歴史が面白い355

令和3年6月5日

  <6月5日>

接種 企業が週単位の計画新型コロナウイルスワクチンの職場での接種について、政府が企業に求める準備内容が明らかになった。希望する企業は会場や医療従事者を自社で手配し、週単位の接種計画を都道府県に提出する。接種回数は最低2千回とする。(日本経済新聞6月6日)

 

尾身氏、五輪巡り連日警鐘。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が国会で連日、東京五輪パラリンピックによる感染拡大や医療体制への影響に警鐘を鳴らす。大会規模の縮小や対策強化を唱え、感染症の専門家として提言をまとめる方針も示した。五輪を巡る尾身氏の発言は、「いまの状況でやるのは普通はない」「普通のイベントとは規模も注目度も違い、人の流れが生まれる」「開催すれば国内の感染、医療の状況に必ず影響を起こす」「感染リスクや医療逼迫の影響を評価するのが責任だ。早い時期に考えを表明する」(いずれも厚労委での答弁) (同)

 

ワクチン、ベトナムにも自民党佐藤正久外交部会長は5日のBSテレ東番組で、新型コロナウイルスワクチンについて政府がベトナムへの提供を調整していると明らかにした。(日本経済新聞6月6日)

 

国産ワクチン二つの壁。国内企業による新型コロナウイルスワクチンの開発が前進している。臨床試験は4社が実施中で、2社が今秋までに着手する見込みだ。だが早期の実用化に向けたハードルは高い。

早期の実用化には壁がある。一つは、臨床試験の最後の第3段階だ。現在は日本でも接種が始まり、効果や安全性が不明な開発中のワクチンや偽薬を使う臨床試験に、多数の参加者を確保するのが難しい。

もう一つは承認審査だ。米国には緊急時に短期間の審査で承認前のワクチンの使用を認める制度があり、ファイザー製は申請から約3週間で認可した。日本は海外での接種実績を前提に審査を簡略化する「特例承認」の制度があるが、審査に2~3か月かかった。接種実績がない国産ワクチンは想定しておらず、通常の審査なら1年ほどかかる。

政府は審査の簡略化について年内にも方向性をまとめる。希少疾患の治療薬などでは、第3段階の臨床試験データを提出する前に使用を認める「条件付き早期承認」の仕組みがある。ただ、健康な多数の国民に接種するワクチンの安全性をどう確保するかは課題だ。(読売新聞6月6日)

 

「ステージ4」11道府県厚生労働省は今月から、新型コロナウイルス感染者の病床使用率の集計方法を変更した。これまでは、入院中の人だけでなく入院先が決まった人も含めて計上していたが、新方式では、実際に入院中の人だけで計上する。これにより、医療の逼迫が最も深刻な「ステージ4(50%以上)」の状態にあるのは2日時点で大阪や愛知など11道府県となり、前週の20道府県から大きく減った。(同)

 

 

(コメント)

国産ワクチンの実用化には壁があるようだ。

安全性を確保するために臨床試験の高いハードルがある。

そんな中で米国産のファイザー製などが国内で接種さけている。

これにも国内承認が必要だがこれは特例承認で認められた。

適用の条件で「日本と同等の水準の薬事制度を有する国において流通がなされていること」がある。

米国で緊急使用許可が出されているファイザーが、米国で流通がされているということになる。

それならば、米国の緊急使用許可とはどういうものか調べてみた。

根拠法は米国における医薬品・医療機器・化粧品法で、2つの適用条件を満たす必要がある。

  ①国土安全保障省国防省、保険福祉省長官のいずれかが緊急事態であることを             

   決定した上で、保健保障省長官が、緊急使用許可の発動が正当化される状況であ      

   ると宣言すること

               

  ②①を満たす状況において、以下にあたること

   ・重篤または命に関わる疾病・状況を生じること

   ・他に入手可能な承認された製品がないこと

まさに国の安全保障上、当該ワクチンを使用するほかに手段がないような緊急事態になったときに承認手続きを短縮できるというものだ。

 

そしてFDA(米国食品医薬品局)は、ファイザー製の緊急使用許可にあたり、企業のファイザー対し、実施中の第3相試験を継続することによって⻑期的な有効性・安全性データを収集し、別途、正式な承認申請を⾏うことを期待している(業界向けFDAガイダンス)とした。

 

よって第3相試験は今も続いているということだ。

これをみると、国防など国の形が違う米国の制度をそのまま使って承認手続きができるとは言い難いようだ。