歴史が面白い17

令和2年3月12日~3月13日

  <3月12日>

NY株式下げ最大2352ドル安。株安の連鎖に歯止めがかからない。

11日夜、トランプ大統領新型コロナウイルスの拡大阻止のため、英国を除く欧州からの外国人入国を禁止すると発表。欧米でコロナウイルスの感染拡大も加速し、国民の不安も高まり、観光だけでなく、様々な経済活動が世界で収縮する懸念が強まった。米ダウ平均は前日比2352ドル60セント安い2万1200ドル62セントと下げ幅は過去最大となった。日経平均も13日、1128円下落し17431円05銭と3日間続落した。日経平均の下落幅は1週間で3318円と過去最大であった。

 

米感染者1100人超になり、3日で倍増した。米ジョンズ・ホプキンス大学によると11日午後4時(日本時間12日午前5時)時点で米国の新型コロナウイルス感染者は1100人となった。8日に500人を超えたばかりだったが、3日間で倍増した。西海岸のワシントン州(281人)が多いが、この1週間では東海岸ニューヨーク州(212人)やマサチューセッツ州(92人)での増加も目立っている。

世界の感染者は12万4908人で、最も多いのは中国(8万921人)、次いでイタリア(1万2462人)、イラン(9000人)、韓国(7755人)。米国は8番目、日本は12番目で581人(除くクルーズ船)

 

IOC会長、五輪開催についてはWHOの助言に従う。バッハ会長はドイツ公共放送のインタビューに答え、「五輪の開催是非はWHOの助言に従う。約4カ月あるので成功に導くためこの時間を大切に使う。」と話した。

トランプ大統領は五輪1年延期すべきとの認識を示した。これまでは五輪開催の是非については「安倍晋三首相に任せる」などと話していた。また、「観客なしで開催することは想像できない」とも語った。

小池都知事、安倍首相と会談。会談後、記者団に「中止という選択はないのではないか」と強調。首相とは新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた対策で意見交換をし、東京五輪の話はなかったという。

 

  <3月13日>

米、非常事態宣言。トランプ大統領は、13日ホワイトハウスで記者会見し、国家非常事態を宣言した。最大5000億ドルの連邦政府の資金を活用できるようにして、検査や治療の態勢を強化する。全米で感染者が急増しており、国をあげて対応にあたる姿勢を明確にした。

米株式市場は、13日非常事態宣言を受け、過去最大の上げ幅である1985ドル高で取引を終えた。米株式市場に先立つ13日の日本の株式市場では、日経平均は1128円安の1万7431円と3年4カ月ぶりの安値となった。

 

中国の国家衛生健康委員会は、新たな感染者が減り続けていることから「中国での流行のピークは過ぎた」と発表。中国衛生当局の専門家チームのトップ、鐘南山氏は「中国以外から流入してくる感染者が問題だ」とし「中国国内や湖北省でのウイルスは制御できている」と述べた。

中国外務省の趙立堅副報道局長は13日までに、新型コロナウイルスを巡りツイッターで、「米軍がウイルスを武漢市に持ち込んだかもしれない」と主張した。新型コロナの発生源が米軍の研究施設だと推測する記事も紹介した。中国でツイッターはブロックされて一般には使えないが、「いまやるべきは他国のせいにすることなのか」などと批判的な書き込みが相次いでいる。

 

WHO、欧州が流行の「中心地」となったと認識。世界の新型コロナウイルスの死者が5000人を超えた。中国で発生したウイルスはイタリアやスペインで猛威を振るっている。テドロス事務局長は「今や欧州がパンデミック震源地になった」と話した。14日の世界の感染者数(13万7000人)でみると、4割は中国以外となった。

スペインで非常事態宣言。スペインのサンチェス首相は13日、感染者が来週1万人に達する可能性があることなどを受け、非常事態を宣言した。最も感染が広がるマドリードでは、レストランなどを一斉休業する。

 

新型コロナ特措法が成立した。成立前の13日参院内閣委員会で、経済相は緊急事態宣言の発令に伴う「指定公共機関」に民放テレビ局を加える考えはないと語たり、11日の国会答弁の内閣府副大臣の答弁を訂正した。

 

専門家のコメントとして、「少なくとも6~7割が感染のおそれ」(山本太郎(長崎大))、「感染しても無症状の人が多く、ウイルスの動きをとらえられないまま、感染が広がった」(マッシモ・チコッツィ氏(WHO顧問))

 

(コメント)

株式市場が大きく下落した。スペインにも感染が拡大し、WHOも欧州が感染の中心だという。米国がいよいよ非常事態宣言を発出し世界的な危機モードに突入した。そんななかで中国が流行のピークが過ぎたと一足早く沈静化宣言をだしたが、このタイミングで発生源は米国であるとのコメントは世界中で顰蹙をかうだろう。