歴史が面白い235

令和3年2月5日

  <2月5日>

アストラゼネカ申請。英アストラゼネカは5日、新型コロナウイルスワクチンの製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表した。国内で新型コロナウイルスワクチンの承認申請は米ファイザーに次いで2例目となる。国内で実施した臨床試験(治験)のデータは3月中に提出する予定で、厚労省の承認は3月以降になる見通しだ。(日本経済新聞2月6日)

 

ワクチン国内生産始動。英アストラゼネカが5日、新型コロナウイルスワクチンの製造販売承認を申請したことで、国内でワクチン供給の準備が動き出す。ワクチンの基となる原液は中堅製薬のICRファーマが受託生産する。国内初のコロナワクチン量産が軌道にのるかが注目される。

アストラゼネカは1億2000万回分を供給する契約を政府と結ぶ。そのうち75%に相当する9000万回以上を国内で生産する見通しだ。(同)

 

埼玉で英国方11人感染厚生労働省は5日、英国に滞在歴のない埼玉県の11人が、英国で広がる変異した新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち10歳未満の6人を含む10人は、同一施設の関係者だった。(同)

 

抗体保有 東京0.91% 集団免疫ほど遠く厚生労働省は5日、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を5都府県の計約1万5千人に実施した結果、東京都では0.91%、大阪府では0.58%から抗体が検出されたと発表した。

ほか愛知県では0.54%、福岡県で0.19%、宮城県で0.14%から抗体が検出された。(同)

 

60歳以上 感染4割減。国民の約4割が新型コロナウイルスのワクチン接種を少なくとも1回受けるなど世界最速ペースで進むイスラエルで、接種の効果を示す初期データが相次いでいる。優先接種の対象とした60歳以上では新規感染が4割減ったとの分析がある。(同)

 

1回接種で済むワクチン。米国では1回の摂取で済む新型コロナウイルスワクチンの承認も視野に入り始めた。薬局やスーパーが店頭での接種に備えるなど、さらなる接種の普及加速へ準備が広がりだした。

米製薬大手ジョンソンエンドジョンソンが4日、米当局に緊急使用許可を申請したワクチンは、こうした事態の解消につながるとの期待を集める。承認されれば初の接種1回で済むワクチンとなるからだ。(同)

 

入院待ち 解消できるか新型コロナウイルスで医療現場が逼迫する中、厚生労働省は、症状の改善後もリハビリなどが必要となる患者を受け入れる医療機関に対し、定員を超えた受け入れを認める緊急対応を始めた。転院が進まないために重症者らが入るベッドが空かず、自宅待機中に亡くなる例も報告されている。転院を促すことで、こうした現状を改善させる狙いがある。

転院を促すため、厚労省は昨年12月以降、こうした患者を受け入れた医療機関に対し、審査報酬を増額。さらに2月2日付の全国の自治体に出した文書で、定員を超えて入院させたり、会議室など病室以外の場所に入院させたりすることも認めた。医療法では認められていないため、「緊急時の一時的なもの」に限定。医療機関側が都道府県と事前に協議しておくことを条件にしている。(同)

 

(コメント)

東京の抗体保有が0.91%という結果が出た。

同時期の感染者の人口比率は0.32%ということから、約3倍だ。

4日の東京の累計の感染者は10万人余りだから、これによると30万人の人が既に感染したことになる。

 

集団免疫にほど遠いとの指摘があったが、これは慎重に見なければならない。

免疫学の第一人者である大阪大学教授の宮坂昌之氏によると、

古い考えでは集団免疫の主役は抗体であるとされていましたが、新しい考えでは、自然免疫と獲得免疫(抗体は獲得免疫の一つ)の力をあわせたものがコロナに対する抵抗力を表します。

つぎに、古い考えでは、社会は免疫学的に均一な人から成り立っているので一定以上のウイルス曝露にあうと必ず一定の割合の人が感染するということになっていますが、新しい考えでは、社会を構成する人は均一とは限らないとしています。つまり、免疫学的に強い人と弱い人がいて、弱い人から感染します。感染が進むにつれ強い人が残るので、感染は一様には進まないのです。

さらに、古い考えでは、一度免疫ができるとそれが一定期間持続してやがて集団免疫が形成されるとしていますが、新しい考えでは、個体レベルで免疫ができてもそれが一定期間持続するとは限りません。

したがって、抗体陽性率によって集団免疫形成の有無を判定することは難しいということになります。

 

免疫力の強い人は抗体ができる前に、人が既に持っている自然免疫で感染しない。抗体が出る幕はないのである。

今回の抗体検査は市中感染の度合いを調べる手段としては、一定の意味はあるものの、集団免疫をはかるのには十分とは言えないということになる。