歴史が面白い155

令和2年11月16日

  <11月16日>

モデルナ94.5%有効確認。米製薬の新興企業モデルナは16日、新型コロナウイルスのワクチンの最終治験で94.5%の有効性が初期データから得られたと発表した。数週間以内に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請するとしている。治験参加者3万人超のうち新型コロナウイルスに感染した95人を調べたところ、90人が実際にはワクチンを投与していない人だったという。ワクチンを投与していた人は、発症しても重い症状が出なかったという。

モデルナは認可が得られれば年末までに2000万回分のワクチンを米国向けに供給する見通し。

ファイザーに続いて開発したが、2社とも「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝子を使ったワクチンだ。ウイルスの遺伝子情報の一部を体内に取り入れ、人の細胞でウイルスの部品をつくり免疫反応が起きる仕組みだ。人への使用実績が無い一方で、開発や製造がすばやくできる利点がある。

モデルナのワクチンの強みは扱いの容易さだ。ファイザーの場合、セ氏マイナス70度程度での保管が必要だ。一方モデルナの場合、一般または医療用冷蔵庫の温度で対応できる。2~8度で30日間保管できるほか、マイナス20度では最大6か月保管できるという。(日本経済新聞11月17日)

 

コロナ・インフル同時判定。スイス製薬大手のロシュの日本法人、ロシュ・ダイアグノスティックスは16日、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの感染を同時に判定できるPCR検査向け試薬が厚生労働省から承認されたと発表した。ロシュの検査装置「コバス6800」「コバス8800」専用で、鼻やのどの粘液を綿棒で採取して検体とする。最大96人分を全自動で測定し、約3時間で結果が判明する。(同)

 

時短要請 自治体を支援。政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は16日、自治体が飲食店などに営業時間の短縮を要請し「協力金」を出す場合、国が財政支援する方針を決めた。新型コロナ対策の地方創生臨時交付金を追加配分する。同交付金に新しく500億円の枠を創設する方針だ。(読売新聞11月17日)

 

J&Jワクチン 日本で試験再開。米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン新型コロナウイルスのワクチンについて、同社のワクチンを開発するヤンセンファーマの日本法人は16日、中断していた日本での臨床試験を再開したと発表した。(同)

 

7~9月 年21.4%増内閣府が16日発表した2020年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、新型コロナウイルスの感染対策で制限された経済活動の再開や、過去最悪の落ち込みだった4~6月期からの反動で大幅なプラス成長となった。ただ、回復ペースは鈍く、国内外の感染再拡大で減速の懸念も強まっている。

物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は前期比5.0%増で、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で21.4%増となった。プラス成長は1年ぶりで、伸び率は統計上比較できる1980年以降で最も大きかった。

大きなプラスとなった要因は、個人消費と輸出の急回復だ。GDPの半分以上を占める個人消費は4.7%増(前期は8.1%減)で、1年ぶりのプラスとなった。政府の現金10万円の一律給付などの効果で家電などの売れ行きが堅調だった。輸出は7.0%増(前期は17.4%減)で、自動車や電子部品などが復調した。(同)

 

 

(コメント)

ファイザーに続きモデルナのワクチンが実用化に向けた大きな一歩を記した。

日本はモデルナから2500万人分の供給を受けることになっており、ファイザーの6000万人分と合わせると8500万人分はうまくいくと確保できることになった。

3万人による治験というが、その後実際に感染した人は95人だ。ワクチンを打たなかった人が90人とすると比較するのは打った人の5人だ。85人に効果があったということか。イメージとしてはまだまだ少ない人数での確認なのかという気がする。何しろ世界では感染者が5千万人を超え、日本でも11万人超だ。遺伝子ワクチンは初めての実用化となるという。高齢者にも効果があるのか。今後さらに情報開示を願いたい。