歴史が面白い20

令和2年3月21日~3月23日

  <3月21日>

国内のコロナウイルス感染者(クルーズ船除く)が1000人を超えた。死者は36人。世界では感染者は27万人を超え、死者は1万人を超えた。国内の感染者は、3月に入って愛知や大阪、兵庫を中心にクラスターが発生し、感染者が最大1日60人にあがった。都市部で経路不明の感染者が増えており、爆発的な感染拡大(オーバーシュート)防止に向けた「瀬戸際」状態は続いている。

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉鎖していた各地の観光施設などの一部が21日、営業を再開した。2月29日から臨時休園していた「としまえん」では、こどもたちの笑顔で駆け回っていた。また、札幌のテレビ塔なども再開した。一方、暖冬で桜の開花が記録的に早まった首都圏では、各地の花見の自粛やイベント中止から、大勢の花見客でにぎわう桜の名所も人影はまばらとなった。

 

  <3月22日>

政府は22日、米国からの入国者に14日間自宅やホテルなどで待機するよう要請する方針を固めた。23日に安倍首相が表明する。米国では感染者が2万人を超え、2日間で倍増するなど感染が急拡大している。19日6496人、20日9415人、21日1万9624人(+10209人)、22日2万6747人(+7123人)。米国は検査数の増大と並行して感染者数が増えている段階だ。検査態勢の整備が遅れた米国では「隠れ感染者」が指摘されている。韓国も実施した「ドライブスルー検査」が始まり検査数が増加した。

 

世界の感染者数が30万人を超えた。中国8万1348人、イタリア5万3578人、米国2万6747人、スペイン2万5496人、ドイツ2万2364人、イラン2万610人、フランス1万4485人・・である。特に欧米での増加が著しい。イタリアでは、コンテ首相が「戦後、最も困難な危機だ」と語り、政府は工場やオフィスの稼働を4月3日まで停止する追加措置を発表した。患者であふれる各地の病院では病床や人工呼吸器の不足が深刻化し、廊下で対応にあたるケースもある。スペインでもイラ保健相は「最悪の事態が近づいている」と危惧する。感染が急速に広まった理由は不明だが、14日に同国が発表した外出制限令が遅すぎたとの指摘がある。事態の悪化は医療体制の崩壊につながりかねない。イタリアでは3400人近くの医師や看護師らが感染したと伝えられている。

 

ニューヨーク州は22日夜から在宅勤務の義務化をはじめた。ニューヨーク市内はその前日から食品店などを除き、ほとんどの店舗が閉店。世界屈指の繁華街はまるで廃墟のようになった。

 

大規模イベントがさいたまアリーナで開催され物議を醸した。埼玉県と国が開催自粛を求めていた大規模格闘技イベントが22日さいたま市で予定通り行われた。県は複数回にわたって主催者側に自粛を求め、21日には西村経済財政・再生相が知事に対し、改めて自粛を促すよう要請していた。

 

IOCは22日、電話会議で緊急の理事会を開き、東京五輪の延期を含め4週間を目途に結論を出す方向で協議した。17日の臨時理事会で予定通り開催の方針を確認したばかりだが、国際世論を受けて難しい対応を迫られた。

 

上海市は22日、検疫対象の重点国から日本を除外すると発表した。すべての渡航者を対象にした新型コロナウイルスの検査で陰性になれば、これまで必要だった14日間の隔離措置が原則不要になる。日本での新規発症が他国に比べ落ち着いていることが解除につながったもようだ。

 

  <3月23日>

英国のジョンソン首相は23日、全土での自宅待機を指示した。3週間の自宅待機で、衣料品など必需品以外を売る全ての店も休業させ、結婚式を含むあらゆるイベントを中止させる。従わない場合には警察が強制的に自宅待機を命じたり罰金を科したりする可能性もあると言及。

 

インドのデリー首都圏政府は、23日から31日まで隣接する州との往来を基本的に禁止する事実上の封鎖を行った。工場の休止も相次いでおり、各地の州政府が23日までに事務所や工場の閉鎖、自宅勤務を命じた。

 

WHOのテドロス事務局長は「パンデミックが加速している」危機感を表明した。感染者が初めて確認されてから感染者が10万人になるまで67日、その後はわずか11日で20万人、4日で30万人へと感染拡大のペースが急激に加速している。「ウイルスに勝つためには、すべての疑わしいケースを検査して、患者を隔離し、接触を追跡するなど積極的な手段をとる必要がある」と強調した。

 

米連邦準備理事会(FRB)は23日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、米国債住宅ローン担保証券MBS)の買い入れ量を当面無制限とする緊急措置を決めた。消費者や中小企業の資金繰りを支援する措置も発動し、ドル資金の目詰まり解消を急ぐ。これにより金利上昇を防ぎ流動性を確保する。

ドイツのメルケル首相は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策を発表した。新規国債発行をゼロにする財政健全路線を封印し、1560億ユーロ(18兆円)の国債を発行し零細企業や個人事業主への支援などを進める。経済安定ファンドを通じて最大6000億ユーロの企業の債務保証、出資なども実施。双方合わせると対策規模はGDPの2割に達する。

 

安倍首相は東京五輪の開催について、23日の参議院予算委員会で「完全な形での実施が困難な場合、延期の判断も行わざるをえない」と答弁し、これまで明言を避けてきた延期容認を明確にした。

 

政府は23日、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室を設置した。特措法の成立で緊急事態宣言の発令が可能となり、宣言に備えて海外の情報収集や都道県との調整を担う。

 

(コメント)

東京では早くも桜が咲く時期となり春の行楽の時季となった。花見の自粛やイベントの中止で例年通りとはならなかったが、3月21日観光施設の一部再開で少々気が緩み、人出も出た。これが後で一部感染拡大につながる。ちょっとしたキッカケで気がゆるものだ。欧州では英国が一転自宅待機を打ち出した。ドイツも大規模な経済対策を打ち出し世界的な景気後退に備え始めた。