歴史が面白い195

令和2年12月27日

  <12月27日>

内閣支持率42%に急落日本経済新聞社テレビ東京は25~27日に世論調査を実施した。菅義偉内閣の支持率は42%で11月の前回調査から16ポイント低下した。不支持率は48%となり、支持率を逆転した。政府の新型コロナウイルス対応を「評価しない」割合は59%と11ポイント上がった。(日本経済新聞12月28日)

 

GoTo停止「妥当」67%。政府は28日から1月11日まで「Go To トラベル」を全国で一時停止する。日本経済新聞社世論調査で年末年始の停止方針について尋ねると「妥当だ」が67%、「不十分だ」が22%だった。「一時停止すべきでない」は6%となった。(同)

 

変異種拡大 再び往来制限。従来に比べ感染力が高いとされる新型コロナウイルスの「変異種」の感染が世界で拡大している。各国の報道によると、感染が確認されたのは英国のほか日本やカナダなど少なくとも18か国・地域に及んだ。英国からの渡航を制限する国・地域は50を超える。新型コロナウイルスの累計感染者数は27日に世界で8000万人を超えた。感染拡大に歯止めがかからないなか、各国は再び厳しい入国制限に動き始めた。(同)

 

政府、新規入国きょう停止。政府は28日、海外からの外国人の新規入国を停止する。中国、韓国など11か国・地域とのビジネス往来は続ける。外国人の入国はこの対象国・地域からが半数程度を占める。政府は変異種の拡大を見極めてビジネス往来の扱いを判断する。

ビジネス往来は2国間の合意で運用する枠組みだ。駐在員や留学生を対象に2週間の待機を条件に相互に入国を認める制度は、中韓など11か国・地域と運用を始めた。

11か国のうち中韓ベトナムシンガポールの4か国は陰性証明や行動計画を提出すれば渡航後の2週間待機を免除する制度にも合意済みだ。

特に中国とベトナムで9割を占める。(同)

 

死亡1万4000人減。1~10月の日本の死亡数は前年同期より1万4千人少ないことが厚生労働省の人口動態統計(速報)で分かった。新型コロナウイルス対策で他の感染症の死亡が激減した影響とみられるが、新型コロナウイルスの死亡数は抑制できていない。

公表済みの1~7月分で最も減少したのは、新型コロナや誤嚥性を除く肺炎で、前年より9137人(16.2%)減少し、4万7680人だった。インフルエンザは2289人減って932人にとどまった。肺炎やインフルエンザを含む「呼吸器系の疾患」で比較しても計1万2872人減少し、7月までの全死因の減少分(約1万7千人)の4分の3を占めた。

警察庁の統計では、自殺は6月まで前年を下回っていたが、7月以降増加し、11月までに約1万9千人で、前年を550人上回っている。(同)

 

年越し 踏ん張る医療新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、年末年始を迎える。例年、医療体制が手薄になる時期で、感染が疑われる発熱患者らに対応しようと、自治体は医療機関の確保に急ぐ。

都医師会は、発熱などの症状があれば「まず電話を」と呼びかける。連絡先は、かかりつけ医か、身近な医療機関がなければ発熱相談センターを勧める。同センターへの相談は11月5日時点で1日当たり650件だったが、24日には1417件と2倍超に増えた。都は年末年始は30回線から50回線に拡大して対応する。

科医院の動きも広がる。都内で発熱患者を診る医療機関の登録は約3400か所。年末年始に協力すると申し出があったのは約1300か所に上る。(朝日新聞12月28日)

 

EU ワクチン接種開始。EU各国で27日、ワクチン接種が一斉に始まった。英国で確認された「変異種」にも有効だとされている。

独バイオ企業ビオンテックと米製薬大手ファイザーが共同開発したワクチンを用いる。欧州委員会が加盟国を代表する形で最大3億回分購入できる契約を結んでおり、ベルギーにあるファイザーの工場から、人口比に応じて順次各国に届く。EUの人口4億5千万人に対し、開発中も含めて約20億回分を確保済みで、27~29日をワクチン投与を始める「接種デー」と位置付けている。

イタリアー欧州最多の7万1千人の死者が出ているイタリアでは、ローマにある感染症専門病院で働く看護師が27日朝、最初に接種を受けた。医師や看護師、高齢者施設の職員らに続く市民の接種は180万回分が届く1月15日以降の見通し。政府は高齢者を優先して、希望者への接種を進めていく方針だ。

ドイツードイツでは巡回車が介護施設などを訪れて80歳以上の高齢者や介護職員、緊急医療の従事者らを優先して接種が始まった。3月末までに1100万~1200万回の供給を見込む。希望する人たちにワクチンが幅広く行き渡るのは、来年夏ごろまでかかると見込まれている。ドイツのDPA通信の世論調査によると、ワクチンをできるだけ早く接種したいという人は32%、受けたいが影響を見極めたいという人は33%だった。全く受けたくないという人は19%で、副反応を心配している人は57%に上った。

フランスー仏政府の計画では、接種は3段階で実施。まず高齢者向け介護施設などの入所者や、持病を持つ高齢者、施設で介護するスタッフらを優先する。死亡者が出た場所の3割を介護施設が占めており、集団感染のリスクを避ける狙いだ。約100万人が対象となる。2月中旬には、75歳以上、65歳以上の市民、そして50歳以上の医療従事者らという順序を想定する。1400万人が対象となる。残りの市民は春以降になる見通しだ。(同)

 

(コメント)

EU諸国で27日からワクチン接種が始まった。英国、米国に続き年内スタートだ。日本よりかなり早い。EU4億5千万人の結束の強さを示したようだ。

 

接種の順番が各国で微妙に違う。

接種の優先順位の問題は「8割おじさん」の西浦博京大教授によると、感染症数理モデルが活躍するテーマだそうだ。2つ観点があり、1つ目は感染したら重症化リスクが高い集団を対象とする。2つ目は、この集団での伝播を抑えれば全体が抑えられるというような二次感染が多いところをみつけて対象とする。感染症の性質や、社会の様態も含めて、最適な優先順位を評価して決めることになる。

したがって、各国によってコロナの広がり方も違うことなどから微妙に異なる。

 

イタリア、ドイツ、フランスの最優先でみると、介護施設の職員は3国とも対象、高齢者はドイツは80歳以上でフランスは介護施設の入所者、イタリアは対象外となっている。医師、看護師はイタリアで、ドイツは緊急医療の従事者、フランスは対象外となっている。

3国とも介護施設の感染がひどい状況で施設の職員は優先されるが、医療従事者に対してはフランスとドイツは一部対象だが対象にない。イタリアは高齢者が対象にないがいいのだろうか。

これからは私の推察になるが、最初の接種は数が限られているので対象の切り出し方の問題がある。したがって医師、看護師を対象とすると高齢者は対象として大きすぎる。よってイタリアは医師、看護師をフランスは高齢者をとったのか。ドイツはその中間で医師の一部、高齢者の一部をとっているのかもしれない。

 

先行する英国では、優先順位は9段階に細分している。①介護施設の入居者やスタッフ②80歳以上の高齢者や医療従事者③75歳以上④70歳以上、深刻な基礎疾患を持つ人⑤65歳以上⑦60歳以上⑧55歳以上⑨50歳以上と明確である。

 

米国では約2100万人に上る医療従事者と、約300万人とされる介護施設の居住者だ。続いて「食料や運輸など生活に不可欠な業種で働く人」や「持病を抱える成人や高齢者」など、ワクチン接種の対象者を段階的に広げていく方針だが、具体的な接種順位は各州ごとに決められる。米国はEUのように各国にあたるのが州だ。州によって微妙にことなるが、特徴的なものはエッセンシャルワーカーが優位に上がっていることだろう。コロナ感染対策で職業格差が問題となったところだ。

 

各国ともコロナ対策でうまくいかなかったところなどで、感染が拡大し、弱点が見えてきた。ワクチン接種の優先順位を決めるに際して、今後の感染拡大を見据えてその点は考慮されている。さらに政治的な意味も含まれているはずだ。