令和3年4月3日
<4月3日>
ワクチン注射、職種拡大。政府は新型コロナウイルスワクチンの接種で注射を打てる職種の拡大を検討する。医師と看護師に限定する現行法の規制を緩和し、歯科医師などが接種を担えるようにする。医学生を活用する海外の取り組みを参考に接種拡大を目指す。(日本経済新聞4月4日)
東京など入院継続。変異型の新型コロナウイルスに感染した軽症者らの受け入れについて、東京都と神奈川県などは「原則入院」を継続する。厚生労働省は宿泊施設での療養も可としたが、第3波のピーク時と比べ病床に空きがあるため、当面は現行の対応を維持する。(同)
大阪、最多の666人感染。新型コロナウイルスは3日も各地で高水準の新規感染の確認が続いた。5日から「まん延防止等重点措置」の適用対象となる府県では、大阪府でこれまで最多だった1月8日の654人を上回る666人が確認された。兵庫では206人、宮城でも136人が確認された。(同)
コロナ治療薬 年内にも。新型コロナウイルスの新型治療薬が年内にも登場する見通しが強まっている。米メルクやスイスのノバルティスが開発競争をリードし、ワクチンで先行した米ファィザーも経口投与型の新薬の臨床試験(治験)を始めた。日本勢もアンジェスや塩野義製薬の新薬候補が海外で第2段階の治験に進む。ワクチンに比べ難航してきたが病態の解明が進み、新薬開発が加速してきた。(同)
変異型、子供にも拡大。新型コロナウイルスの変異型への感染が子供にも広がりつつある。新型コロナは子供に感染しにくいと考えられていた。変異型の中でも英国型は感染力が5割ほど高いとされ、状況が変わっている可能性がある。
厚生労働省の調査では、国内で変異型への感染が確認されたのは3月30日時点670人余り。このうち10歳未満は12%を占め、40代についで2番目に多かった。従来型を含む感染者全体でみると、10歳未満の感染者は3%にとどまる。
海外でも、英ケンブリッジ大学の研究者が3月、英国型の感染力が10歳未満と10代で特に高くなっているとの分析を論文にまとめた。ただ、論文は査読を受ける前のもので、評価はこれからだ。
子供は感染しても無症状か軽症にとどまり、重症化しにくいのは従来型と変わらないようだ。(同)
コロナ後遺症 低い認知度。新型コロナウイルスの後遺症とみられる症状に苦しむ人が増えている。医療機関で専門外来を設置する動きも出てきたがまだ少数で、診断書がもらえずに解雇につながったケースもある。専門家は「後遺症について社会の認知度を高め、専門外来や相談窓口の設置などを急ぐべきだ」と訴える。(同)
接種先行 米英で効果。世界に先駆けて新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった米国と英国で、感染予防の効果が表れつつある。接種が遅れている欧州各国と明暗を分けている一方、接種の進行に伴う社会の「緩み」もみられる。変異ウイルス流行の懸念も広がる中、米英両国は警戒を強めている。
米国内の介護施設で3月上旬、1週間当たりの新規感染者数は約1300人で、昨年12月下旬の約3万4000人から96%の急減となった。同じ時期の全米の新規感染者数の減少率72%を、大きく上回った。米ヘルスケア協会が最近発表したした報告だ。昨年12月開始のワクチン接種は介護施設の入所者と医療関係者を優先対象としていた。接種の有無と感染抑制の関係が、数字で裏付けられた。(読売新聞4月4日)
遅れるEU 変異型が猛威。欧州では変異した新型コロナウイルスが猛威を振るう。死者が10万人に迫るフランスでは新規感染者の8割を英国型の変異ウイルスが占め、南アフリカ型とブラジル型は計4%だ。イタリアやドイツでも約9割は英国型となっている。
マクロン大統領は、「英国型は感染力、致死率が高い」などとして、3日夜から4週間、パリなどで実施している外出制限を全土に拡大する。医療体制が逼迫しているため、重症者向けの病床も増やす考えだ。フランスでは2日時点で1回目の接種を終えた人は人口の約14%にとどまる。
米疾病対策センター(CDC)の集計によると、米国では新規感染者に占める英国型の割合が、2月中旬の6%から3月中旬に27%と急増している。(同)
(コメント)
遅れるEU、回復する英米という図式だという。
ワクチンの対人口接種率は英国が5割弱、米国が3割に対し、フランス、ドイツ、イタリアは1割程度である。
人口10万人当たりの感染者を2020年12月から2021年3月まで月単位で、新聞に掲載される累計値から計算してみた。
感染者数(人口10万人あたり)
①4か月のうち最小値 ②4か月うち最大値 ①/②
米国 3月 559人 12月 1932人 0.29
英国 3月 256人 1月 2024人 0.13
フランス 12月 594人 3月 1380人 0.43
(2.32)*
ドイツ 2月 262人 12月 811人 0.32
(0.55)*
イタリア 2月 605人 3月 1079人 0.56
(1.78)*
日本 3月 33人 1月 121人 0.27
これをみると、米国、英国、日本が3月が最小となっており、減少傾向となっている。フランスは2月にいったん減少したものの3月に増加に転じている。イタリア、ドイツは2月からリバウンドし、増加傾向になっている。
したがって、3月にフランス、ドイツ、イタリアは大きく増加に転じている。これは変異株の影響である。
*・・・( )内の数字はフランス、イタリアは3月が最大なので3月/最小月、ドイツは2月が最小なので3月/最大月