歴史が面白い267

令和3年3月9日

  <3月9日>

「1瓶7回」注射器量産。米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを巡り、テルモはワクチン1瓶で7回の接種ができる注射器を開発した。これまでは6回が限度とみられており、より多くの人に接種できるようになる。もっもと「7回接種」を実施するかは医療機関など現場の判断で、国としての接種計画は現時点で変更しない。ワクチンの調達量自体も限られるなか、どこまで効果が広がるかは未知数だ。

テルモは7回接種する注射器を3月末から量産し、まず約2000万本を2022年3月末までに生産する。5日に厚生労働省の製造販売承認を得ており、甲府工場の既存設備で生産する。注射器は政府が全量を買い取る。(日本経済新聞3月10日)

 

ブラジル型猛威新型コロナウイルスの変異ウイルスで、ブラジル型が猛威を振るっている。ブラジルでは新規感染者が急増し勢いが止まらない。感染力が高く、既存のワクチンの効果を弱めるとの報告もあり、注意が必要だ。

ブラジル型は遅くとも昨年12月には出現していた。ブラジルのサンパウロ大学などの研究チームが、同国北部の都市マナウスで変異ウイルスの流行が拡大していると報告した。同市では昨年12月以降から変異ウイルスが検出され始め、感染者のうた変異ウイルスが占める割合は12月には約5割、今年1月には約8割に達した。(同)

 

EU主要国 感染再拡大。2020年の初冬から外出規制や店舗の営業制限が続くイタリア、フランスなどEUの主要国で、新型コロナウイルスの感染者が再び増加している。ワクチン接種のペースも遅く、個人消費につながる外食、観光、娯楽が正常化するメドは立たない。EUは接種を終えた人に域内の自由移動を許す証明書(ワクチンパスポート)の発行を検討している。

イタリアでは1日あたりの新規感染者が2月初め、1万人前半に減ったが、直近では2万人超に増えた。6日には感染リスクが高い地域で学校の閉鎖に踏み切った。

フランスの1日あたり新規感染者はピーク時(20年11月)の1日6万人超からいったん減ったが、2月中旬以降に再拡大。2月24日には3万人を突破した。同国のカステックス首相は「英国由来の変異ウイルスが感染者の6割以上だ」と分析する。

ドイツでも足元では新規感染者が微増へ転じる兆しがある。(同)

 

都、支給4%どまり。東京都が営業時間短縮の要請に応じた飲食店などに出す協力金の支給が滞っている。緊急事態宣言の再発令後の1月8日から2月7日までに時短に応じた事業者への支給率は4%にとどまる。要請期間が連続している影響で、事務負担が増していることが背景にある。(同)

 

コロナ回復の高齢者受け入れ。東京都内の77カ所の介護老人保健施設老健)が新型コロナウイルスから回復した高齢者を受け入れる。都内の老健、約160事業者でつくる都老人保健施設協会の平川博之会長が9日の都医師会の会見で明らかにした。老健医療機関に入院していた高齢者が退院後に自宅へ戻るまでの間に利用する例が多い。コロナから回復した高齢者を受け入れ、病床を空けることに協力する。(同)

 

WHO 司令塔役に限界新型コロナウイルスをめぐり、WHOが「パンデミック」と認定して11日で1年がたつ。感染対策の司令塔と期待されながら、十分な権限はなく、国際政治に振り回された。国境を超える未曾有の感染症は、国家の壁に阻まれる国際機関の限界を浮き彫りにした。(朝日新聞3月10日)

 

 

(コメント)

変異ウイルスの感染拡大が世界中で猛威を振るっている。

減少傾向から一転増加傾向に転じるところが増えてきている。

日本もその兆しがあり、今後の推移にまた一段と注意を払う必要がある。

 

その中で課題のある医療提供体制で小さな進展があった。

東京都の老健77カ所で、コロナから回復した高齢者を受け入れるという発表だ。

これで病床確保で停滞していたところに流れができ、少しは医療の逼迫解消に寄与するはずだ。

 

東京都の入院患者の現状は、3月4日の都のモニタリング会議資料によると、

検査陽性者の全療養者数は、前回2月24日時点の3503人から減少したものの、3月3日時点で2979人と高い値で推移。

内訳は、入院患者1548人(前回は1882人)、宿泊療養者384人(前回は408人)、自宅療養者529人(前回は764人)、入院・療養等調整中518人(前回は449人)である。

減少傾向であるが、まだ逼迫は解消されていないようだ。

医療提供体制の拡充は、関係者の間で根気よく協議し、切り開いていかないと解決しない。手間を惜しんではいけない。