歴史が面白い117

令和2年10月9日

  <10月9日>

欧米 再び感染警戒。世界で新型コロナウイルスの感染が拡大している。1日あたりのの新規感染者数(7日移動平均)は7日に31万2千人と過去最多を更新した。感染拡大が鮮明な欧米各国は冬本番を前に警戒を強めており、外出や営業制限を再び導入する動きも出ている。

新規感染者数はインドやブラジルなどの新興国の増加に歯止めが掛かっていないため、ほぼ一本調子で増えてきているが、9月下旬以降は増勢が一服していた欧米が再拡大に転じたことで、世界全体の増加ペースが再び速まっている。

欧州では、これまで感染を比較的抑制してきたドイツでも8日は1日あたりの新規感染者数が4千人を超え、感染第1波に直面した4月以来の高水準圏に。

米国では7日の新規感染者数(7日移動平均)が4万5千人と8月下旬以来の高水準だった。中西部や西部を中心に全米の27州で新規感染が増えている。(日本経済新聞10月10日)

 

国際枠組みに 中国も参加。中国外務省は9日、WHOなどが立ち上げた新型コロナウイルスワクチンの公平供給をめざす国際枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」に参加したと発表した。多国間の枠組みに参加することで国際協調を演出する。コバックスは2021年末までに20億回分のワクチン提供を目指す枠組みで、現在の参加国は約170カ国。米国は参加していない。参加国は接種1回分あたり3.1ドルで購入権を取得すれば、人口の20%分のワクチンを購入できる。国や団体などが資金を寄付し、発展途上国に無料供給する仕組みもある。(同)

 

(コメント)

世界中で感染がまた増えている。米ジョンズ・ホプキンス大で毎日まとめている世界のコロナ感染者数を10月9日午後4時時点のデータでみてみる。合わせて感染致命率(死者数/感染者数)も計算してみた。

 

世界各国・地域の新型コロナ感染者数(死者数)・・感染致命率

  

世界全体36,524,055人(1,062,031人)・・2.9%[7.1%]

①米国     7,606,595(212,773)・・・2.8 [5.9]

➁インド    6,906,151(106,490)・・・1.5 [3.3]

➂ブラジル   5,028,444(148,957)・・・3.0 [6.9]

④ロシア    1,253,603( 21,939)・・・1.8 [1.0] 

⑤コロンビア    886,179( 27,180)・・・3.1  n.a

 

⑦スペイン     848,324( 32,688)・・・3.9[10.2]

⑩フランス     711,704( 32,539)・・・4.6[14.5]

⑫英国       564,502( 42,682)・・・7.6[15.7]

⑰イタリア     338,398( 36,083)・・10.7[13.6]

 ドイツ      316,346(  9,594)・・・3.0 [4.0]

 日本        87,229(  1,624)・・・1.9 [3.0]

 

感染致命率を計算してみたが、イタリアが突出している。そこで欧州の第1波の4月30日時点で計算したのが[ ]の数字である。第1波とくらべ欧州の各国は大幅に減少しているがイタリアはあまり減少していない上にまだ高い。

感染者数の増加を見てみると、スペイン、フランス、英国の感染者が4月30日からそれぞれ、3.6倍、4.3倍、3.4倍に増加しているのに対してイタリアは1.6倍となっている。これはイタリアの感染者が相対的に増えておらず、高止まりしているのだ。検査の拡大の違いによる影響もあるので一概にいえないが、イタリアでは第2波は相対的に抑えられていると言えるのかもしれない。

全体的にいえるのは、検査数の拡大により感染者は増えているが、治療方法など改善されており感染致命率は低下している。