令和3年5月13日
<5月13日>
大規模接種 予約17日から。防衛省は東京都と大阪府で開設する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場の概要をまとめた。東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、京都、兵庫の7都府県に住む65歳以上の人が対象。接種の予約は電話ではなくネットと対話アプリ「LINE」から申し込む。東京23区と大阪市の居住者は17日から予約を受け付ける。申し込みは居住地によって段階的に広げていく。24日からは東京都内と大阪府内、31日からは7都府県すべての居住者が予約をできる。
予約をするには市区町村から送付された接種券が必要となる。
大規模接種会場での接種は24日から3カ月程度とする予定だ。(日本経済新聞5月14日)
国産ワクチン 治験の壁。新型コロナウイルスに対する国産ワクチンの実用化に向け、承認前の最後の大規模治験(第3相試験)が大きな壁になっている。世界中でワクチン接種が進み、未接種の参加者が集めにくくなっているからだ。政府は対応を急ぐ考えだが、壁を乗り越えるのは簡単ではない。
米国では日本と異なり、一定の有効性を示すデータがあれば緊急時の使用を認める「緊急使用許可(EUA)」という制度がある。第3相は実施するが、企業は通常より短い経過観察期間で調べた「中間段階」のデータでも申請できる。ファイザーやモデルナのワクチンではEUAが適用された。厚労省も導入の可能性の検討を始めている。ただこの制度では、副反応などの健康被害に対し、企業や国が責任を負う必要がない。田村憲久厚労相は4月の閣議後会見で「国民の信頼を得られるかどうか踏まえながら安全性、有効性を確認しなくてはいけない」と語った。(読売新聞5月14日)
五輪・パラ期間来日 関係者9万人以下。今夏の東京五輪・パラリンピックの大会期間中に海外から来日する競技団体などの大会関係者の規模について、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は13日、9万人以下となる見通しを明らかにした。報道各社の取材に答えた。延期前は約18万人と試算していたが、私見として「18万人の半分以下を見込んでいるが(コロナ禍を踏まえ)さらに下がってもおかしくない。相当少ない数字になるのではないか」と述べた。五輪・パラリンピックに参加が見込まれる選手約1万5千人はこの人数には含まない。
国内では、大会開催による医療体制への影響を懸念する声が強い。地方会場を持つ茨城県、千葉県の知事からは選手や関係者向けの病床確保に難色を示す声が上がっている。(同)
(コメント)
国産ワクチンが遅れている一因は大規模治験が難しいからだという。
ファイザーが2月に国内で特例承認されている。
この特例承認とは、通常1年程度かかる審査を大幅に簡略化して早期に承認する制度だ。
適用するには、
▽病気の蔓延を防ぐために緊急に使用する必要があること
▽代わりの医薬品がないこと
▽アメリカやイギリスなど日本と同じ水準の承認制度がある国で承認されていることなど
すべて満たすことが条件となる。
ファイザーは、日本国内でも160人を対象に免疫の働きや安全性を確認する初期段階の臨床試験を進めている。
一方、国内で医薬品の審査を行うPMDA(医薬品医療機器総合機構)は2020年9月にワクチンを審査する際の考え方を公表している。
そこで、海外で大規模な臨床試験が行われ、予防効果が確認されているワクチンについては、国内での臨床試験は免疫の働きの解析や安全性を確認するのみで十分な場合があるとしている。
これにより、ファイザーは2021年2月14日に特例承認されたのだ。
それは様々な開発ステージをスピード優先で並行的に進めるなど技術的な面も優れていたが、感染者が米国でも1000万人単位、欧州でも同程度にのぼり、第3相臨床試験での大規模試験で実験者を集めるのに充分であったも有利に働いたようだ。