者、死者を出しており、医療提供体制も崩壊の危機にある。

医療体制が崩壊するのは避けなければならないので様々な行動制限をかけている。

今後、ワクチン接種率とロックダウンをはじめとした行動制限策がセットで語られる流れとなりそうだ。

歴史が面白い384

令和3年7月4日

  <7月4日>

病床使用率 再び上昇。改善傾向だった首都圏の新型コロナウイルス患者向け病床使用率が、東京都は7週ぶり、千葉県は3週ぶりに上昇した。埼玉県、神奈川県も下げ止まりつつある。ワクチンによる重症化抑制の期待もあるが、変異ウイルス拡大の恐れもあり、医療逼迫の懸念は残る。

厚生労働省の集計では、6月29日時点の全国の病床使用率は17.8%で6週連続で低下した。東京は25.0%と前週比4.2ポイント増。重症者向け病床も3.4ポイント増えて31.9%になった。都が7月1日に開いたモニタリング会議は「若年・中年層の入院患者の割合が増加している」と指摘する。

千葉の病床使用率も3.1ポイント増の28.1%。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続く11都道府県で上昇は東京と千葉だけ。(日本経済新聞7月5日)

 

中国製ワクチンが浸透。中国は東南アジア各国ヘの中国製の新型コロナワクチンの供給拡大も目指している。域内の国々では欧米製ワクチンの確保が難しいことから、接種率を上げるために効力が比較的低いとされる中国製ワクチンを受け入れる動きも出ている。(同)

 

デルタ株拡大 再び感染増予測も。米国は本当に平常に戻るのか。再び感染者が急増する懸念はないのか。

米ジョンズ・ホプキンス大などの複数の研究チームが、ワクチン接種の進み具合などが違う4種類のシナリオで、感染者数や死者数などを予測している。

複数のシナリオでは、米国での感染者数は減少を続けるか、低いまま維持される。ただ、より感染力が強い変異株が増え、ワクチン接種が進まない最も悪いシナリオだと、9月中旬から10月上旬に再び全米の感染者が増加するという予測になっている。(朝日新聞7月5日)

 

 

(コメント)

中国製ワクチンが不評であるにもかかわらず、東南アジアで浸透しているという。

中国政府によると、6月上旬で世界に3億5000万回分のワクチンを提供している。

WHOも一般的な冷蔵庫で保管できるメリットに着目し、緊急使用を承認した。

 

ただ、最も接種が進んでいたチリで、感染急増で6月10日にロックダウンが再導入された。チリのワクチンの9割が中国製であった。バーレーンでも同様な問題が起き、米ファイザー製を追加接種する事態になっている。

オックスフォード大学は「世界で最も感染率の高い上位10カ国のうち、パラグアイを除く9カ国が中国製ワクチンを採用している」との調査結果をまとめた。

効果が限定的だということは、広く知れ渡ったということだ。

 

中国製ワクチンの有効率が50%程度と低いのはその製造方法にある。

中国企業が開発したワクチンは不活化ワクチンである。熱やアンモニアなどで不活化した(殺した)ウイルスを体内に投与して抗体をつくるという従来の製造方法である。

この方法はインフルエンザワクチンなどで使われているが、増殖の速度が遅い新型コロナでは体内で抗体ができにくいことから、欧米のワクチンメーカーはこの方法はとらなかったという。

 

それにもかかわらず東南アジアで浸透しているのは、欧米のワクチンが手に入らないためだ。50%の有効率でもないよりましということだ。