歴史が面白い108

令和2年9月30日

  <9月30日>

超過死亡 コロナでも減少。1~6月の上半期で各都道府県で平年予測を上回った「超過死亡」数は過去3年に比べて少ないことが30日、厚生労働省研究班の推計で分かった。死亡数は高齢化で増加しており、2017~19年の上半期の超過分はそれぞれ最大2万人前後だが、今年は最大7467人になった。鈴木基・国立感染症研究所感染症疫学センター長は「今年はインフルエンザの流行が小規模で、新型コロナウイルス対策で他の感染症も減った影響ではないか。新型コロナウイルスによる超過死亡は海外と異なり多くないと思われる」と話す。(日本経済新聞10月1日)

 

入院患者の死亡率低く国立国際医療研究センターは30日、新型コロナウイルス感染症の入院患者約6000人の分析結果を公表した。第2波では第1波に比べ、重症になってから入院する患者の割合や死亡率が低下した。若い感染者が増えたほか、手探り状態だった治療法が進歩したことが大きいという。入院時に重症だった人の死亡率は10.1%と第1波のほぼ半分になった。5月以降レムデシビルやデキサメタゾンといった治療薬が承認されるなど治療法の改善が進んだほか、検査体制も拡充した。発症から入院までの平均日数は5.1日と第1波より2.5日短くなり、症状が深刻になる前に入院治療を受けられるようになった。(同)

 

教室にエアコン93%。文部化科学省は30日、公立小中学校などのエアコン設置率が9月1日時点で、93.0%に達したと発表した。前年比では15ポイント増え、初めて9割を超えた。寒冷地の北海道、青森、秋田は4割以下だった。(同)

 

在宅勤務 デイトレ好機新型コロナウイルスまん延は個人投資家に「新常態」をもたらした。在宅勤務でデイトレを始めたり、コロナ級の有事に備えてポートフォリオの分散を図ったり、ウィズコロナの投資スタイルが広がっている。投資未体験者を対象にアンケートで調査したところ、10人に1人がコロナ下で「投資デビュー」を果たした。2020年に入って個人投資家の株式の買い越し額は8月末までに1兆2000おくえんに達した。年間はリーマンショックの2008年を上回る可能性がある。(同)

 

バス・タクシー事業廃止66件。関東運輸局は、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で2月以降にバス・タクシーの事業を廃止した件数が前年同期比25%増の66件に上ったとの調査結果を発表した。(同)

 

(コメント)

ニューズウィーク誌(10月6日号)に新型コロナウイルス対策で成功した国、失敗した国の特集記事があった。

もちろんまだコロナは収束していないので第1波ということになる。成功した国として挙げられているのは、中国、韓国、台湾、ニュージーランド。失敗した国としては、ブラジル、イタリア、スペイン、アメリカだ。

中国は、感染の発端となった国で当初の情報開示の問題があり、成功の分類にいれていいものかどうか疑問である。しかし、その後の対応は強制的なロックダウン、軽症の患者専用の施設の早期の立ち上げなど、この国ならではの対応で感染を抑え込んだところは評価せざるを得ない。

韓国、台湾はMERS、SARSの経験を生かした初期の対応が優れていた。韓国ではMERSの失敗として、感染者の隔離や接触者調査・追跡が不十分で、検査キットの承認が滞っている間に隔離されずにいた感染者がウイルスを拡散していたことだ。今回はその教訓から、検査体制が急速に拡充できていた。台湾はSARSの経験から、危機管理における縦の連携・協力の促進という体制づくりをしていたことだ。

日本はどうか。死亡率は低く結果は成功しているが、成功要因は「ファクターX」と言われているように他国に説明できる内容ではないとしている。

 

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この記事から、過去の経験を教訓にしているところは素早く体制を整えて対処できている、ということが分かった。

日本はどうか。

日本はSARS、MERSの世界的流行の時、感染は拡大しなかったが、2009年の新型インフルエンザの時は違った。新型インフルエンザ拡大に対し、行政と医療界の体制が不十分だったことから、専門家を招集して問題点を洗い出し、2012年5月に新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)を成立させた。2013年には特措法に基づく「行動計画」と「ガイドライン」を決めた。そこには、平常時からの医療体制の整備として、パンデミック下の特別隔離病床など必要な病床数の増強、医療者の防護服・医療用マスクの確保、PCR検査体制の拡充、一般国民が広くマスクを着用できるような供給体制、等々。これは今回逼迫して、問題になったことである。今回の問題となっていることは未曾有の感染症だからといって仕方がないかなと思っている人が大多数であると思う。しかし、7年前に政策課題としてあげられいたのだ。そうPCR検査も上げられているのだ。

 

韓国、台湾はやはり日本と違って緊張感が違うのだと思う。平常時でも安全保障上緊張せざるを得ない地政上の位置にある。翻って日本はどうか、日本も同様な位置にあるのだがノー天気であると言わざるを得ない。国民としては対策・対応の推移を検証し、コロナをしっかりと教訓にしなければならない。